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これも、またぼったくりか?

2010.9.17 | ,
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From:寺本隆裕

From:寺本隆裕

「9.11のテロがあった時、あなたは何をしていましたか?」

最近聞いていたとあるオーディオプログラムで、こんなことを言っていました。9年前の2001年9月11日。あなたは何をしていましたか?僕自身、そのときの事をちょっと思い出してみました。

僕はそのとき、大学4年生でした。ちょうど仲のいい友達と2人で、夏休みを利用してタイに卒業旅行に行っていました。期間は2週間です。予算は確か、往復の航空券を入れて10万円か15万円程度の貧乏旅行でした。

泊まるところは1泊2~300円程度の安宿。シーツもないベッドが2つと、トイレ兼シャワールーム(水しか出ない)が部屋に備え付けられているような簡易的な部屋です。寝る時はそのシーツのないベッドに横になって、バスタオルをお腹にかけて寝るのです。まぁそんなんでも、暑い国だし大学生だし、特に問題なく楽しく観光をしていました。9.11のテロを知ったのは、その宿泊していた施設の受付に置いてある、15インチくらいの小さいテレビでの放送。タイ人の受付の人が、何やら興奮しながらテレビを指差して僕らに「見ろ見ろ」と言っています。

もちろん、ニュースはタイ語だし、受付の人も片言の英語で「エアープレイン」「クラッシュ」と発言しているだけ。正直僕らは全然意味が分からず、飛行機事故が起きてビルにぶつかったんだろうというような印象しかありませんでした。だから、この映像を見たのは9月11日かその翌日だったかもしれませんが、正確にこの意味を知ったのは、それから帰国してから数日たってからのことだったと思います。よく、予定通りに飛行機が飛んでくれて、無事帰国できたものです。

タイ旅行自体はとてもエキサイティングでした。ニューハーフのショーを見に行ったり、現地で知り合ったタイ人とクラブに行ったり、現地の人しか乗らないようなローカルな電車に乗って田舎の町まで行ってみたり。。。

危険な目にも遭いました。

深夜調子に乗って繁華街をぶらぶらしていたとき、ふと路地に入ったときにいきなり3人組の大きな女の人(昔男だった)に襲われたのです。友達の方には1人、僕の方には2人襲いかかってきました。友達はかろうじて逃げれたのですが、僕の方には、一人が後ろから抱きつくと同時に股間を握り、僕が動けなくなっているそのスキに、もう一人が財布を抜き取っていたのです。幸い、財布はひもでズボンのベルトとつないであったので、盗まれずにはすみましたが。

もちろん、ぼったくりにも何度もあいました。

ぼったくり体験 #1

空港からバスでバンコクの繁華街に着いた瞬間、よれよれのスーツを着た男にいきなり「荷物を持ちます」と言われて、強引に手から荷物を奪われる。その荷物はそのままその男のタクシーのトランクに。僕らは意味もわからずにタクシーに乗るはめになり、目的地までたったの5分くらいの距離なのにタクシーに乗らされることに。歩いてもいけるし、トゥクトゥクという現地の人の主な移動手段(原付バイクが2人乗りの荷台を引っ張るようなもの。タクシーの簡易版みたいなん)を使えば数十円くらいで行ける距離です。タクシーに乗らされたせいで、6~700円くらいを払わされてしまいました。現地の価値にしたら相当の高額です。

ぼったくり体験 #2

土産物屋でも、高額を吹っかけられました。観光ガイドに載っていたものと同じものを見つけたので買おうと思ったら、ガイドに書いてある金額の10倍くらいの値段を吹っかけられたのです(向こうの土産物屋は、ぼったくる前提なので、商品のほとんどに値札がついていません。人によって値段が変わるのです)。ガイドを見せて帰ろうとしたら、「その値段でもいいよ」と一気に9割引してくれましたが。

ぼったくり体験 #3

観光ガイド(地球の歩き方)に、典型的なぼったくりの手口が載っていました。

それは、「無料で観光案内する」といってトゥクトゥクに乗せ、そのまま「おいしい店がある」と高い店に連れて行かれ、そしてその後「オススメの店がある」といってスーツ屋に連れて行かれる。スーツ屋のドアを開くと、いきなり店員に取り囲まれて採寸される。店を出ようとしたら、「もうあなたのサイズで生地を裁断しちゃったから、お金を払ってもらわないと困る」と、20万円くらい要求される。仕方なく払って、あとで警察に行って事情を話し、警察と一緒にその店にいってもその店はもう、消えてなくなっている。という手口。向こうでは20万円の現金は相当大金だそうで、一人だまして20万円を手に入れ、そのまま店を一つ引っ越しても十分儲かるそうです。

で、僕らはそれと全く同じ手口に引っかかり、「スーツ屋のドアを開く」ところまで行きました。店員に取り囲まれる前に走って逃げたのでセーフです。(でも、高い店で食事はさせられましたが、、、)

これも、またぼったくりか?

そんなこんなで、ある程度「ぼったくり」に対する免疫と対処法を身につけたある日。僕らはある観光スポットに行きました。するといつものように、現地のタイ人がニコニコしながらこっちに近づいてくるのです。背は160センチ代で、色黒。ちょっとゴツ目です。20代だと思われる男です。

「また来た」「あやしーな・・・」

友達とそんな会話をしていると、向こうは片言の英語で、今日一日オレのトゥクトゥクで観光しないか?面白いところに連れて行ってやる。今日も歩きで観光は暑いだろ?と、誘ってくるのです。

スーツの一件があった僕らは、もうだまされないと思い、いやいいよ。と断りました。でも彼がポケットから取り出したあるものを見たとき、、、僕らのその思いは一変しました。

彼がポケットから取り出したもの

それは、少し小さめの1冊のノートでした。広げてみると、そこにはぎっしりと日本語が書かれてあったのです。久しぶりに(といっても数日ぶりですが)見る日本語を見て、少し懐かしいような安心するような気もしました。

それは、タイ人の彼自身が書いたものではありませんでした。それは、タイ人の彼の1日観光を体験した、日本人観光客のコメントだったのです。

その数、ノート一冊分。しかもみんな一言とかではありません。一人当たりノート1ページ分の、彼への感謝の声。言葉。

「今日はタイ旅行で最後の日でしたが、本当に最高の一日になりました。」
「一生の思い出をありがとう。」
「またタイに来たら、絶対に会いにくるね。」
「タイ人は信用できないと思っていたけど、彼は違う。本当にいいやつだった。」

などなど。。。。彼の似顔絵が書いてあったり、彼に観光案内をしてもらった日本人カップルのプリクラが貼ってあったり。最高の「お客様の声」がぎっしりだったのです。

タイ人の彼(名前を思い出せないのがクヤシいのですが)は、恐らく全く日本語を知りません。だから、彼がノートに日本人からコメントをもらったとしても、そのお客様の声が、一体なんて書いてあるかは彼にはわからないはずです。例えば「こいつにだまされるな!ひどい奴だ!」と書かれてあっても、彼は気づく事ができません。でも彼は、そのノートに書いてある事は、マイナスのコメントではなくプラスのコメントである事を確信し、ニコニコしながら僕らがそのノートを読んでいるのを見ていました。

僕らの、彼に対する評価は180度変わりました。他のぼったくりの奴らと一緒にしていたのが、申し訳ないくらいに。。。

その後僕らは、もちろん彼と一緒にその日一日を過ごしました。本当に、最高に楽しい一日でした。

観光地を教えてもらったり、おいしい料理を教えてもらったり。地元の人しか行かないような「夜市」に連れて行ってもらって、珍しい肴で現地の地ビールを飲んだり。

言葉も通じない彼と、片言の英語だけでその日は10時間以上も一緒に過ごしたのです。僕らも楽しかったのですが、彼自身もものすごく楽しんでいるようでした。

夜遅くなって別れるとき、僕らは彼のノートの後ろの方のページに、一日分の感謝の気持ちを書いていました。大学生ですから、しかも理系ですから、文章を書くのは本来苦手なはずです。でも、、、そのノートを前にペンを手にしたとき、、、感謝の言葉がどんどん出てきたのです。1ページには収まらないくらい。。。

ノートを彼に渡した後、最後は涙を流しながら3人で抱き合っていました。別れの挨拶も、片言の英語でした。

「See You Again. Thank you very much.」

fasdf

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寺本 隆裕

ダイレクト出版取締役。セールスライター兼マーケター。クライアントのためにセールスライティングを請け負う場合、プロジェクト1件で、一流企業のエリートサラリーマンの年収を軽く超える額をチャージ。さらにそこから売上からのロイヤリティがかかる。これほど日本で最高クラスの料金設定にもかかわらず「書いてください」という人が後を絶たない。著書には『ウェブセールスライティング習得ハンドブック』『ダン・ケネディから学ぶ「稼ぐ社長」の作り方』(集英社)がある。

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