From:北岡秀紀
オフィス街で仕事をしていると「今日、何を食べるのか?」という悩み、ありますよね?その悩む時間がもったいないということで毎日同じものを食べる方、月~金までルーティンで決めている方、秘書が買ってくるものを食べる方もいるようです。私なんかは食べるのが大好きなので、ランチに悩むこと自体がエンターテイメントであり、そういうストイックな方を見ると純粋にスゴイなと思います。
さて、そんな毎日のランチの時間を思い出してください。しかも、「今日はこれを食べたい!」というのがない日です。そういう日は何個か「いつもの店」を思い浮かべて、その中のひとつを選ぶんじゃないでしょうか?もしくは和食、イタリアン、ラーメンなどジャンルを思い浮かべてそのジャンルで一番気分に近いところを選ぶ、というパターンでしょうか。ここで重要なことは「今日はこれを食べたい!」という日というのは意外と少ない、ということです。大抵は、とりあえず大枠でいくつかに絞ってから、どれがいいかを考える、というプロセスをたどっているわけです。
差別化、ウリ、USP・・・言葉はなんでもいいですが他との「違い」がマーケティングにおいて重要とされます。このランチの話から、「違い」には二種類の意味が含まれていることがわかります。ひとつめは「これ『が』いい」と積極的に選ばれているパターン。ふたつめはいくつか絞られたあと「これ『で』いい」と段階を経て選ばれているパターン。
マーケティングやセールスにおいて「違い」を作ることは重要です。「これ『が』いい」と積極的に選ばれるようにメッセージを磨き上げていくことが重要です。でも、このステージに一足跳びに到達することはできません。
ですから、まずはまず3、4程度に絞り込まれたとき、自分の商品・サービスは何と比べられているのか?つまり「これ『で』いい」で選ばれることをまず考えてみることです。
そのためには以下の質問を考えてみましょう。
“お客さんはあなたの商品・サービスを買う前に、どこと比べたのでしょうか?”
この質問を真面目に考えると、あなたが競合と思っていたところとは全く違うところと比べられていることがわかります。例えばマクドナルドの競合は、同じハンバーガーを売るロッテリアやモスバーガーではなく、吉野家だったりします。手早くご飯を食べられるという観点で絞り込まれているわけです。
これがわかれば手早さを強調するために2分以内に食事が出てくる約束をするのがいいかもしれません。逆に、仕事をしながら食事できるようにカウンター席じゃないことやWifiを完備していることを伝えることがいいかもしれません。比べられている競合を明らかにしてから、「違い」を考える。この二段階で考えると、ただひたすら「違い」を考えるよりアイデアは出やすくなるはずです。
追伸
今回の話が理解できると、絞り込まれたあとに選ばれるようにするだけではなく、絞り込まれる際に弱い競合と比べられるように誘導する方法があることに気がつきます。
これについては、またお伝えしたいと思います。
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