From:山田光彦
手首が痛い。。。というのも、売れたセールスレターを手書きで写しているんですが、最近、その量を増やしたんです。(業界用語?で「写経」といいます)。
そのせいで右手首がズキズキ痛み、集中できなくなってきたんです。
なので、手首に優しいボールペンを探していて、使い心地がいいものを発見。価格も500円ほど。色々と研究を重ねてやっとできたボールペンのようで、右手首のズキズキも徐々におさまってきました。「ありがたいな~」と思う反面、500円では商品を大ヒットさせないかぎり、大きな利益を出すのは難しいだろうな、というのも感じました。
実際、同じボールペンを売っているモンブランの価格は、1本数万円から数十万円。価格に100倍ぐらいの差があります。
僕はモンブランのペンも使っていますが、写経をしているときの、ボールペン自体の使い心地に100倍の差があるかと言われると、、、実際、そんなことはないでしょう。(モンブランは重いので、手首に優しいのは、安い方のボールペンです)
それは、そもそも売っているものが違うからです。もっというと、お客さんは商品(ボールペン)を買っているんじゃないからです。たとえば、、、
「仕事場に置いておくペンがないな。じゃあ、コンビニでペンを2、3本買っておくか」となっても、、、「仕事場に置いておくペンがないな。じゃあ、モンブランを2,3本買っておくか」とは、ならないですよね。どちらかというと「あの人の出世祝いにモンブランをプレゼントしよう」とか「セールスライターだから、仕事道具にはこだわらないとね」ということの方がしっくりきますよね。
つまり、モンブランが本当に売っているものは、ボールペン(紙に字を書く機能)ではないのです。
他にも、同じような事例でいうと、スターバックスではコーヒーを買うことはできます。ですが、売っているものは単なるコーヒーではありません。実際、スタバのコーヒーは、コンビニなどの倍ぐらいの値段がします。
ですが、ある会社が行った「コーヒーのおいしさに関する調査」では1位:ローソン、2位:セブン-イレブン、3位:ドトールで、スターバックスは5位でした。
それにもかかわらず、スターバックスには、注文の列ができ、お店もいっぱいです。これはスターバックスが売っているものが、単なるコーヒーではないからです。
他にも、ベンツやポルシェも単なる移動するための道具として車を売っているわけではありません。iphoneも単なるスマホを売っているわけではありません。高級なレストランも、食事の味だけで勝負しているかといえば、、、違いますよね。
ひとことで言うと価値。顧客のニーズを満たすこと。売っている商品というのは、価値を届けるための手段で、お金を払ってもらうポイントになっているところ、というだけです。具体的には、、、
スターバックス:サードプレイス
かなり有名ですが、スターバックスが提供しているのは「サードプレイス」。家、職場・学校に続く3つ目の快適な空間という価値を提供しています。
モンブランが売っているものは、ボールペンではなく、おそらくステイタスでしょう。
少し昔の事例で行くと、、、
シアーズ・ローバック:郊外の顧客にたくさんの商品の中から、商品を買う機会を提供すること
シアーズ・ローバックというアメリカの会社は、元々はカタログ通販で成功していた会社。今のように家の近くにコンビニや大きな小売店がない時代だったので、カタログ通販で、豊富な品揃えの中から、商品を買う機会を提供していました。
ですが、通販で商品を買っていた郊外の人たちが、自動車で店舗に行って、買うようになったのです。そのとき、この会社は顧客の行動の変化に合わせて事業を変えました。具体的には、通信販売から「郊外の巨大駐車場付きの大規模店舗」で、たくさんの商品から商品を買う機会を提供することにしたんです。
その結果、3年ほどで192店舗を出店。1941年には600を超える店舗を出店するまでに成長しました。
他にも、、、
Amazonのミッションのひとつ:「地球上で求められるあらゆるものを探し、発見でき、購入できる場をつくる事」
昨日の寺本さんの記事もありましたが、Amazonが今後、食品、日用品、家庭用品、生鮮食品、などのプライベートブランドを販売すると発表しました。この発表も、Amazonがやろうとしている価値提供に沿ったものだからこそ、やっているんでしょう。
つまり、Amazon全体で提供する価値はこういうことなんでしょう。競合にとっては、めちゃくちゃ脅威ですが、、、
あなたが商品やサービスを通じて、、、
・顧客に提供している価値はなんでしょうか?
・そして、その価値を提供するために、あまり必要のないことはないでしょうか?(だったら、それをやめることができるんじゃないでしょうか?)
・その価値を提供するために、次やるべきことはなんでしょうか?
簡単な質問じゃないことは分かっています。ですが、これが見つかれば(明確になれば)、あなたのビジネスを大きく成長させるきっかけになってくれるはずです。
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