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競争心と大いなる成功

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From:ダン・ケネディ

From:ダン・ケネディ

今回は実業家の性格・気質がどのように彼らを大成功に導くのか、そして、お客様を本当に理解することの大切さについて話したいと思います。

あなたが「競争心」を持たなければいけない理由

ある晩、私は営業部と話をした後、3冊の著書「No B.S.シリーズ」の発行社である米国の事業家ビジネスメディア「アントプレナー・メディア社」のCEOと、夕飯を一緒に食べました。
彼は60歳にして、カーレーサーでもあります。時速290キロでコーナーに突っ込み、首を痛め全身を打ったりしながらも、誰かを打ち負かすことを純粋に楽しむためにレースをしています。
彼の雑誌はライバルである「マガジンズ・アドバタイザー」誌を標的にし、マーケットシェアを奪うために過去数年にわたって莫大な量の広告ページを手に入れました。
現在彼は、ビジネス誌大手の「ファスト・カンパニー」誌に勝とうとしています。
基本的に、彼はいつでも戦いの中にいるのです。

ウェンディーズ(アメリカのファーストフードレストラン)の創始者である故デーブ・トーマスは、非常に温厚で親切だと知られていました。
彼のレストランは長い間居座っていた競争相手を蹴散らし、盛大な祝福を受けました。
私のクライアントのチャウンシー・ハッターJr.は、彼の税理事務所を完全無欠の広告で宣伝し、税務代行サービスの国際的なマンモス企業であるH.R. ブロック社からビジネスシェアを奪いました。
H.R. ブロック社は敗北に喫したのです。

大富豪ドナルド・トランプは、彼のテレビ番組『アプレンティス』(ドナルド・トランプの関連会社役員の椅子をかけて丁稚奉公をするという内容)が、水曜の夜大人気を博していた『アメリカン・アイドル』を越せるか非常にやきもきしていました。
(編集注:結果、同番組はリアリティー番組として空前の人気を誇りました。)
これは、単なる金銭的成功の話ではありません。実業家の大いなる成功は、彼らの性格がもたらしたものなのです。
人は、誰かの「尻を蹴り飛ばしたい」と思っています。もしあなたがこの血に飢えた欲望を失えば、欲望をもった別のライバルに食われてしまうでしょう。

率直に言えば、「努力」で勝利をもたらす全てが手に入るわけではないのです。
もちろん、この取りつくしまもないほどの競争心を、勝利のための衝動・意思と呼ぶことが美徳であるかは議論の余地があります。
しかし、実際、事業家の成功にまつわる全てのストーリーにおいて、競争心の存在を無視することはできないでしょう。
近年、子供の繊細な自尊心が傷つくことを避けるために、学校からは『競争』が排除され、成績はつけず、運動場では試合がありながらもスコアを点けないという風潮が多く見られるようです。
この風潮は、若者が実社会に出た後、まるで動物の路上轢死体のようになってしまう事態を引き起こすでしょう。

コピーライターのジョン・カールトンは言います。
「期限(締切り)」は最も偉大な発明であり、それ以上の発明などないと。
仮にそうだとすると、「競争」は2番目に偉大な発明であるに違いありません。
競争なしでは、他のほとんどのものは、進歩せず、評価もされず、売られもせず、認識すらされずに衰えていくでしょう。

お客様を飽きさせていませんか?

さて、あなたのマーケティングはどれ位あなたの利益や利益に紐づくものに焦点をあてているでしょうか。
自分に関係のあることが他の人々にも関係があるとは限りません。
ここで、あなたのダイレクトマーケティングに対して警告とも言える質問をします。
あなたは話をする際、あなた自身の興味の対象とお客様の興味の対象の、どちらにどれくらいフォーカスしていますか?

ここで、ナポレオン・ヒルの話に出てくるアンドリュー・カーネギーの母親の小噺が思い出されます。彼女が暖房炉を買いに店に行ったところ、BTU(英式熱量単位)の省エネや品質構成についての説明を受けました。とうとう彼女は話を遮って尋ねました。
「結局のところ、それはこの老女を暖めてくれるんですか?」

経営者は、製品・サービス・ビジネスそれ自体といった内面的要素にとかく焦点をあてがちです。しかし、大切なのは、消費者や顧客、ユーザーの興味、思考、彼らの心の内から生じる会話、決心にいたるまでの過程などの、外面的要素に焦点を当てることなのです。要するに、お客様の思考や感情を本当に理解することが、他の何よりもはるかに大切なのです。
これは簡単なことではありません。

とある話です。アインシュタインの一番初めの関心事は、行動心理学、特に女性の心理についてでした。しかし彼はそれを諦め、彼にとってはより簡単に理解できる量子物理学という分野に進みました。
お客様を理解することは相当タフなことかもしれません。時に、相手は不合理で、ころころ言うことが変わるかもしれません。しかし、それがあなたの仕事なのです。

  • お客様が読むものを読み
  • お客様が見るものを見て
  • お客様がぶらつくところをぶらつき
  • お客様が話すことを聞き
  • お客様が買い物に出かける場所へ買い物に行く

調査することは確かにすばらしいですが、不十分なのです。
お客様の世界に浸ることの方がもっと役に立ちます。

もしあなたが人々を理解することにもっと興味がおありならば、デイヴ・ディーのVIP会員から贈り物にもらった面白い参考文献を紹介しましょう。
Ian Rowland著『The Full Facts Book Of Cold Reading』です。
(日本語翻訳版は発売されていません)
これは、心理を読むためのハウツー本です。私はこの中のいくつかのテクニックは知っていましたが、学ぶものが更にありました。あなたも私と同じように、このハウツーに魅了されるでしょう。

次回も引き続きマーケティングについてお話します。
次回をお楽しみに。

ダン・ケネディ

ダン・ケネディ

ダン・ケネディは、毎年100万人以上の中小企業、大企業のビジネスオーナーや起業家に影響を与え、世界一多くの億万長者を生みだしている。そんな彼のことを、アメリカで最も億万長者を生んだ人として、「億万長者メーカー」と呼ぶ人もいれば、「21世紀のナポレオンヒル」と呼ぶ人もいる。 「日本一のマーケッター」にも選ばれた神田昌典氏も、彼の著書を監修し、絶賛のコメントを寄せている。

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