From:ダン・ケネディ
FROM:ダン・ケネディ
前回は「役に立たないイメージ」について話しました。それは、「出世の階段」と呼ばれているものでした。
今回は、もう一つ別のイメージについて話したいと思います。それは、ラスベガスと、ラスベガスが持っている「明確であること」の驚くべき力についてです。
ラスベガスが持っている力
私はあるとき、ラスベガスに7日間滞在しました。その頃はラスベガスでは、連日連夜建設作業が続いていました。ある建設会社のオーナーは私にこう言いました。
「人手が足りないんです。全米に求人広告を出して、雇った人を全米からラスベガスへ連れて来ているんです。」
私のクライアントがラスベガスで家を買いました。価格は120万ドルでした。売買手続きが終わる前に査定してもらったところ、140万ドルに値段が上がっていました。さらに、1ヶ月も経たないうちに160万ドルで買いたいという人が現れたのです。
ラスベガスではたった10日の間に3つも大きなコンベンションが開催されていました。
ラスベガスのマンダレイ・ベイ・ホテルのバーでは、2003年、2300万ドルを売り上げました。離れになったステーキハウスの売り上げは、2100万ドルです。
ラスベガスではお金が湯水のように流れていました。それはなぜでしょうか?
一つの理由は、州所得税がかからないことです。でも、私はもう一つ理由があると思います。
それは、単純なことです。「明確であること」の驚くべき力です。
「明確であること」の驚くべき力とは?
ラスベガスは、全米で唯一、ただ一つのことだけを目的に考案され、設計され、画策され、開発され、運営されている都市です。
その目的とは、ラスベガスを訪れた人にできるだけ多くのお金を落としてもらい、そして、楽しんでもらうということです。
行政の人たちも、民間の人たちも、サービス業で働く人たちも、ラスベガスのありとあらゆる人たちがこのミッション(使命)を“明確”に理解しています。彼らが何か判断を下す時は、常にこのミッションが頭にあるのです。
人は目標を持てばそれに向かって進もうとします。目標が明確であればあるほど、進路はぶれることなく、目標に到達する可能性も高くなります。
だから、ラスベガスではお金が湯水のように流れてくるのです。
ラスベガス以外の都市の市役所や州政府のリーダーたちの中で、こんなふうに明確に自らの目標を言葉にできる人はほとんどいません。企業のオーナーについても同じです。
あなたはどのくらい「明確」でしょうか?
ラスベガス滞在中、私は、ある聴衆に向けて講演を行ないました。その聴衆は、誰もが「難しい連中」だと思うような人たちです。彼らは、演壇からスピーカーが何かを売りつけるというやり方に、全く慣れていなかったのです。
1,000ドルを超えるような商品を「売り込み」された経験が無いのです。
実際、私の前のスピーカーたちが売っていたのは、15ドルの本と20ドルのCDでした。
この聴衆については、私自身心配していました。しかし、聴衆の中に財布を握っている人は150人もいないにもかかわらず(聴衆の数は300人)、私は37,000ドルを売り上げたのです。
率直に言って、これだけの売り上げを上げたスピーカーは他に5人もいなかったでしょう。
私がこれだけの売り上げをあげることができた理由は、私がなぜそこにいるのか、その目的を明確に分かっていたからです。
毎朝ベッドから起き上がる時、その日に何をする予定か、そしてそれはなぜかが私には明確に分かっています。
私が観察するところ、多くの人が自分のビジネスにおいて、その日どうするのかに関してこのような明確さを持ち合わせていません。
さて、あなたはどのくらい「明確」でしょうか?
次回のメールでは、大成功した起業家の性格、個性について、話したいと思います。
次回をお楽しみに。
ダン・ケネディ
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