From:ダン・ケネディ
FROM:ダン・ケネディ
前回は、変化がいかに急激か、そして、激しい環境の変化に対応するための戦略、ライフ・ストラテジー#1、#2を話しました。
今回は、その続きです。
急激な変化に対応するライフ・ストラテジー#3
3つ目は、マーケティング、顧客獲得の手段を多様化することです。
私は常々、多数の媒体を活用すること、ビジネスを成長させる手段を数多く持つことの重要性を訴えています。
そうすれば、その内の一つや二つが突然失われてしまったとしても、ちょっと不便になるだけで、痛手を負ったり破産したりすることはないはずです。
同じことが、収入源についても言えます。一つや二つではなく、いくつもの、さらには数多くの収入源を持つようにするのです。
急激な変化に対応するライフ・ストラテジー#4
4つ目は、ニッチ(すき間、得意分野)です。
私たちは、相手の承認を得なければマーケティングができない時代へと突入しようとしています。良い悪いではなく、法律によってそうせざるを得ないのです。
相手の承認を得てそれを維持するには、あなたがニッチにいた方がずっと簡単です。
相手が求めているものをあなたが提供できると思ってもらえれば、あなたは初めから自然に
「歓迎されるゲスト」として迎えられるのです。
急激な変化に対応するライフ・ストラテジー#5
5つ目は、弾力性を失わないことです。
私のクライアントの中で最も頭が良い一人が、私にこんな話をしました。自分のビジネスが「スケーラビリティ」を失わないよう細心の注意を払っていると言うのです。
売り上げや利益や問題やチャンスに応じて、簡単かつ迅速に、拡大したり縮小したりできるようにしているのです。もたもたすることなく、てきぱきとした対応が必要なのです。
役に立たないイメージとは?
「出世の階段」と呼ばれているイメージがあります。
私が指摘したいことの一つは、「出世の階段」のイメージが役に立たないものだということです。
このイメージは、あなたの潜在意識にしっかりと植え付けられてしまっているかもしれません。
どんな学校、企業、団体のヒエラルキー(ピラミッド型の序列)にも、その背後には「出世の階段をよじ登る」という考え方があります。これは、その頂点にあるものが、下位の者に対して権威と権力を持てるよう作られたものなのです。
このような考え方は、起業家には全く当てはまりません。
むしろ、起業家はそのようなヒエラルキーとは全く離れたところで、そのようなヒエラルキーによるメリット(病欠が許されるといった「安心感」など)を一切享受することなく活動しているのです。
そして、彼が一切のメリットを受けられない以上、彼もその権威を認めるべきではありません。
起業家は「階段をよじ登る」のではなく、「飛び越える」ことを考えるべきなのです。
あなたは「階段をよじ登る」タイプの人間ですか?
私がこれまでに読んだものの中で最も前向きの影響を与えてくれた書物の一つに、ロバート・リンガーの著作があります。
私を励まし金持ちにしてくれたものが何かと言えば、「階段をよじ登る」のではなく、「飛び越える」という考え方、ほぼそれだけです。
何度も何度も「階段をよじ登る」のではなく、「飛び越える」ことを考えてきたのです。
同じような文脈で言えば、経営者の多くはこれまでどおりの活動を続けて、少しずつ段階を追って成長するという視点で考えがちです。これは要するに、階段をよじ登っているのと同じです。
例えば、私のコーチング・グループにフランチャイザーがいて、フランチャイジーを増やすことを考えているのですが、そのペースはおそらく1ヶ月に1店ほどです。1ヶ月に100店増やすといった考え方は彼にはできません。
彼は「階段をよじ登る」タイプの考え方をする人間で、「飛び越える」タイプの考え方はできないのです。
私が一緒に仕事をしている本の著者や講演者にも、次に書く本、次に録音するアルバムのことしか考えられない人たちがいます。どんな商品を揃えればいいか、全体像を考えることができないのです。
彼らも「階段をよじ登る」タイプで、「飛び越える」タイプではありません。
まだ、何十も例をあげることができますが、でも、もう何を言いたいのか分かったことと思います。
私は「飛び越える」タイプの人たちに、注目します。
あなたもそうすべきです。
大規模セミナーのスピーカーだったマーク・ビクター・ハンセンは、常に「飛び越える」タイプの人間でした。「こころのチキンスープ」シリーズは、その結果生まれたものです。
ヒラリー・クリントンも大胆不敵な「飛び越える」タイプの人間です。彼女は上院議員になるまで、選挙で選ばれる公職に就いたことがありません。教育委員会の委員になったことさえ無いのです。その彼女が今ではホワイトハウス入りを目前にしています。
あなたに2つ、質問があります。
・ あなたは、何人「飛び越える」タイプの人間の名前をあげることができますか?
そして、その中の誰について、今、研究していますか?
・ あなたは「階段をよじ登る」タイプの人間ですか?「飛び越える」タイプの人間ですか?
「飛び越える」こともできるしそうすべきなのに、今「階段をよじ登って」いるのではありませんか?
次回は「明確であることの驚くべき力」について話します。
次回をお楽しみに。
ダン・ケネディ
【ザ・レスポンス】の最新記事をお届けします