From:北岡秀紀
From:北岡 秀紀
先日、数十店舗を経営するある飲食店の社長と話していたとき、飲食店を流行らせるテクニックについての話になりました。そこで、最近、特に意識していることが2つある、という話でした。
飲食店に限らず、考えるところが多いと思いますので、今日はそれをシェアしたいと思います。
ひとつめのテクニック。体験価値を加えること。
・冷えた味噌汁を客席に持って行き、目の前で焼けた石を投入して一気に沸騰させる
・目の前でフランベする。(アルコールに火をつけるやつです)
・過冷却を使って、液体を目の前で凍らせる(「過冷却」わからない人は検索してください。)
・イクラ丼のイクラを目の前で大きな掛け声とともに乗せる
・番外:美味しくなる魔法をかける
こんな風に、最後の仕上げ部分などをお客さんの目の前でやったり、お客さん自身にやってもらって「体験」してもらうという方法。ちょっとした遊びを入れるイメージです。
社長曰く「味では差別化しづらい。だから、美味しいだけでなく「楽しい」を演出するのだ」と。
そして、2つめのテクニック。それは…フォトジェニックにすること。
フォトジェニックとは写真向きな被写体のこと。派生系でインスタジェニックって言葉もあります。(インスタグラム向きの被写体ってことです。)思わず写真を撮りたくなるようなタイミングを作る、ということです。
例えば、上記の体験価値は、フォトジェニックと実はつながっています。味噌汁が沸騰した瞬間、フラベして日が上がった瞬間、液体が凍った瞬間というのはシャッターチャンスなわけです。どんどんスマホに撮ってもらいます。
また、恐ろしく巨大なデカ盛り、無駄に分厚い肉なんかもフォトジェニックな商品と言えます。上記に一例としてあげた、大きな掛け声とともにイクラを乗せるいくら丼の店は、わざと小さめの丼にしています。そうすることでイクラがこぼれて、ただの山盛りよりもフォトジェニックになる、というわけです。
写真を撮ってもらえれば、結果、Facebookやインスタグラムなどのソーシャルメディアで店の名前と拡散されることになります。つまり、人工的に口コミを作っているということ。
いかがでしょうか。ま、聞いてみればそうだよねと思える話だと思います。
ですが、これら2つを意識して商品設計をしたことはないと思います。また、実際、最近、流行したものを思い出してみると、割とこの2つが含まれていることもわかると思います。(あえて例は出しません。ちょっと考えてみてください。)
体験価値、フォトジェニック。あなたが飲食店でなくても取り入れられますから、ぜひ考えてみてください。
ただし…
体験価値、フォトジェニックを入れれば流行るという話ではありません。実際、そう勘違いしている飲食店は多くて、肝心の清掃や挨拶ができていないなんてところが結構増えているそうです。
当たり前のことをやった、あくまで最後の一押しだということは忘れないでください。
-北岡 秀紀
【ザ・レスポンス】の最新記事をお届けします