From:ダン・ケネディ
広告/マーケティング業界において、新しくて「ホット」なトレンドは、口コミを買ってバズ・マーケティングを行なうことです。
急速に成長している分野です。例えば、ソーシャルネットワーキングサービスのサイトで商品や映画、有名人をプロモーションするために、広告代理店が(サクラとして雇われたと明かさずに)ティーンエイジャーの大群を提供することがあります。
昔ながらの「メディア」は、チラシを路上で配るなどしていました。
現在は、例えば、酒造メーカーが「Beautiful People」(訳注:出会い系サイト)のような人たちを雇い、ニューヨークで人気のバーにゴールデンタイムに押しかけ、その人たち全員が新商品のお酒を大きな声で注文し、そのおいしさを褒めるという手法があります。
このような手法に関する「暴露」の1つは、NBC放送の「デイトライン」(訳注:ニュース番組)によるインタビューでした。ニセの口コミキャンペーンを取りまとめる代理店/会社を経営する若い男性が、これは人をだますようなマーケティング手法だという意見を述べました。
確かに、そうかもしれません。
ただ、タイガー・ウッズがビュイック(訳注:ウッズのスポンサー)のミニバンを本当に乗り回しているのだろうか、とも思いませんか?
“Word Of Mouth Marketing”(仮邦訳:口コミマーケティング)の著者であるジェリー・ウィルソンは、だいぶ前に、これはマネジメント不足なビジネスチャンスだと指摘しました。
つまり、多くのビジネスは自分たちが入手できるものを入手するだけで、何かを生み出すということはほとんどしないということでした。ましてや、自社の営業チームはマネジメントするのに、口コミのマーケターたちをマネジメントすることはまずないそうです。
ニセの口コミを作ったり買ったりするビジネスがあります。
この有効性を証明する尺度はまだそれほどありませんが、それでも興味深いビジネスです。どんなに少なく見積もっても、現在重点を置いている本物を奨励するということよりも価値があると示唆しているからです。
「ホット」になりつつあるもう1つのテクニックは、路上で、「グラバー」と呼ばれるものを人の手で配ることです。
例えば、USAネットワークは、「トラフィック」という麻薬組織に関するTV番組をプロモーションするため、ニューヨークの広告代理店「メディア・キッチン」に頼んで、番組名・ロゴ・放送日が書かれたステッカーを本物の1ドル札50,000枚に貼り、1月上旬からニューヨークとロサンゼルスのバーで配って人の目に留まるようにしました。
より経済的に行なった一例は、ドナルド・トランプの番組「アプレンティス」のプロモーションです。
ベンジャミン・フランクリン(訳注:アメリカ建国の父であり100ドル札の肖像でもある)の代わりにトランプの顔が描かれたニセの100ドル札5,000枚を、番組初回の2日前にニューヨーク市街の路上で配りました。
アトランタでは、女性が紙ナプキンの角を破って手書きしたようなメモ「ステキな時間を過ごしたいなら、いつでもバンビ000-000-0000に電話をかけてね」が約25,000枚、バーやタクシー、レストランやクラブの男子トイレに置かれました。
その番号にかけた人は、「バンビから」の録音メッセージとして、新しくオープンした大規模なストリップクラブのプロモーションを聞くことになりました。
他にどんな例を見たことがありますか?
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