From:リッチ・シェフレン
では、早速始めましょう。今日は、マーケティングのコンテンツについての話です。具体的に言うと、あなたがコンテンツ制作を考える際の、シンプルでありながら、とても重要かつユニークな方法について紹介します。
コンテンツについて、この小さな微調整を加えた視点でとらえることによって、あなたが売っているものが何であれ、その需要を刺激するのです。
この方法は、正しく実行されれば、これまでになかったような需要まで生み出すことができます。この方法は確かに、あなたのマーケティングのあらゆる側面において検討し、活用するべき強力なコンセプトなのです。
マーケティングについて少しでも知っている方なら、コンテンツ制作は、単なる商品やサービス制作以上のことだと知っているでしょう。
これを聞くと、ほとんどのマーケターは、「ええ、知ってますよ。特徴やらベネフィットやらのことなら何でも。」と言うでしょう。でも私が言っているのは、そのことではありません。
あなたが作るコンテンツは、あなたの見込み客や顧客に対して「体験」を提供するものでなければいけないということです。ついでに言っておきますが、このことをメモして、忘れないようにしてください。
あなたのビジネスが所有している最も素晴らしい資産とはあなたの顧客なのです。あなたは常に、見込み客だけでなく、顧客にもマーケティングするべきです。一度買ってくれた顧客のことを忘れてしまうマーケターが多すぎます。
とにかく、あなたのコンテンツが提供するべき「体験」とは何か、に話を戻します。
私がここで話している「体験」とは、あなたの見込み客が最も共感しやすいような例を示すことであり、それによって、あなたの提供している商品やサービスの忠実な消費者になるように仕向けるのです。
あなたの見込み客や顧客にあなたから「買いたい」と思わせるような体験である必要があります。つまり、あなたが提供している商品、プログラム、サービスなどです。
少しわかりにくいかもしれませんので、例を挙げて説明しましょう。
少し前、コーチングで電話相談を受けていたときのことです。あるクライアントが、売り上げが伸びないと不満を言ってきました。彼は、「自分の商品が売れる市場をどこにも見つけることができない」と感じていました。
あらゆるメディアに広告を出して、自分のメッセージをプッシュしていましたが、どのメディアの反応も、良くてまあまあ、という程度でした。
私は彼に、何を売っていて、どんなマーケティングをしているのか、尋ねました。
彼は、「アウトソーシングに関するコースを売っている」と言い、それまでに使ってみたマーケティングのメッセージをいくつか教えてくれました。
さて、話が面白くなるのはここからです。彼の相談に応じていたのはちょうど、ティム・フェリスの著書『週に4時間だけ働く』が注目され始めたころでした。
この本を読んだことがある人なら知っていると思いますが、これはとにかくアウトソーシングについて書いた本なのです! 生活の中のあらゆることをアウトソーシングすることをうたっています! そしてこの本はベストセラーになりました!
私のクライアントが理解していなかったことは、彼の市場は、アウトソーシングの「体験」には関心がなかったのにもかかわらず、彼のマーケティングのコンテンツはすべてアウトソーシングについてだったということです。(その特徴やベネフィットについて綿々と書いてありました。)
一方、「1週間に4時間しか働かない」という体験は、それまでのどんなものとも全く違っていました。このアイデアは、新しくてユニークだったのです。ほとんど「信じられない」ものでした。だから、何千人もの人々がこの本を買ったのです。
さて、確かにこれは、どちらかといえば、あなたのマーケティングを概念的に考える方法です。しかしあなたが、適切な「体験」を届けるという、この考え方を完全に把握すれば、あなたのマーケティングの結果は劇的に変わる可能性があります。
ひとつはっきりさせておきたいことがあります。それは、マーケティングとセールスがごっちゃになっている起業家が多すぎるということです。「マーケティングのゴールは、売り込みをする必要がなくなるように、商品やサービスに対する需要を刺激すること」であることを忘れているのです。(「売らない」のではありません。常にセールスは必要です。「購買行動を喚起する」という意味で。)
でも、あなたのマーケティングがなすべきことは、商品やサービスなどあなたが提供しているものに対して、願望や需要を生み出し、それを刺激し、それを購買へと仕向けることです。売り込むための需要を探すことではありません。これが、あなたの届ける「体験」のゴールです。
このようにすればマーケティングはずっと簡単なものになります。
覚えておいてください、あなたの市場があなたの提供するものを今すぐ手に入れたいと思っているかどうかに関係なく、この人たちはいつも、何かを求める何らかの願望をもっています。その何かを、マーケティングによってあなたの商品へと関連づけるのです。そして、あなたが届ける体験は、その願望を強烈に刺激するものでなければならないのです。
リッチ・シェフレン
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