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顧客の受け止め方こそが真実

2016.2.21 | ,
  •  

From:ダン・ケネディ

前回の投稿「顧客はなんと言っていますか?」で話した顧客サービス交渉術の中から、テーマを選んで話していきます。

早速ですが、3番目の項目について私たちのリサーチでわかったことをお伝えしましょう。まず、顧客満足を生む方法とその難しさについて、真実をお伝えします。

重要な事実があります…

不満を抱く顧客の98%は、購入した商品やサービスの品質に問題があるから不満を抱くのではありません。この98%の顧客の不満は、対応したスタッフにどのような扱いを受けたと感じたかに関連しています。

繰り返します…

どのような扱いを受けたか、ではなく、どのような扱いを受けたと顧客が感じたか、と書いていることに注意してください。

この点が極めて重要です。つまり、いくつかの、おそらく大部分のケースでは、スタッフは顧客に適切で親切に対応し、最善を尽くそうとしたのでしょう。

しかし、スタッフが行なったことが問題なのではありません。顧客がそれをどのように受け止めたか、ということが重要なのです。

顧客サービス交渉術は、顧客の受け止め方をコントロールすることに関連しています。つまり、正しく行動するということは、顧客とよい関係を築くことに比べるとそれほど重要なことではありません。

これをふまえると、ビジネスが顧客を失う一番の理由は、対応した会社のスタッフが不親切だった、または不適切に対応した、と顧客が受け止めることだとわかります。

つまり、この点に注力すれば、あなたの会社の顧客維持率において、間違いなく大きな違いを生むことができるのです。理論的ですらないかもしれませんが、顧客にとっては、あなたが会社そのものなのです。

この記事を書いている現在、ニュースでは航空業界に対する批判があふれています。乗客からのクレームは爆発的に増えています。飛行機を利用する誰もが、フライトのキャンセルや遅延を経験したり、荷物の紛失にあったり、サービスの質が明らかに低下していると感じたりしています。

ある航空会社の窓口係が私に言いました。「想像してください。自分に対して怒りや不満を抱く多くの人々に対応しなければならない、と前もって知りながら、毎朝仕事に来ることがどれだけ大変か。」さらに彼女は、「私たちの失敗でなくても…私たちが航空会社そのものですから」と言いました。

彼女の言うとおりです。彼女や同僚、客室乗務員は、乗客にとっては航空会社そのものです。航空会社の幹部は非常に遠い存在なので、顧客にとっては現実的な存在ではありません。

これら航空会社の従業員の多くは、優れた顧客サービス交渉術を身につけています。顧客に対応する過程で顧客を失うことなく問題を解決しようと時間を割くことで、自分たちの航空会社を救っています。

これは航空会社でも、小売店やレストランでも、オンラインビジネスであっても同じことが言えます。

電話に出る人、メールに対応する人、顧客に直接対応する人が会社の運命を実際にコントロールしているのです。

私は、運命という言葉を意図的に使っています。ほとんどの会社にとって、リピート客は極めて重要だということはご存じでしょう。

新規顧客を1人獲得するためには、相当なコストがかかります。広告、プロモーション、広報、看板など、新規顧客に来店してもらったり電話を初めてかけてもらったりするためのあらゆるコストです。実に多くのビジネスや会社が、新規顧客への初回販売時には損をしています。

会社を存続さえ、成長させるための利益は、ある顧客に対して2回目、3回目、4回目の販売時に発生します。リピート客がいなければ、ほとんどのビジネスは失敗します。

ビジネスの他の要素、たとえ商品またはサービスと比べても、顧客サービス交渉術に最も関連が深いのはこのリピート客なのです。

ダン・ケネディ

ダン・ケネディは、毎年100万人以上の中小企業、大企業のビジネスオーナーや起業家に影響を与え、世界一多くの億万長者を生みだしている。そんな彼のことを、アメリカで最も億万長者を生んだ人として、「億万長者メーカー」と呼ぶ人もいれば、「21世紀のナポレオンヒル」と呼ぶ人もいる。 「日本一のマーケッター」にも選ばれた神田昌典氏も、彼の著書を監修し、絶賛のコメントを寄せている。

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