From:ダン・ケネディ
あなた自身、あなたの商品やサービス、またはスモールビジネスをプロモーションしたり売り込んだりするときに使える具体的な考え方やプロセスをもう1つ挙げるとすれば、「わかりやすく整理して売り込むこと」です。
今日の社会において、人とコミュニケーションを取るときに考慮しなければならないことがいくつかあります。
まず、集中力が持続する時間がゼロだということです。これを理解することが非常に重要です。
何年も前、スーパーボウルのテレビ中継で、マーケティング業界の人たちにとって大きな出来事がありました。それは、30秒のCMの代わりに15秒のCMを流すということでした。
この理由は、いくつかありました。
1.1時間当たりのCM数を以前よりも確実に増やせるからです。
2.1秒に換算すると15秒CMのほうがコストは高いのですが、CM1本の金額は30秒CMよりも15秒CMのほうが安くなります。
つまり、今までテレビ広告に手が届かなかった広告主が広告枠を買うことができるようになり、今後、広告主の数を増やすことができるからです。
3.実に興味深かったのは、集中力を保てる時間が短くなってきているから、という理由でした。考えてみてください。視聴者のうち、リモコンを持っている人は何人いるでしょうか?
正解は・・・全員です!
では、CMになったとき、どのくらい頻繁にリモコンのボタンを押して別のチャンネルに変えるでしょうか?
夜間、車の窓を開けて近所を静かに運転したら、カチッ、カチッ、カチッ、カチッ、カチッ、という音が聞こえるでしょう。
虫ではありません。車の事故を探そうと、テレビのチャンネルを変えている音です。
次に重要な考え方は、失われた技術、つまり販売術です。現在では、販売員でさえ、本当の意味での販売はしていません。
一般的に、非常に優れた販売術を持っているのは、若い人たちよりも年齢を重ねた人たちのようです。ときどき、そのような人に出会うでしょう。
残念なことに、現在、販売員の多くは御用聞きになっています。御用聞きでは、他者よりも優れた販売員になることはできないでしょう。
“Tact and Skill in Handling People”(仮邦訳:人に対応する
ための察知能力とスキル)というポール・パーカーの本では、「優れた販売術」と呼ばれています。
この本はもう書店にはありませんが、図書館で手に取ることができると思います。
この本の発売当時と比べると、今日のビジネスでは、力ずくで物事を進めようとしています。
その理由の1つは、そうせざるを得ないほど忙しいからです。とてもせわしないのです。優れた販売術を習得するには、常に販売術を練習することです。
1つのものを誰かに売る、というような狭い範囲でただ行なうのではありません。すべての関係、すべての会話、そして人との出会いすべてにおいて行ないます。
ナポレオン・ヒルは、何年も前に『仕事の流儀』という本を書きました。人生で欲しいものを手に入れる唯一の方法は、人生を通して自分を売り込むことだと言っています。
アメリカでは、スモールビジネスの失敗率が非常に高いということはご存じでしょう。
少なくとも85%、おそらく98%ほどの新規スモールビジネスが、5周年を迎える前に倒産しています。
これに対して、統計学者や会計士は、失敗したのは資本金が少なく財務管理がうまくいかなかったからだと言うでしょう。
ただ、私が指摘したいのは、必要とされる資金の10倍以上のお金があったのに倒産したビジネスがあるということです。
こう言うと、マネジメント能力が低かったからだと言うマネジメントコンサルタントもいるでしょう。
多くの経営者が、一度ビジネスに参入したら売り込む必要はない、と判断してしまうということをみなさんにお伝えしておきます。
さまざまなビジネスにおいて、売り込む必要はないと多くの人たちが信じています。例えば、医者は売り込む必要はないと信じています。
多くのレストラン経営者もそう信じています。小売店の経営者の多くは、入り口のドアを開けたら顧客が来店するので売り込む必要はないと信じています。それがビジネスを始めた理由だと信じているからです。
自分のビジネスをプロモーションするための手法はいくつか持っていますよね。そうでなければ、あなたのビジネスは存在さえしていないでしょうから。
ただ、使用している手法はおそらく1~3つだけではないでしょうか。手法が多いほど、取引も増えます。
「多様性」は、「怠惰」の正反対で創造的なものです。ですから、自分と取引をしてもらうために人を引きつける手法を競合他社よりも多く使用するためにはどうすればよいか、考える必要があります。
手法が多いほど、取引も増えます。この思考プロセスを今日から取り入れてください。
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