FROM：ダン・ケネディ

今回から少し話題を変えて、私が「カスタマー・サービス・ディプロマシー（顧客サービス外交）」と呼んでいるものについてお話します。

「カスタマー・サービス・ディプロマシー」とは？

心配しないで下さい。怒りっぽくて不愉快な学校の先生みたいに、あなたの仕事についてあなたに講義するつもりはありませんから。

このブログは、あなたを退屈させるためのものではありませんし、あなたの知性を馬鹿にするためのものでもありません。

実のところ、あなたがこのブログを読んでいるのは称賛すべきことです。あなたは、あなた自身とあなたの会社のために常にどうすればもっと向上できるかを求めているからです。

今回からは、主に次のことを目的として話していきます。

1） 顧客あるいはクライアントとの付き合いを、より愉快で楽しいものにする方法を説明すること
2） あなたの仕事のストレスを、少し軽くする方法を説明すること
3） 他の人についての理解をさらに深め、彼らからの協力を得る方法について説明すること
4） 自分自身を向上させる方法を説明すること

ブログでは、あなたとあなたの顧客に焦点を当てます。

そこにこそ、今日のビジネス活動が存在する、と考えているからです。

最も重要なクオリティ

ベストセラーとなった「エクセレント・カンパニー―超優良企業の条件」（トム・ピーターズ＆ロバート・ウォーターマン著）の背景の調査や専門家によって、米国の企業は、顧客の重要さについて改めて気付かされました。

クオリティ（品質）はビジネスマンの間で流行語になっています。

商品のクオリティ、サービスのクオリティ、製造工場におけるクオリティ・コントロール（品質管理）などといった言葉が、頻繁に熱意を持って語られています。

しかし、おそらく最も重要なのは、カスタマー・リレーション（顧客関係）のクオリティです。

まずは問題の核心が何かを見て、次に、その解決が何故そんなに重要なのかを考えてみましょう。

顧客やクライアントの行動について手に入る限りの調査データを見てみると、ある商品、サービス、店、企業に対し満足を得た顧客は、彼が満足したということを平均で3人の人に伝えるということが分かります。

これは、一般に口コミ広告と呼ばれるものです。

この口コミ広告が、あらゆる広告の中で最も強力な広告方法であることが、現在広く認識されるようになっています。

なぜでしょうか？

口コミ広告が最も強力な広告方法である理由

考えてみて下さい。

ある店について、信頼できる友人が推薦したり意見を述べたりした言葉は、企業やその競争相手が言った事よりも、あなたの行動にずっと大きな影響を与えるのではないでしょうか？

あるビジネスについて顧客が何を言うかが、他の人に大きな影響を与えるのは当然のことです。

プラス面で考えると、このような口コミ広告を使ってビジネスをさらに成功させることも可能なのです。

ちょっとした算数をしてみましょう。

もし、1人の満足した顧客が3人の顧客をもたらし、
そのそれぞれが3人ずつ顧客をもたらし、
さらに、そのそれぞれが3人ずつ顧客をもたらし、
そのそれぞれが3人ずつ顧客をもたらし、
そのまたそれぞれが3人ずつ顧客をもたらし、
そして、そのそれぞれが3人ずつ顧客をもたらしたとしたら、
1,093人もの顧客を得ることになるのです。

素晴らしいですね。

口コミ広告は最も強力な広告方法なのです。

ただ・・・

批判的な口コミ広告が強力な理由

しかし、この話には裏があります。

同じ調査によれば、不満を持った顧客は平均で11人にそのことを伝えるというのです。

これは、さほど驚く数字ではありません。悪いニュース、否定的な情報は良いニュースより早く、遠くまで広まるのです。

大抵の人は、あるビジネスに対しイライラしたり怒ったりがっかりした場合、そのことを多くの人に話して気を晴らしたくなるものです。

この否定的、批判的な口コミ広告も強力なのです。

ですから、注意していなければなりません。

そのような口コミを聞かなかったら顧客になっていたはずの人が、その口コミのせいで逃げていってしまうからです。

さきほどと同じように数字で考えると、4人の顧客が満足したとしても、4人がもたらすプラスの効果は、たった1人の不満を抱いた顧客が存在することによって帳消しになってしまうのです。

このことから次のことが言えます。

顧客が電話をかけてきた時、来店した時、顧客と取引をした時にはいつも、あなたは顧客が満足するようできる限りのことをしなければならないということです。

これは至極当然のことです。

次回は、あらゆる調査で明らかになった3つ目の事実を取り上げます。

これは、どうすれば顧客を満足させられるか、そして、そのことがいかに難しいことかを明らかにするものです。

次回のブログをお楽しみに。

ダン・ケネディ