From:ダン・ケネディ
From:ダン・ケネディ
あなたのビジネスのプロモーションやマーケティングにとって重要な鍵となるコンセプトがいくつかあります。これまでそのうちのいくつかを見てきましたが、今回は、さらに2つのキーコンセプトについて話しましょう。プレゼンテーション
一つ目は「体系立てられたプレゼンテーション」です。
今日、人とコミュニケーションをとる上でいくつか対処しなければならない問題があります。
アテンション・スパンと呼ばれるものです。つまり、集中力が持続する時間です。
現在ではアテンション・スパンはゼロです。このことは是非知っておいて下さい。
何年も前のことですが、ダイレクトマーケティング業界の我々にとって、大きな出来事がありました。スーパーボウルのテレビ中継でのことですが、テレビ・コマーシャルが30秒ではなく15秒になったのです。コマーシャルの時間を短くしたのにはいくつも理由がありました。
考えてみて下さい。テレビを見る人のうち、リモコンを使っている人はどのくらいいるでしょうか?
全員!…そのとおりです!
コマーシャルが始まったら、どのくらいの頻度でチャンネルを変えるでしょうか?
夜、近所の通りを車で通ったとしましょう。窓を開けて、とても静かに走ったら、カチャ、カチャ、カチャ、カチャ、カチャという音が聞こえてくることでしょう。これは、コオロギの声ではありません。近所の人たちが、チャンネルを次から次へと切り替えている音です。何か面白い番組を探して…。
これで、現在のアテンション・スパンについては、ご理解いただけたと思います。
セールスマンシップ
次のキーコンセプトは、セールスマンシップ(販売手腕)です。
これは、忘れられた技術となってしまいました。今日では、セールスマンが、その販売手腕を揮うことはありません。
優れたセールスマンシップの持ち主と思える人は、若い人と言うよりは年老いた人たちに多く見受けられます。時々そのような人に出会うことがあります。
ただ、残念なことに、ほとんどのセールスマンはただ注文を受けるだけの御用聞きになっています。しかし、単なる御用聞きでいる限り、優れたセールスマンとして抜きん出ることはできません。
優れたセールスマンシップとは、ポール・パーカーがその著書の中で「人々を操る手腕と技術」と呼んだものです。
セールスマンシップを実践するときとは?
今日のほとんどのセールスマンは、ただ注文を受けるだけの御用聞きになっているだけでなく、力ずくで物を売りつけようとしています。私たちが結果を急ぎすぎていることもその一因です。私たちは、とても急いているのです。
セールスマンシップを実践するということは、それを、常に実践し続けるということです。誰かに何かを売るときだけにセールスマンシップを実践するということではありません。
いかなる人間関係においても、どんな会話を交わす時も、誰かと出会ったら常にセールスマンシップを実践しなければならないのです。
ずいぶん以前のことですが、ナポレオン・ヒルが「販売はあなたがオギャアと生まれたときから始まっている」という録音を残しています。
彼によれば、それこそが人生を生き抜いて行く唯一の手段であり、何かを手に入れるには、人生を通じて販売しなければならないのです。
セールスマンシップは大事です
あなたも知っているとおり、米国におけるスモール・ビジネス(小規模事業)の倒産率は極めて高くなっています。
新規のスモール・ビジネスが、5年間持ちこたえられずに破綻してしまう割合は、少し前のデータですが、少なく見積もっても85%、もしかすると98%にも上ります。統計学者や会計士は、このような破綻の多くが資本不足と財務管理のお粗末さによるものだと考えています。
しなければならないことを10回やってもお釣りが出るほどの資金を持ちながら、倒産してしまったビジネスもあります。これが経営能力のお粗末さによるものだと指摘する経営コンサルタントもいるでしょう。
しかし、私が指摘したいこととは、経営者の多くが、いったんビジネスを起こしてしまえば売り込む必要が無いと考えているということです。
さまざまなビジネスで、多くの経営者がなんの売り込みも必要無いと考えています。
例えば、医師は売り込みが必要だとは考えていません。レストラン経営者の多くも売り込む必要が無いと考えているのです。さらには、小売店の経営者にも、ドアを開けておきさえすればお客がやって来ると思っている人たちがたくさんいます。
大抵の経営者が売り込みなど必要無いと考えているのです。
ですが、お客に来てもらうためには当然のことながら、何らかの方法を使って、あなたが何をしているのか、人々に知らしめる必要があります。そうしなければあなたのビジネスは生き残ることさえ難しいでしょう。
このとき、あなたが用いる方法は多ければ多いほどより多くのビジネスが獲得できます。クリエイティブに考えれば、怠惰の対極にあるのは「ダイバーシティ(多様性)」です。
ですから、あなたは、「どうすれば、競争相手よりも、もっと多くの方法を使って、人々を、自分とのビジネスに引き付けることができるか?」を考える必要があります。用いる方法が多ければ多いほど、より多くのビジネスが獲得できるのです。
あなたが今日そのことを考え始めたのであれば、と願っています。
次回のメールをお楽しみに。
ダン・ケネディ
【ザ・レスポンス】の最新記事をお届けします