From:北岡秀紀
数多くの芸能人を見ている人気トレーナーと「良いトレーナーと悪いトレーナーを分けるもの」についての話になりました。
そのトレーナー曰く、良いトレーナーも悪いトレーナーも技術にはほとんど大差はない、とのこと。もちろん経験の長さなどはあるでしょうが、素人であるクライアントにわかる差ではありません。
では、何が大きく分けるのか?それはサービスの提供方法にあるそうです。
ダメなトレーナーは自分が持っている手法をお客に提供しようとします。つまり、何が来ても、○○というエクササイズをやればいい、というようなスタンスなわけです。
良いトレーナーは、まず質問をします。身体のどういうところに違和感があって、どんな状態なのか?を問います。そして、それに合わせて、トレーニングの方法を変える、と。
当たり前のことのように感じますが、それをやっている人は相当少ないようです。(ちなみに、本を書いたり、TVに出ていたりしているような有名な 「エラい」トレーナーだと大丈夫と思いがちですが。。。むしろ、自分が提唱する手法に絶対的な信頼を持っていて押し付けられる傾向があるそうです。)
そんなトレーナーについたら、当然、成果は出ません。
しかし、さらにここからが大きな差になります。
毎回毎回、セッションのたびに「身体の調子はどうですか?」と質問されるわけです。はじめは「良いです」「悪いです」としか答えられません。しか し、繰り返し繰り返し聞かれると「自分の身体の調子は?」と自分で自分に問うようになります。その結果、時間が経つと「肩甲骨の動きが・・・」「呼吸の深さが・・・」と自分の身体に敏感になることができます。
つまり、クライアント自身が自分の身体を細く管理できるようになるわけです。
コンサルタントも同様です。
世にたくさんいるエセコンサルタントは「この手法をやればうまくいく」とのたまい、とりあえずその方法論を押し付けます。でも、人によってその背景も、お客も何もかもが違います。
すべての会社の問題を解決できるたったひとつの手法なんてありません。だから、まともなコンサルタントは問題は何なのか、探ることに時間をかけま す。実際、2時間のコンサルティングで1時間45分がヒアリングの時間、ということも珍しくありません。それに合わせて、アドバイスをします。
そして、最終的にはクライアント自身が課題を見つけるようにできるようにする。コンサルタントがいなくても意思決定ができる、というようにしていきます。
コンサルタントから卒業してもらうことが、コンサルタントの目標であるべき、と私は考えています。
今回の話を聞いて、私はトレーナーやコンサルタントじゃないから関係ない、と思っていませんか?それは間違いです。
どんな商品を扱っているのであれ、お客さんから見ればあなたはその分野における専門家です。あなたは専門家として、お客にピッタリとあった問題解決をしてあげることが義務です。
だから、専門家としてみて、お客にとって、あなたの商品でない方がよければ、別の商品を勧めてあげるべきなのです。
トレーナーやコンサルタントと違って、商品があれば、ひたすらそれを勧めようとしてしまいがちです。しかし、それは上記のダメなトレーナーやエセコンサルタントと同じことをしている、ということにぜひ気づいてください。
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