From:リッチ・シェフレン
あなたの注意を引きつけるものは何ですか?きれいな顔?テレビに映るカーチェイス?部屋中に漂うクッキーのにおい?あなたの注意を引き続けるものは何ですか?テレビに映る、あなたの住む町に迫ってくる台風の映像?がんの診断?のんびり過ごす日曜に遊んでいるあなたの子供達?
でも、一瞬注意を引きつけることができても、そのまま注意を惹き続けることは難しいですよね。注意を引くのは、注意を引き続けるよりも、もっと簡単です。間違った方法で注意を引くのはさらに簡単です。
例えば、ただ「火事だ!」と叫べば、誰かがあなたの方を見ますよ。でも、その後も相手の注意を引きつけておきたいなら(特に近くで火事がない場合でも)、この方法は何の役にも立ちません。
見込み客の注意を引くことを一番の目的にした広告では、広告に見込み客の目を向けさせることはできますが、広告を見た人が必ずしも商品を買うわけではありません。
毎年スーパー・ボウル(アメリカのプロアメリカンフットボールリーグであるNFLの最高の大会)放映中にコマーシャルを流すことに賭けている企業に聞いてみればわかります。私たち視聴者は、広告については思い出すけど、宣伝されている商品を思い出すことはできない場合がよくあります。
それでも多くの企業が「見込み客の注意を引く」中毒にかかっていて、スーパー・ボウル放映中のCMという魅力に数百万ドルも使っています。その1つの理由は、これらのCMは必ず、「無料でメディア」の注目を集めることができるからです。
商品が購入される保証はありませんが、広告が注目を集めるだけで、多くの企業にとっては十分なのです。見込み客の注意を引くことができれば、今後商品が購入される可能性が生まれます。注意を引くことがなければ、望みはありません。だから、人々の注目を集めると経済が動くのです。
注意を引くことが過去以上に重要な今の時代では、「興味深い」だけでは十分ではありません。価値ある情報を見込み客に届けなければなりません。価値ある情報とは、ワクワクさせられ、楽しく、すぐに手に入れたいと思い、抵抗できないほど惹きつけられ、便利で、関連性の高い情報です。
あなたのメッセージが見込み客の注意を引くためには、まずは、彼らの注意を必ず引くくらいに興味深いメッセージにする必要があります。それが興味深いメッセージだとわかったら、メッセージをさらに進化させます。
注意を引き続けるための秘訣は、ターゲット・オーディエンス(あなたが狙っている見込み客)の心に訴えるメッセージを作ることです。「ストーリー」は個人的なものにしてください。最大のインパクトを与えるのは個人的なストーリーです。
誰だって、台風がくれば、「自分」の家族や隣人、友人が損害を受ける可能性があるし、がんと診断されれば、「自分」や「自分」の愛する人たちに影響を及ぼします。また、誰だって「自分の」子供たちに愛情を注ぎます。子供たちに影響を及ぼすことは何でも、「自分」にとって重要な問題です。
私たちが注意を引かれるメッセージは、私たちの生活と、直接的、感情的なつながりをもつメッセージです。そうでなければ、注意を引かれ続けることはありません。
ターゲットを関わらせることができたときに、コミュニケーションは成功します。あなたやあなたの会社、あなたの扱う商品ではなく、オーディエンスについてコミュニケーションしてください。人は、あなたの人生でなく、自分の人生に影響を及ぼすことに注意を払うのですから。
自分のオーディエンスの感情的ニーズにあわせて情報を調整してメッセージを伝えることができれば、あなたは彼らの注意を引き、ビジネスで成功することができるでしょう。
スターバックスについて考えてみてください。この会社はコーヒーを発明したわけではありません。コーヒー文化を「カッコいいもの」にしただけです。実際、スターバックスの創業者であるハワード・シュルツは、人々に彼の提供するコーヒーを楽しんでもらいたいと思っているわけではなく、コーヒー文化、つまり、スターバックスのコーヒー体験によってもたらされる眺めや香り、音、雰囲気、感情を体験して欲しいと思っています。
シュルツはスターバックスを、コーヒーショップではなく、「人が集う場所」として心に描いていました。そこは、「Sサイズ」が「トール」、「Mサイズ」が「グランデ」、「Lサイズ」が「ヴェンティ」と呼ばれるコーヒーを飲みに行く場所です。
こうしたスターバックスだけで通用するサイズはカッコいい感じがするし、これらのサイズで注文すると私たちは「クラブ」のメンバーになった気分になります。その「クラブ」は街の至る所に存在します。
これはマーケティングのパラドックスです。スターバックスは、誰でも歓迎される「排他的な」クラブなのです。スターバックスは、私たちの注意を引き、私たちがコーヒーを飲もうと飲むまいと、注意を引き続けます。
顧客は何度も行くうちに、スターバックスのコーヒーを好きになる(ときには大好きになる)かもしれませんが、彼らがスターバックスに戻ってくるのは、その文化を体験するためです。
Appleも、熱心なファンを使って注目を集めることに成功しています。Appleは、私が「Tシャツ・ファクター」と名付けたものをもっています。Appleのファンは、Appleとその商品にあまりにも熱狂しているため、自分のTシャツやコンピューター、車などなどにAppleのロゴをつけたがります。
Appleというブランドは、自社の商品を買う人たちを、優勝チームの一員のように感じさせることで、忠誠心とアクションを生み出しています。考えてみてください。Appleの熱狂的ファンと一緒に5分も過ごせば、相手は必ず、「自分はAppleの熱狂的ファンだ」と言い始めませんか?
あのiPodから伝わってくるのは、「商品に対する情熱、そして、商品で人々の注意を惹く」という一貫したメッセージです。スターバックスやAppleなど超大成功している企業は、消費者との間の本物のつながりの基盤となる革新的な文化を発展させています。
企業や、その企業の商品、そしてその企業にかかわる人々が、クライアントや顧客の「注意を引く」ことにつながっています。大成功したければ、何度でも見込み客や顧客の注意を引くことが大切なのです。
ネットビジネスでも同じことができるはずです。あなたは、自分のネットビジネスを使ってあなたなりのスターバックス体験をどのように発展させますか?Appleのファン基盤がもつ情熱をどのように再現しますか?
もし、10万人の見込み客が、今この瞬間に、あなたのウェブサイトの「玄関先」に連れて来られたとしたら、あなたはどうやって、彼らの注意を引き、そして注意を引き続けますか?
あなたが見込み客の注意を引き、さらに注意を引き続けることこそが、あなたがビジネスで成功するために不可欠であり、近道なのです。
リッチ・シェフレン
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