From:ダン・ケネディ
先週の投稿では、知り合いの人が送ってきたような封筒に見せるダイレクトメールの「忍び寄るアプローチ」について説明しました。
また、このアプローチは完全に証明されたわけではなく、封筒の中のオファーが比較的平凡な内容なら逆効果になり得る、ということもお伝えしました。
マーケティングの専門家が(封筒の表面にコピーの書かれた)「看板広告アプローチ」という選択肢を好む理由の1つが、この点です。
スモールビジネスが、消費者に対してオファーする場合と通販のオファーをする場合に多く好まれます。
「看板広告アプローチ」の封筒は、通常、封筒の内容に関するティーザーコピーであふれています。
郵送物の目的や性質を隠そうとはしません。誰もが知っている「看板広告アプローチ」の封筒として、リーダーズ・ダイジェスト(訳注:食・健康・季節行事などを取り扱う、家庭向けの総合雑誌)やパブリッシャーズ・クリアリング・ハウス社(訳注:ダイレクトマーケティング会社)の懸賞付きダイレクトメールが挙げられます。
地元密着型の小売業やサービス業の代理として消費者に郵送する場合も、「看板広告アプローチ」の封筒のほうが適しているかもしれません。
例えば、封筒にはレストランの500円分の割引クーポンをつけ、「4500円相当以上のクーポンと無料ギフトが中に入っています」というメッセージを大きく太字で印刷した封筒を使うこともできます。
「看板広告アプローチ」の封筒が魅力的なのは、封筒が私信で個人的な外観なのに中身はダイレクトメールだという矛盾について心配することなく、安価な大口郵便の料金で送ることができるからです。
もちろんご存じだと思いますが、大口郵便と第一種郵便の料金の違いは非常に大きいのです。
ちなみに、大口郵便についてよく知らないのであれば、近くの郵便局に行って聞いてみるとよいでしょう。本当にシンプルで簡単で、一度にたった200通(訳注:日本の場合は、1,000通以上)送るだけで大口郵便として取り扱ってもらえるのです。
封筒について決めたら、次は封筒の中身を決めていきましょう。封筒の中身を外観と確実に調和させるために必要となる、重要なポイントを以下に述べます。
色とりどりのチラシやクーポンが詰まった「忍び寄るアプローチ」の封筒は、受取人にとっては不快なものです。封筒を開けるように仕向けられたと感じるでしょう。
手紙を期待していたのでがっかりし、その後、オファーにレスポンスする可能性は極めて低いでしょう。
一方で、ドライクリーニングの割引券が入っているような「看板広告アプローチ」の封筒には、長くて穏やかな雰囲気のレターは、必要ありません。
「忍び寄るアプローチ」の封筒の典型的な中身は、以下の通りです。
1~8ページのレターが一般的です。平均的な枚数は、おそらく4ページでしょう。16ページほどのレターを見たことがありますし、私自身、24ページのレターを使ったこともあります。封筒の外観が「忍び寄るアプローチ」であればあるほど、中に入れるレターはより個人的なものに見える必要があります。
パンフレットかチラシを、1枚または複数枚入れます。「忍び寄るアプローチ」で徹底的に攻める場合、郵送する封筒の中にさらに一回り小さい封筒を入れることもあります。この一回り小さい封筒は、パンフレットかチラシを入れて閉じ、表には、「必ずレターを読んでから開封してください」という指示を書いておきます。
レスポンス手段を入れます。例えば、注文用紙や注文カード、詳しい情報を求める返信カードや返信フォーム、店舗で使えるクーポンやギフト券、フリーダイヤルの番号、またはこれらを組み合わせることもあります。BtoBのマーケティングでは、レスポンスカードや封筒を料金受取人払いの郵便にしても、レスポンスにほとんど違いがないことがわかりました。BtoCのマーケティングでは、料金受取人払いにしたレスポンス手段のほうが、レスポンスが増加することがわかりました。
受取人が取っておくことを期待して、返金保証書を入れることもあります。「看板広告アプローチ」の封筒の場合、中にレターを入れてもよいでしょう。この場合、レターとそれ以外の封入物を分けたり、私的なレターに見せたりする必要はありません。パンフレットの中や表紙にレターの文面を組み込んだり、レターとパンフレットを組み合わせて使ったりすることもできます。まったく隠す必要のないパンフレットかチラシを入れてもよいでしょう。また、レスポンス手段を何か入れるのも良い方法です。パンフレットの中に組み込むこともあります。
一般的な方法として、「忍び寄るアプローチ」の封筒の中身よりも、「看板広告アプローチ」の封筒の中身の方が気取らない雰囲気にするものです。
「看板広告アプローチ」の封筒には、通常、さまざまなサイズや色のものを使います。また、シールタイプの切手、「はい」か「いいえ」のどちらかを選んで貼るシール、冷蔵庫のドアにつけるマグネットや社名などが入ったボールペン、さらには商品サンプルといったミニギフトなどを同封することが多いです。
これらはすべて、封筒を開けたらあちこちにこぼれることを狙って同封します。
封筒の中身が増えると、それに比例して、受取人がすべて捨てる前に何か読んでくれるチャンスが増える、という実践的な考え方によるものです。
シールタイプの切手のように受取人を巻き込む手段は、人の好奇心を刺激し、興味を持ってもらうことができます。さらに、価値を実感できる同封物を入れておくと、受け取った人はちょっと読んでみようかという気になるものです。
あなたの観客、特定の見込み客にとって、どちらの封筒が適しているか、よく検討する必要があるでしょう。
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