From:ダン・ケネディ
From:ダン・ケネディ
利益を改善する追加の方法についてお話します。これはほとんどの企業で実践できます。さまざまな業種で多くの企業が支払期限の過ぎた売掛金の累積に頭を悩ませています。
私個人は、仕事獲得のために商慣習として「つけ」で売る場合を含め、自分のビジネスでこうした問題を起こしたことはありません。支払いが済むまで販売は完了しないというのが私の信条です。
過大な売掛金の累積は、効果的なマーケティングによって抑えることが可能です。特に、代金の前払いや即時支払いに対する割引は非常に効果的ですが、現在または過去に売掛金に関する問題を経験しているのであれば、それを解決して再発しないようにすることを強くお薦めします。支払い能力のない、または支払う意志のない顧客と懇意にしてもほとんど意味はありませんし、利益回収の問題も改善どころか悪化するだけです。
現在では、歴史と信頼のある大企業でさえ、厄介な問題に巻き込まれ倒産しかねません。そうなると、何年も待った挙げ句、売掛金もほんの一部しか回収できないかもしれません。
ゼネラルモーターズやAIG等の顧客に対し、躊躇することなく返済期間を延長した売り手はたくさんいましたが、これは間違いです。私の会社はいずれも、フォーチュン500の企業をはじめ、各業界の専門家や長年取引している顧客、さらには新規顧客から政府機関に至るまで、提供した製品とサービスについて前払いをしてもらっています。
取引に際して何か良くない兆候を察知したら、しっかりと問題を見きわめ、直ちに対策を講じなければなりません。問題の一端に気づいても、これを無視しようとする経営者も少なからずいます。すでに問題が山積する中、これ以上厄介なことを抱え込みたくないからです。
私のビジネスの場合、往々にして最悪のタイミングで発生する頭を悩ませる問題に取り組んだ結果、重要な改善が数多く達成されました。ナポレオン・ヒルは「思考は現実化する (Think and Grow Rich)」の中で「逆境の中には必ず同等またはそれ以上のチャンスの種がある」と言っていたように記憶しています。これこそ、あらゆる事業を成功に導き、経営者をより生産的にする概念ではないでしょうか。
おもしろいことに、失敗と成功は常に表裏一体であり、失敗は往々にしてその後の成功につながります。ちなみに、ビジネス上の問題のほとんどはマーケティングに関連づけて解決することが可能です。きわめて簡単に言うと、大半の問題は売上で解決するのです。私自身の経験をもとにもう少し詳しく言うならば、事業の成功は、リーダーがどれくらいの時間・労力・資金をマーケティングに費やせるか、そしてこれらの資源が社内問題の解決にどれほど使われるか、これら両者の比率と密接に関連しています。
成果を出すには、行動志向に加え、セールス志向が必要です。セールス志向とは、セールスとマーケティングのプロセスを、その他の何かが妨げてはならないという決意でもあります。
次回をお楽しみに。
ダン・ケネディ
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