From:北岡秀紀
From:北岡秀紀
自分自身とビジネスの限界を突破するというツアーで、私が主催する招待制のコミュニティ「ぷらいべーと倶楽部」の参加者やロイヤルカスタマーと共にマカオにやってきました。
マカオ(に限らず海外全般に言えることですが)では、たくさん売込みを受けます。
マッサージをしていたら、施術が終了に近づくと「頭もしようか?」「足も必要だろ?」とクロスセルの応酬がはじまります。
また、普通に歩いているとタクシーにクラクションを鳴らされます。
邪魔なのか?と思い道の端に寄りつつタクシーの方を見ると「どこに行くんだ?乗っていけっ!」と言われます。
極めつけが中華料理を食べに行ったとき。
ドレスコードもあるような高級店ですが、ある程度、注文が終わったところで「Must Eat!(これは絶対食べないと)」と前菜、肉、海鮮、野菜などそれぞれのカテゴリで、まぁまぁ値段のする料理をガンガン勧めてきます。
結果的に、最初に頼んだ倍の量くらいの食事を頼むことになりました。
ちなみにオーダーを取りにきたウェイターが我々に料理を運んできたことは一度もありませんでした。
何度か個室から出てフロアを見渡したのですが、そのウェイターはひたすら注文を取ることしかしていません。
そちらの方に耳を向けてみるとやっぱり「Must Eat!」とひたすら言い続けています。
おそらく彼女は注文を取って「Must Eat!」と言い続けて注文量を増やす仕事に特化していると、推測できます。
セールスの現場でアポを取る人と、商談に行く人と、クロージングをする人とを分けて専門特化するという方法がありますが、それはレストランでもできるんだな、とかなり勉強になりました。
マカオでは、この他にもたくさんの売込みを受けました。
しかし、共通して言えることは、イヤな気が全くしなかった、ということです。
それは私だけでなく、参加者全員の見解です。
では、それはなぜなのか?
海外ってそんなものだと思っている、我々もテンションがあがっている、など様々な理由がありますが・・・ 一番大きいのが、彼(女)らが堂々と売り込んでいる、ということです。
「肩をマッサージすれば、そりゃ頭も必要でしょ?」
「歩くよりタクシーの方がいいよね?」
「これは絶対食べないと!」
実際にはコミッションが欲しくて必死なだけだと思いますが、売ることに罪悪感を持っていないのでそんな風に感じさせられてしまうわけです。
それと対照的な出来事が、マカオに行く前の美容室で起きました。
普段、大阪の行きつけの美容室に行っているのですが、大阪に帰るヒマがなく東京にある美容室に知り合いの紹介で行ってきました。
思い通りにカットしてくれて、トークも良い感じで、こうやってスタイリングするんですよということも教えてくれて、非常に良い印象を持ちました。
しかし・・・翌日、言われた通りにスタリングができませんでした。
色々考えると、どうもスタイリング剤が合っていないということに気付き、改めてスタイリング剤を買いに行きました。
「このスタイリング剤を使ってください」と売り込んでくれていれば、二度手間にならなかったのに・・・という不満が大きく残ってしまいました。
実は施術中に「このスタイリング剤、必要ですよね」というニュアンスのトークを【私から】何度かしていました。 売るチャンスを与えたわけです。
しかし、その度に、美容師は話をはぐらかしました。
おそらく売るということに罪悪感を感じているためでしょう。
売るということそのものに、良いも悪いもありません。 押し売りや脅迫して買わせているか、価格に見合っていない商品を売っていない限り罪悪感を持つ必要はありません。
「こんな結果になりたければ必要です」とハッキリと言う。 必要であるとお客が判断すればお客は買うし、必要ないと判断すればお客は買わない。 その意志決定をするための材料を売り手は提供するだけです。
セールスやマーケティングのテクニックというのは、たくさん存在しますし、私もお伝えしていることです。 しかし、売ることに罪悪感を持っていればそれは機能しません。
テクニック云々より、その罪悪感を捨てること。 それが売るために最も重要です。
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