From:山田光彦
From:山田光彦
「私たちが本当に売っているものは何か?」
これは、名前は忘れてしまったんですが、有名なセールスライターが言っていた言葉です。
あなたが今までに、マーケティングやセールスコピーを学んだことがあるなら、きっと「商品を売るな、結果を売れ」という言葉を聞いたことがあるでしょう。
お客さんが買っているのは、商品ではない。
商品を使って得られる結果を買っているんだ、と。
たとえば、エアコンであれば、お客さんが買っているのは「壁に取り付ける機械」ではなく「夏も、冬でも、快適な温度で生活すること」。ドリルを売るな、穴を売れ、などと言われていることです。
この質問にはもちろん、そういう意味も含まれています。ですが、この質問には、結果を売るというだけではなく、もっと深く考えることで、売上を大きく伸ばすことができる質問なのです。
どういうことか、説明するよりも実際に実例を見てもらったほうが、話が早いので、実例を見て行きましょう。
実例:スターバックス
僕がMacを持ち込んで、よく仕事させてもらっているスターバックス。スターバックスはご存知の通り、親切な店員さんが、おいしいコーヒーを出してくれるお店です。
では、スターバックスが本当に売っているものは何でしょうか?
スターバックスは、美味しいコーヒーの「味」だけを売っているわけではありません。実際、今年実施された株式会社ネオマーケティングの「コーヒーのおいしさに関する調査」では、、、
1位 ローソン
2位 セブンイレブン
3位 ドトール
4位 マクドナルド
5位 スターバックス
スターバックスは5位になっています。
(ちなみに飲みやすさはスターバックスが1位)
ですが、1位~4位のどのお店よりも高い価格と人気を維持しています。
その理由のひとつがスターバックスで売っているのが、コーヒの味だけではなく、「サード・プレイス」と呼ばれる快適な空間。家(1つ目の空間)、職場・学校(2目の空間)に続く、3つ目の空間を売っていることが、その理由のひとつです。
つまり、スターバックスは、コーヒー(商品)やコーヒーの味だけを売っているだけではなく、快適な空間や時間を提供するサードプレイスも売っています。その結果、コーヒーを売っている他のライバルたちと直接競合することなく、ビジネスができるわけです。
他にも、ベンツやBMWといった自動車会社は単なる移動手段として車を売っているわけではありません。ディズニーランドも、単にテーマパークや楽しい乗り物を売っているわけでもありません。
鉄道会社が「鉄道を使ってお客さんを運ぶことを売っている」と考えるのではなく「お客さんを運ぶことを売っている(手段を問わず)」と考えていれば、お客さんを運ぶ手段は鉄道でなくてもいいわけです。で、もし飛行機が交通機関として出てくる前。100年ぐらい前から、鉄道会社が「お客さんを運ぶことを売っている(手段を問わず)」と考えていれば、、、航空業界へ積極的に進出していったかもしれません。そうなると、鉄道会社には鉄道で生み出している大きな利益・お金をという強みを使って、今の航空業界を支配してる、なんてこともあったかもしれません(そうなっていたら、電車と飛行機の連携がとれて、色々と便利になっていたかもしれないですね)。
それに、最近は昔のように、たくさんいないかもしれないですが、未成年者がタバコを買う理由も、タバコの煙の味を楽しむためではないでしょう。(もちろん、未成年者がタバコを吸うのは法律的にダメです)
おそらく、大人への憧れであったり、ルールへの反発であったり、そういった感情的なものが買う理由でしょう。そして、そういった感情を、強い男の象徴のようなカウボーイを広告に使うことで、うまく突くことに成功したマルボロは売上を大きく伸ばすことになりました。
「私たちが本当に売っているものは何か?」
この質問をしたからといって、すぐに答えは出ないかもしれません(すぐに答えが出てきたらラッキーです!すぐに実行しましょう)。それに、答えもおそらく1つではないでしょう。ですが、この質問の答えを見つけることができれば、きっとあなたのビジネスにブレイクスルーを起こすことができるはず、です。
山田光彦
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