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事業の強さの秘密ーpart.2

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From:小川忠洋

From:小川忠洋

西宮のオフィスより、、

 前回のブログで「シンプルさ」こそが事業の強みの秘訣だ・・・という話をしたが、、、今日はその続きを少し話したいと思う、、、

 シンプルさこそが強みであるのに、なんでわれわれのビジネスは、どんどん、どんどん複雑になっていくのだろう?実はぼくは物理学出身なので、これが、自然の法則であることを思い出した・・・

エントロピー増大の法則

 これ高校生の時に習ったと思うんだが、覚えてるかな?「熱力学第二法則」と言った方が聞き覚えがあるかもしれない。「あ〜そんなんあったかも・・・」くらいで覚えてるんじゃないだろうか?

 おさらいをしよう。エントロピーとはwikiによれば、、、

エントロピー (英: entropy /ˈɛntrəpi/[1]) は、熱力学および統計力学において定義される示量性状態量である。当初は熱力学において、断熱変化の不可逆性を表す指標として導入され、後に統計力学において、系の微視的な「乱雑さ」を表す物理量という意味付けがなされた。 更に、系から得られる情報に関係があることが指摘され、情報理論にも応用されるようになった。 物理学者の E.T. Jaynes のようにむしろ物理学におけるエントロピーを情報理論の一応用とみなすべきだと主張する者もいる。

 おそらくこの辺で読んでる人はグンと減ったと思うが、そんなのを気にせずに書いていこう(笑)最後まで読めばきっと役に立つはずだ。

 まぁようするにエントロピーってのは、「乱雑さ」って事で、どれだけ散らかってるか?みたいなイメージを持ってもらって良いと思う。図で見るととてもわかりやすく。

この上の状態から下の状態はエントロピーが増大していると言う。

 まぁ、ようするに簡単に言うと、ものごとは乱雑になっていくのが「自然」だという事。たとえば、あなたの机が、最初は整っているが、しばらくそこで仕事をすると、おっと何故か、自然と散らかりまくってないだろうか?(笑)それと同じである。

 大切なのはこれが自然法則だという事で、こういう法則があるんだと知っておくだけでいろいろと役に立つ。これがビジネスに適応されるとどうなるかというと、、、、つまり、ビジネスの仕組みも、商品のスペックも、、放っておくと、自然と「乱雑に」つまり複雑になっていくという話なのだ。これを、、

起業家エントロピー増大の法則

 と名付けよう(笑)つまり、シンプルなビジネスが強いってのは理屈では分かるんだけど、あなたが自然法則に従う限りは、どんどん複雑になっていってしまうのよね。という話。特に起業家は、何かを加えること、何かを生み出すこと、つまりは「散らかす」ことを自分の最も価値の高い仕事だと思っている。なので、余計に手がつけられない・・・

 起業家が自分の本能に従う限り、自然法則に従い、事業のエントロピーは増大して、どんどん、どんどん、複雑になっていく。その結果、、、

  • 仕事のプロセスは複雑になり、間接コストが増え、利益率が下がる
  • 商品の点数が増え、不動在庫が増え、利益が下がる
  • なによりお客さんから見て何をやってるビジネスか分からなくなる

 という状況になる。素晴らしいビジネスというのは、たいてい「この会社と言えばコレ」「コレと言えばこの会社」という状況になっている。スタバと言えばコーヒー。コーヒーと言えばスタバ。アップルと言えばMAC。MACと言えばアップル。ディズニーと言えば子供向けエンタメ。子供向けエンタメと言えばディズニー。(そう考えると、ウチの事業にも改善の余地がたくさんありそうだ・・・)

 今日の話で一つだけ覚えておいて欲しいのは、あなたの本能に従ってビジネスを構築する限り、事業は複雑化して利益が下がるという、起業家エントロピー増大の法則である。

 事業を成功させるためには、あなたの「本能に逆らう」事がとても大切だ。でも、本能や直感に従うのはいい事なんじゃないか?それに逆らう事にとても違和感があるというなら、今日、スタバに行った時にでも、フードのコーナーを見つめてみると良い。あなたの本能は「チョコレート・ドーナッツ食べたい」「ケーキ美味そう。コーヒーと合うんじゃないか?」などと言っているだろう。

 たいていの成功の秘訣は「本能に逆らう」ことである。本能に従って成功するのであれば、世の中みんな成功している人だらけだ。しかし現実は成功している人の数の方が少なく、上手くいってない人の数の方が圧倒的に多い。これが何を意味するかを考えてほしい。

 37signalsという有名なソフト会社がある。とてもユニークな経営方法で注目されていて、本も何冊か出している。この会社、一般的なソフトウェアベンチャーと違い、出資を受けず、自己資金だけで成長している(=最初から売れてる)確か、この会社のCEOが

「機能追加の要望を却下するのが自分の仕事」

 というような事を言った。これこそがぼくらが見習う態度、仕事術かもしれない。ソフトウェア開発をしたことがあれば、よく分かると思うが、ユーザーは「あれも欲しい」「これも欲しい」「こんなんやりたい」と好き放題言ってくる。それを直接、聞いている営業やカスタマーサポートの人間も同じように「ユーザーのために」新機能を要求してくる。

 エントロピーが増大してる・・・

 しかし、なんだかんだ言って、ユーザーが好むソフトとは、とてもシンプルな機能しかなく使いやすいソフトである。インターネットの支配者である「グーグル」がシンプルなソフトの代表格だわな。

 なので忘れないでほしい。

 あなたの仕事は、本能に従う事ではなく、本能に逆らい、事業のエントロピーを増大させない事である。それが、起業家ではなく、戦略家としてのあなたの仕事になる。

ーおがわ

小川 忠洋

読者累計30万2163人を誇るマーケティングメルマガ『ザ・レスポンス』発行人、ダイレクト出版株式会社代表取締役社長。『ザ・レスポンス』の他にも、読者累計14万5000人の『デイリーインスピレーション』などを毎日発行。年間1億通以上メールマガジンを配信。日本ナンバーワン・マーケッターにも選ばれた神田昌典氏など、一流の経営者とも提携を結びビジネスを展開。著書に『自分を不幸にしない13の習慣』『フリーで利益を生み出す45の鉄則』『インターネットマーケティング最強の戦略』がある。

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