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【悲報】品質がいいのに売れない商品

2014.10.28 | ,
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From:寺本隆裕

From:寺本隆裕

大阪のスタバより、、、

「なぜ、競合よりも品質がいいはずの商品が売れないのだろうか?」

そう悩んでいる人は少なくない。

実際僕も楠瀬さんのグループコーチングでの相談や、セミナーの懇親会で、そういう悩みを聞く機会がたまにある。

話を聞いてみると、確かにそれらの商品は類似の商品と比べて性能は良さそうだし、確かに世の中の人達にとって必要だろうと思われる商品であることがよくある。でも、なぜ売れないのか??

理由はいくつもあるだろう。でも今日はその中でもひとつ、ダイレクトレスポンスを始めたての人によくある間違いをシェアしよう。

魅力的な取引をつくれ。

その間違いとは、商品を、商品として売ろうとしている、ということだ。優秀なダイレクトマーケッターは、商品そのものを売ろうとはしない。商品そのものを売ろうとしても、魅力は伝わらないからだ。では彼らが売っているのは一体何なのか…それは、取引(オファー)だ。

商品を売る方法は、商品を商品として売る、という考えを捨てて、買い手に「魅力的な取引を提示する」ということだ。

つまり、売れるメッセージを作るためには、商品そのものを売ろうとするのではなく、あなたは「ディール・メーカー」になって魅力的な取引を作る必要があるということだ。

では取引とは何なのか?

例えば、

「新型パソコン、15万円」

というのも取引だが、一方で、

「新型パソコンにプリンターと用紙とデジカメがついて、6,800円の24回払い。しかも分割金利手数料はジャパネットが負担!」

というのも取引だ。

どちらが魅力的かというと、当然後者のほうだろう。売れるメッセージを作るには、商品そのものを売るのではなく、まず、「魅力的な取引作り、そしてその取引を売る」と考えるのだ。

「取引」のことを、セールスライティングの用語で「オファー」という。そして、魅力的なオファーのことを、The irresistible offer(ジ・イレジスティブル・オファー)という。日本語にすると「抵抗できないくらい…Noと言えない、Yesとしか言いようがないほど魅力的なオファー」というニュアンスだ。

魅力的なオファーを作れば、それ自体が魅力的なメッセージになる。

魅力的なオファーを作る鍵は、その商品を通じて、あなたが見込み客の得たい結果をいかにサポートできるのか、を考えることだ。

さっきのジャパネットの例だと、デジカメで家族の写真を取り、パソコンで加工してプリンターで印刷する。しかも支払いの負担を最小限にする。そういう結果をサポートしているわけだ。

つまり、商品を商品として売るのではなく、商品は、顧客の求める結果をサポートするための手段の一部とするのだ。この例の場合だと、複数の商品をパッケージにして、全体としての価値を高めているのだ。

別の例えで、旅行会社のツアーを考えてみよう。あれは航空券やホテルの予約、観光施設の入場券、レンタカー、、、などの個別の普通の商品を組み合わせ、見込み客の得たい体験に合わせてコーディネートしている好例だ。

子供連れでワイワイ楽しみたい人には、リーズナブルでバイキングのついた、そして動物園や遊園地などのチケットを組み合わせたようなツアー。若いカップル向けには、二人で入れる混浴風呂と夜景のきれいなペアディナーを組み合わせたツアー。熟年カップルには、グレードの高い部屋で落ち着いた食事が食べられるちょっと高級なツアー。などだ。

それに、見込み客にとってみれば、航空券やホテルなど、別々に手配する手間も省けるし、別々に手配するよりも、より良い条件でそれを手にすることができるという付加価値もある。

付加価値、がキーポイントだ。

見込み客の得たい結果に焦点を当てると、付加価値がつく。付加価値が高まれば高まるほど、オファーは魅力的になり、結果、コピーで書けることも増えてくるのだ。

一方、商品をただの商品として売ろうとすると、とても苦労することになる。

特に、「品番商品」と呼ばれる、メーカーから仕入れたものをそのままネットで売る場合なんかは最悪だ。特に比較の簡単なネットの世界。品番で検索されて価格順に並び替えられたら、「最安値」以外はまるで競争力がない。「売れる文章術」でなんとかするにも限界がある。「商品名と価格の2つだけで勝負が決まる」というルールで戦うことになり、1円単位の価格競争に入っていくのだ。もちろんそんなビジネスは楽しくないし、利益も出ない。

品番商品でなくても、我々のような小さな会社が、他社と比べて圧倒的な商品力で勝負するのは難しい。差別化も難しいだろう。

だから、オファーを作ってゲームのルールを変えるのだ。

そうすれば、価格競争で悩むことはなくなり、セールスライティングはより魅力的になり、そしてより利益が出るようになる。あなたのビジネスは生まれ変わるのだ。

セールスライティングは商品の価値を超えることはない。商品価値を超えてしまえばそれはいわゆる誇大広告だ。セールスライティングはあくまで、商品の持つ価値を最大限魅力的に伝える方法である。

であるなら、魅力的なコピーを作るためには、売り物の価値を高めなければいけないということだ。そして、オファーを作るということは、取引を魅力的にして、価値を上げるということにほかならない。

さらには、顧客が購入を決めるのは、そのオファーで手にする価値と、実際に支払う価格にお得感、納得感を感じた時だ。良い顧客であればあるほど、値段の安さだけで判断することはなく、価値と価格のバランスを総合して判断する。つまり、いいオファーが作れれば、顧客に支払ってもらえる価格もあげられて、つまり利益も増えるということだ。

何かを買うときに、価格の安さだけで決める人は少ないのだ。

例えばあなたが、新しいパソコンを買おうとしているとする。これからそのパソコンを使ってホームページを立ち上げ、自社商品を売ってガンガン稼ごうと考えている。しかしあなたはデジタルには強くない。電気屋さんに行って、どのパソコンがいいかな、最初はあまりお金をかけたくないから、一番安いデスクトップ型がいいかな、と迷っていると、偶然そこでネットマーケティングに詳しい友人と出会い、彼からアドバイスを受ける。

「ビジネスを立ち上げるなら、ノートPCの方がいい。デスクトップ型よりも価格は高くなるが、ずっと同じ場所だけで仕事をするわけじゃないだろうから、持ち運びができる方が絶対にいい。それから、DVDの再生用の装置も買った方がいい。これからたくさん教材等を勉強するだろうから、こういうのを持っておかないとライバルに情報量で負けてしまう。もちろん、モバイルで使えるネットも契約すべきだ。月額でお金がかかるが、これがないと話にならない。自宅にネットがあるかもしれないが、それとは別に契約したほうがいい。」

「プリンターもあった方がいい。いくらネットが進化したとしても紙で情報を見るのはパソコンの画面で見るのとは全然違うし、色んな場面で印刷したくなることがあるだろう。事務所を構えるなら複合機をリースしてもいいけど、最初はインクジェットでいい。」

これを聞いたあなたはどうするだろうか?当初考えていた、最安値のデスクトップ型パソコンを選ぶか?それとも、この友人の勧めるものを選ぶだろうか???

もう一つ、感情の変化にフォーカスしたオファーの例を見てみよう。

誰が顧客か?
その顧客はどんな感情の変化を望んでいるか?

もしあなたが家庭用のパン焼き器を売っているとする。さて、どんなオファーを作るだろうか?オファーを作る最初の一歩は、顧客が誰か?ということ。そして次は、その顧客はどんな感情の変化を望んでいるか?を考えることだ。

ポイントは、パン焼き機を買う人は、パン焼き機そのものが欲しいわけじゃないということだ。

サンプル1:パン焼き器を自分のために買う主婦

彼女が欲しい感情の変化は、パン焼き機を買ってパンを焼いて「おいしい!ママすごいね!」と家族に喜んでもらい、その顔を見て幸せな気持ちになりたいということだ。あるいは友達を招待して「このパン、自分で焼いたの?」と驚かれ、優越感に浸ったり、家庭的な女性だと思われたい、ということかもしれない。

いずれにせよ彼女が望むのは、おいしいパンを焼いて、それを食べてくれる人に喜んでもらうこと。だから単純にパン焼き機を売るのではなく、

・「人気パン屋が教える、家庭で美味しいパンを焼くための10のコツ」というDVD
・パン焼きの作業に使う、各種道具(スタート・キット)
・小麦粉
・パン焼き教室のチケット
・パンの装飾用の材料(チョコレート・ペン、ナッツ、など)
・パンに合う紅茶
・焼きたてパンを盛り付けるバスケット
・子どもと一緒にパンを作るための、子供用の道具

などをパッケージにすることができる。そうすれば、パン焼きという体験を通じて家族や友人との絆を強める、という、全く違ったオファーを作ることができる。

サンプル2:パン焼き機を誰かにプレゼントするために買うケース

先日僕の知人の女性がパン焼き機を買ったが、それは、自分の母親へのプレゼントだった。その場合だと自分自身がパンを焼くわけじゃないが、パン焼き機をプレゼントすることで母親に喜んでもらいたい、それによって幸せな気持ちになりたい、という感情の変化を望んでいるということだ。

彼女が望むのは、おいしいパンを焼くことではなく、そのプレゼントを受け取った人に喜んでもらうこと。その場合であれば、、、

・パン焼き機をオリジナルカラーでペイントする
・同時に花を贈る
・感謝の手紙を同封できるようにする
・指定日の指定された時間に、ピンク色のワゴンで指定先にお届け
・送り主のボイスメッセージが入ったカードを同封できる
・高級な包装

などのアイディアが考えられる。

このように、見込み客の得たい結果は何かを考えると、オファーの価値が上がるのがわかるだろう。そして価値が上がれば上がるほど、セールスコピーに「書けること」も増えてくる。セールスコピーに書くことがないのは、書くことを「作っていない」からだ。商品そのものをそのまま売ろうとするから書くことが限られるのだ。

弱いオファーを強いコピーでカバーすることはできないが、
強いオファーで弱いコピーをカバーすることはできる。

これはセールスライティングの鉄則だ。セールスライティングは、魅力のない商品を言葉巧みな文章テクニックで言いくるめることではない。

商品ではなく、顧客の方に目を向けて、彼らが本当に感じている痛みはなにか?得たい結果は何か?それをどうやって助けることができるか?価値とは、顧客の求める結果への貢献を高めるということだ。商品がほしいのではなく、結果がほしい。そう考えれば、いいオファーが見えてくる。

取引の価値を上げよ。

いいオファーを作るためには、頭を使わなければいけない。脳みそに汗をかいてアイディアをひねり出し、テストして失敗しなければいけない。でも、それだけの価値はある。商品は生まれ変わり、そしてビジネスも生まれ変わるのだ。

価値のないものを売るよりも、価値のあるものを売る方が簡単なのだ。

ダン・ケネディはこう言っている。

もしあなたのビジネスがコモディティビジネスになっているなら、、、今すぐやめろ!

価値の限定された日用品(コモディティ)を売るようなビジネスをやっていても未来はない。脳みそに汗をかき、勇気を出し、そこから抜け出せというアドバイスだ。「商品名+価格」のルールの戦いに勝者はいない。

ディール・メーカーになって、ルールを変えるのだ。

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寺本 隆裕

ダイレクト出版取締役。セールスライター兼マーケター。クライアントのためにセールスライティングを請け負う場合、プロジェクト1件で、一流企業のエリートサラリーマンの年収を軽く超える額をチャージ。さらにそこから売上からのロイヤリティがかかる。これほど日本で最高クラスの料金設定にもかかわらず「書いてください」という人が後を絶たない。著書には『ウェブセールスライティング習得ハンドブック』『ダン・ケネディから学ぶ「稼ぐ社長」の作り方』(集英社)がある。

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