このコーナーは、ダイレクトマーケティング界の寵児「ニセ・ダン・ケネディ」が、絶対に成功すると噂されているマーケティング手法を紹介します。※本物のダン・ケネディとはあまり関係がありません。
こんにちは、ニセ・ダン・ケネディです。この連載では、私が絶対成功するダイレクト・レスポンス・マーケティングの方法をお教えします。
本物のダン・ケネディの公認を全く得ないまま偽物を名乗っている私ですが、一度本人の靴を舐めてやった経験があるので、多分何をしても許してくれるでしょう。
ただし、あらかじめ断っておきますが、実践は全て自己責任でお願いします。
みなさんはUSP(ユニーク・セリング・プロポジション)という用語はご存知でしょうか?
簡単に言ってしまえば商品やサービスの独自の売りのことです。
「早い・安い・うまい」というのは、牛丼の吉野家(私は週8で通って、毎回食い逃げしています)のUSPです。誰もが聞いたことのあるフレーズでしょう。
まだ牛丼屋チェーンがそれほどなかった時代に、この3つを満たすことを高らかに謳った吉野家は他の牛丼屋と一線を画すことに成功したのです。
この有名なUSPも、実は時代のニーズに合わせて「うまい・安い・早い」と順番を入れ替えていたのをあなたは知っていましたか? 今の時代は「うまい」を顧客が一番求めている、という判断をしたのです。
このようにUSPとは顧客を惹きつける上で絶対に必要なものですし、時代のニーズに合わせて常に変化させていくものなのです。
では、一体どのように最適なUSPを見つけ出せばいいのでしょうか?次章以降では、一般的な職業を例に挙げて、解説させて頂きます。
ダフ屋とは、人気チケットを転売目的で入手し売りさばく違反行為を行う職業です。私もごく日常的に行っていて、収入の7割はダフ行為で賄っております。
さて、ダフ屋の伝統的なUSPといえば「券ないか、券買うよ」ですが、これははっきり言って古いです。
USPは「他にも選択肢がある中で、なぜあなたと取引すべきなのか?」の答えになっていなければなりません。
私の考える現代のダフ屋の最適なUSPは「Tポイントカードないか、Tポイント付くよ」です。
こう言っておけば「え? Tポイント付くの?」とお得に感じた顧客が近寄って来てくれます。さらにTポイントカードと言ってしまうことで、なんとなくオフィシャルな感じが出るので、一石二鳥です。
(Tポイントカードを実際に差し出された場合、相手のアゴに思いっきりトーキックを決めてしまえば、相手は卒倒するので何も問題ありません。その後、財布を盗みましょう)
物乞いのUSPもここ50年変わっていません。「旦那~、お恵みくだせえ~」という退屈なものばかりです。
私もよく物乞いをするのですが、簡単なUSPを設定するだけで同業者から圧倒的な差をつけることに成功しています。
「命惜しければ有り金全部置いてけや、アアーーン!? モタモタしてんじゃねえええええ!! 地獄行くか、クオルァァァ!!!!」です。
相手にバタフライナイフを突きつけながらこのUSPを唱えるだけで驚くほど簡単に目標を達成できます。
物乞いのUSPを突き詰めると、強盗の伝統的なUSPと同じになってしまうとは、なんとも不思議なものですね。これだからDRMは面白い!
さて最後は、人体実験のUSPです。
世の中には「治験」と呼ばれる薬事法上の承認を得るために行われる臨床試験がありますが、私が言っている「人体実験」とはそんな生ぬるいものではなく、バリバリ違法のドラッグを体内にガンガン投与されまくる職業のことです。
人体実験被験者のUSPは大体こうです。「健康には自信があります! 絶対に大丈夫です!」という、いかに自分が健康体であるかのアピールばかりです。
確かに薬を投与する上で被験者の健康は重要に思えるかもしれません。しかし、本当にそうでしょうか? それが顧客の求めていることでしょうか?
私のUSPはこうです。「あばっ…、ていぱぱぁッ!! プっっし! ぴぱぱぱぁぁーーー!!」と叫びながら脱糞します。
健康とは真逆、完全にぶっ壊れてると見せかけることで、顧客に「あ、こいつなら何やってもいいや…」と思わせ、ドラッグの打ちやすさを提供することができるのです。
私はこれで月間8000以上もの名前のないドラッグを投与され続け、実に2万円という多額の報酬を得ることに成功しています。
さっきから頭が割れるように痛いし、小さい老婆が耳元で円周率を大声で喚いている幻聴がするし、三原色がさっきから全て濃い紫に見えていますが、完全に気が狂う前にみなさんにUSPの重要性を伝えることができてとても幸運に思います。
では、さようなら。
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