From:ダン・ケネディ
From:ダン・ケネディ
今回は、私の好みのタイプのダイレクトメール、すなわち、封書のダイレクトメールについて、お話ししたいと思います。
封書によるダイレクトメールを送ることに決めたとして、今度は、さらに2つ、選択肢があります。私が呼ぶところの「看板広告」タイプのダイレクトメールにするか、それとも「奇襲」タイプのダイレクトメールにするか、です。多くのマーケッターは、「奇襲」タイプを好んでいます。
この方法では、封筒の外側には、それがダイレクトメールであることを示すものは何もありません。差出人住所にも、会社名は書きません。個人の名前を書くか、あるいは、住所だけです。ティーザーコピーも、ヘッドラインも、中身が何であるかを示すような言葉やフレーズも無いのです。
定形の洋形4号ではなく、変わったサイズの封筒が使われることもあります。このような「奇襲」攻撃を、完璧なものにするため、宛名ラベルは用いません。宛名は、手書きするか、あるいは、一人分ずつ、タイプします。また、料金別納郵便にはせず、切手を貼ります。
なぜ、このようなことを、わざわざ手間をかけてまでしているのでしょうか?
見込み客に「奇襲」をかける理由
この裏付けとなる理論は、「Aパイル・Bパイル」と呼ばれています。(パイルは、郵便物などを積んだ山の意味。Aパイルは、知人や友人などからの重要な郵便物。Bパイルは、ダイレクトメールなど、重要ではない郵便物。)
多くの人が、ゴミ箱のそばで、郵便物を仕分けします。
明らかにBパイルと判断された、いわゆるジャンクメールは、封も開けられず、あるいは、ちらっと一目見て、ゴミ箱に捨てられます。それに対し、個人的な郵便物のように見える封書は、Aパイルとして扱われます。すぐに開封され、読んでもらえるのです。封を開けると、中には手紙が入っています。
この「奇襲」攻撃の目的は、確実にAパイルとして扱ってもらうことです。
私は、これまで、さまざまなバリエーションで、この奇襲方法を用いて、大きな成功を収めています。私は、この理論が正しいと信じています。この方法は、重役や経営者へのダイレクトメール、医師や法律家へのダイレクトメール、政治資金や慈善のための寄付を呼び掛けるダイレクトメールに、特に有効です。
見込み客に「奇襲」をかける面白いテクニック
それは、封筒の差出人のところに、有名人の名前や、重要人物の肩書きを使うやり方です。
私は、いくつもの共和党系、保守系の政治団体に寄付をしたことがあり、そのせいで、共和党系のあらゆる政治資金提供者リストに名前が載っています。その結果、そのような団体から、寄付を募る手紙がたくさん届くのですが、その中には、共和党上院議員クラブを差出人とするものはもちろん、その他、共和党の政治家を差出人とするものがあります。
もちろん、それが寄付を募るものであることは分かっているのですが、それでも、私は、その手紙を開封せずにはいられません。
私はある時、差出人として、ある著名なテレビ番組司会者の名前が書かれた「奇襲」ダイレクトメールを受け取ったことがあります。これは保険会社からのものだったのですが、封筒には会社名も無く、それが保険会社からの手紙であることを示すものは何もありませんでした。
肩書きも有効です。割と最近のことですが、「ネバダ州ラスベガス、ゴールデンナゲット・ホテル、取締役会会長」を差出人とする封書を受け取りました。単に「ゴールデンナゲット・ホテル」を差出人とするより、開封してもらえるチャンスはずっと高くなります。しかも、宛名はタイプライターで打ってあり、宛名ラベルではありませんでした。「料金別納郵便」ではなく、切手が貼られていました。便箋は、会長の個人用便箋で、私の名前と住所がタイプしてありました。
私は、それを読みました。もし、差出人が「ゴールデンナゲット・ホテル」で、手紙ではなく、パンフレットが入っていたら、おそらく、私は読まずに捨てたでしょう。
ダン ・ケネディ
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