From:北岡秀紀
From:北岡秀紀
先日、ある方に誘っていただいて、ダンスの舞台を見に行きました。数百人規模のなかなかの大規模ステージです。
そもそも劇場に行くなんて経験は、小さなお笑いライブくらいしかありませんし、ダンスにも興味はありません。
以前、友人が出演するフラメンコショーで爆睡した経験もあったので大丈夫かな?と思っていたのですが、かなりの大迫力であっという間の2時間でした。ぜひ両親も連れて行きたい!と思うほどでした。
・・・が、ひとつだけ違和感がありました。
ダンサーは基本、白人もしくは黒人なのですが、1人だけいた東洋人がいたのです。で、彼はかなりの男前ではあったのですが、身体も小さく(女性ダンサーと同じくらい)、何よりダンスのクオリティが明らかに低いことが素人の私でも分かります。
講演後、「あれって日本人ですかね?」と誘っていただいた方に聞くと、とある日本人アイドルだそうです。
私はTVを観ないのでカフェで隣り合わせに座ったとしても間違いなくわからないでしょうが、少なくとも名前は知っています。
彼はこのダンスショーの客寄せパンダに使われているようで、振り返ってみれば彼が出てきたときだけ妙に盛り上がる女性が多かった理由がわかりました。
ショーのパンフレットを見ると、外国人ダンサーは5歳や6歳でダンスを始め、全員10代でナンタラ賞受賞みたいな言わばスーパーエリートばかりです。
一方、アイドルの彼のプロフィールを見ると「13歳で○○(アイドルグループ名)に入りダンスの楽しさに目覚める」ですから、そんなエリートと比較するのは可哀想といえます。
なので、アイドルの彼の悪口を言うつもりもありません。客席を満席にするために・・・という大人の事情もよく分かりますから。
さらに面白いことに、youtubeで本来、彼がいるグループで踊る彼の映像を見たのですが、決して下手という感じがしないのです。むしろかっこ良いです。
こんな男前でこれだけ踊れたら・・・と、むしろうらやましく感じるほどです。
つまり、アイドルの彼は超一流の人たちと比較される場所にいたから下手に見えた。
ただ、それだけだということです。
前置きが長くなりましたが、ビジネスでもこれは同じです。
お客さんは必ず競合とあなたと比べています。比較する以外にあなたの良さを理解する方法はないからです。
そして、その比べられる相手が信頼できなさそうであれば、あなたは信頼感があるように見えます。比べる相手の技術がものすごいものであれば、あなたの技術は大した事がないように見えます。
あなたは何も変わらずとも、です。
ライバルに比べられても勝てるように努力することは非常に素晴らしいことです。しかし、そもそも比べられる相手を変えることができれば、現状のままでも勝てる、ということを意味します。(それは向上する努力を放棄しろ、という意味ではありませんよ。念のため。)
あなたは誰と比べられているでしょうか? 比べられている対象を誰に変えることができれば、あなたはビジネスを有利に運べますか?
そして、比べる対象は競合とは限りません。
例えば、牛丼。一般的に単価は数百円です。しかし、すき焼き丼と名前を変えれば? 2000円くらいまで単価がハネ上がります。作り方、材料はほとんど変わりません。
それは、お客に一般的に高級なイメージがあるすき焼きと比較させた結果です。
では、あなたのビジネスは・・・??
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