From:ダン・ケネディ
From:ダン・ケネディ
「広告と記事」。スモール・ビジネスを売り込むためにはどちらが効果的か? 紋切り型の答えを言えば記事になる。
だが記事広告、すなわち記事のように見える広告にしてしまう方が純粋な広告よりも効果が薄いとの意見もある。私たちが新聞雑誌を買うのは記事を読むためであり、広告を見るためではないから当然、というのである。
しかし──定説というのは、とかくそういうものだが――必ずしもそんなことはない、という見方もある。
たとえば、アメリカで水曜に新聞がどっと売れるのはスーパーの割引券目当てだからだし、金曜から週末にかけては映画やナイトクラブの広告目当てで新聞を買う人が多い。全国規模の会議に人が集まってくるのもそれと同じ。私も含め、みなセミナーというよりトレード・ショーに興味があるからだ。
最大の成功を収めるべく「鉄壁のルール」を守りぬいている人が間違っている可能性だってある。
ダイレクト・レスポンスのコピーライターが、ヘッドラインの語数を考えるときとりわけ尊重するルールの1つを、私は常に破っている。「“手書きの私信(A-pile mail)”が良い」というルールにはどこもおかしな点はないのだが、私がやったスプリット・テスト(A/Bテスト)では、ティーザーコピーを印刷した封筒の方が効果的だった。
しょっちゅうではない。でも、そういうときがあるのだ。
結論を言えば、「記事広告こそが常に最大数の読者を得る広告フォーマットだ」という見方は間違っている。その一方で、印刷広告でも、ダイレクト・メールでも、「記事広告は一切やらない」という誤った判断をしている広告主も多い。
「何が効いて、何が効かないか、自分は十分に承知している」──こんな思い込みには気をつけよう。定説に固執したり、クライアントのアイデアを即はねつけたりしないように、十分、気をつけよう。
あるいは、こう言う人もいる。 「Xが効果的だとはまったく知らなかったし、効果がないのを見たこともある」
でも、いくつかの方向から検討してみよう。
1.簡単で安価にテストできるか?
2.同じような効きめをもつ、より信頼できるアプローチはあるか?
3.実験コストに見合うだけの利益はあるか?
等々
忘れないでほしい重要ポイントを言っておこう。広告だろうが、折込チラシだろうが、ダイレクト・メールだろうが、フォーマットだろうが、ヘッドラインだろうが、読んでもらえなくては売れない。
だから、あなたは「とにかく、読んでもらえるよう努力せねばならない」──重要な教訓だ。
読者がいると仮定してはいけない。だが、そう仮定する人が大半だ。読者がたくさんいるという思い込みのもと作られた広告やダイレクト・メールの多いこと、多いこと。実はこれとは真逆のアプローチの方が賢い。受け手はみな、とにかく「読もうとしない」ものだと仮定するのである。
「読者数を最大にする一番の方法」は的をしぼることだ。
私の売り込みメッセージは、原則にのっとっている。しかし、あなたが相手をしぼれないとき、マスメディアを使って広大な湖から魚を釣らねばならないときは、さらに頭をひねって、相手がわざわざあなたのメッセージを読んでくれるようにしなくてはならない。
−ダン・ケネディ
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