From:小川忠洋
大阪オフィスから、、、
「どうすれば年商10億円になるか?」
ダイレクト出版のある部門を担当するマーケターとこんな話をした。話を聞いてると、彼は、起業家によくある間違いを犯していると思った。もしかしたら、あなたもやっているかもしれない・・・
誤解しないで欲しいがかれはとても優秀な人間だ。社内でもトップクラスに成長している。彼の担当する部門は現在のところ、年商4億円弱というところだった。
それをどうすれば10億にできるか?という事を考えていたという。そして、ナイスなアイディアが思いついたそうだ。。。以下がそれ
「今のウチのビジネスを見ていると、新しい事業をやると、だいたい1億くらいはスグに行きますよね。」
「うん。そうね」
「だから、事業をあと2個くらい増やして、既存の事業もちょっと改善すれば、10億行くんじゃないかなって思うんですよ。」
「あ~~なるほど。。。」
「それはちょっと違う気がするな・・・それは、よくある病気だよ・・・」
ダイヤモンドを探せ
その昔、ラッセルなんちゃらって人が書いた「エイカーズ・オヴ・ダイヤモンド」という話がある。どんな話かと言うと、ある男がダイヤモンドを探して旅に出る話。
ダイヤモンドを探して、家から出て、あちらこちらに旅に出て、いろんな所に行った結果、家に戻ってくる。そうすると、家の床下にダイヤモンドが埋まってた・・・というような話である。
教訓は、大切なモノは目の前にある
という事。彼の場合、今まさにダイヤモンドを探して旅に出ようとしていた。既存事業というダイヤモンドが目の前にあるにも関わらず、、、外に新しいダイヤモンドを探しに行こうとしていたのだ。
これは社長・起業家によくある病気で、僕も常に戦っている。つまり新規事業や新商品をやった方がスグに儲かるんじゃないか?という発想だ。
隣の芝は青く見える
とは良くいったもの。自分がやっていない事業というのは、なんだか簡単そうに見えるし、なんだか儲かりそうに見える。しかし、実際にやってみると、いろいろな「目に見えない」労力があったり、「目に見えない」ノウハウが必要だったりする。
ここに出てきた彼の場合は、ダイレクト出版で新しく立ち上がった事業を見ていて、「あ~スグに1,2億は行くんだな~」と思ったに違いない。
しかし、現実はそんなに甘くない。1億2億の売上に行くために、彼には見えない様々な苦労がある。そしてそれと全く同じような苦労を彼は既存の事業で体験しているはずである。でも、外側になると見えない。
特に新規事業なんてのは、全く新しいマーケット、つまり全く新しい人間を相手に商売をしなきゃいけない。顧客の事をゼロから理解しなきゃいけない。調べなきゃいけない。その事業での”特有の”成功の秘訣を見つけなきゃいけない。などなど、いろんなハードルがある。
これは、簡単に聞こえるかもしれないけど、最も苦労するところだ。マーケットの事を知ること。顧客の心理を知ること。顧客の欲求のホット・ボタンを知ること。顧客の悩みを知ること。。。などなど。それらが分かるまで、そこそこの時間がかかるはずだ。
実際問題、新規事業ってのは軌道に乗るまで、なかなか時間がかかる。そして、難易度も既存の事業よりもよっぽど高い。ゼロからのスタートなので、売上をあげても損益分岐点に行ってないかもしれない。一方、既存事業はすでに損益分岐点を超えているわけだから、100万円の粗利が生まれれば、そのまま100万円が利益となる。利益率は全然違う。
加えて、新規事業をやったら、必ず既存事業がおろそかになる。既存事業がおろそかになったら、せっかく上がっていた利益がどんどん減ってくる、、、新規事業でも利益が上がらないので結局、利益は吹っ飛んでしまう・・・こんな事になりかねない。
ダイヤモンドは目の前に・・・
どんな事業でも、すでにダイヤモンドを持っているはずだ。既存客という名のダイヤモンドを。新規事業に進出するのは、既に持っているダイヤモンドを磨き終わってからでいいんじゃないだろうか。
つまり、既存客からの売上を最大化してから・・・という意味である。そのために彼がやるべきことは、既存客が買えるバックエンド商品の開発だったり、既存客からの反応を上げるためにDMを打ったり、ビデオを使ってみたり、、、などなど、全てフォーカスは既存客向けの事ばかりだ。
まずそれをやって年商4億円を6億円にしてみる。そうすればきっと、新規事業を2,3個たちあげて年商を10億にした時よりも利益があるはずだ。
彼の気持ちはよく分かる。
外にあるダイヤモンドは輝いて見えるもの。自分が持っていないダイヤモンドは簡単に手に入りそうに見えるもの。。。
しかしそれらは幻想で、、、
今、自分が持っているダイヤモンドを磨いた方が、よっぽど価値を生み出す。
忘れないで欲しい。ダイヤモンドはあなたの目の前にある。
『あなたの商品をもっと売る13の方法』
既存客というダイヤモンドをピカピカに磨きあげる方法・アイディアを知りたいなら、 |
【ザ・レスポンス】の最新記事をお届けします