From:小川忠洋
大阪のスターバックスより、、、
恐らく良かれと思ってやっているんだろう。しかし、とても残念に思った。と言うかガッカリ。会社の近くにはスタバとタリーズとドトールがある。もちろん、僕はいつもスタバに行っている。スタバから会社に向かう途中、いつもタリーズの横を通りすぎる・・・
つまりタリーズはスタバよりも近くにある。近くにあるけど、わざわざ遠いスタバに行く。(こんな人はきっと多いと思う)そして、先日も同じようにタリーズの横を通りかかったのだが、、、その時、出ている看板に驚いた・・・
パスタ!?
そう、お昼時だったから、タリーズでパスタやってます的な看板が出ていた。中華料理屋の冷麺やってます的な看板である。この看板を見て、非常に残念に思った・・・
この看板は「冷麺やってます」とは全然違う。なぜなら、タリーズはプレミアムコーヒーの店。例えて言うなら高級フランス料理の店で「冷麺やってます」状態である。
僕は元スタバ店員である妻のランからタリーズのコーヒーはそこそこ旨いよって話を聞いていた。(ちなみにスタバの店員と客の関係から、彼氏彼女になり、結婚のクロージングをされることになって今に至る)なので、タリーズのコーヒーって旨いんだぁーってなんとなく思っていた。スタバが無い時には、タリーズを狙う感じで行っていた。。。
だけど、、、だけど、パスタやっちゃうか。。。
残念。残念すぎる。。。
この時点で、僕の中でのタリーズコーヒーの味への信用は落ちた。ハッキリ言えば、パスタを作ったところでコーヒーの味は全く変わっていないだろう。頭では分かる。しかし、、、
しかしそうじゃないよな。正直に言えば大抵の人にとってコーヒーの味なんてよく分からない。だけども何でそれを美味しいって感じているかというと、価値は別のところにあるわけだ。その価値を、(渡邊健太郎さん風に言えば体験価値を)失ってしまった感じがする…
人はあなたの会社やサービスの事を、「何か」のカテゴリーに入れて認識している。これをマーケティング用語でポジショニングと言う。タリーズは「プレミアム・コーヒー」のカテゴリーに入っていた。スタバと同じカテゴリーである。
どこのカテゴリーに入るか?
という質問はマーケティング上最も重要な質問である。どんなヘッドラインを使うか?どんなベネフィットをアピールするか?どんなUSP?などなど、そんな事よりももっともっと重要なポイントだ。
スタバも昔、同じ間違いをやっている。プレミアム・コーヒーの店なのに、わけのわからんクマのぬいぐるみやらファーストフードみたいなチーズサンドやらなんやらかんやら売っていた。そして業績が急降下、ブランドの死とも呼ばれた。
それに危機感を感じた創業者のハワード・シュルツはCEOに返り咲き。コーヒーという中心事業にフォーカスするために、全店舗を一時休店して、コーヒーのトレーニングを行った。これは、中心事業にフォーカスするという象徴的な出来事だった。スタバは復活した。ぬいぐるみはもう見かけなくなった。参考までに言えば僕はスタバの株を持っているが、一時17ドルくらいまで下がっていた株価は60ドルくらいまで上がった。今は53、4ドルを前後している。。。
全てはポジショニングの間違いから来ている。
あなたの顧客は、あなたを「何者か」と思って商品やサービスを購入した。そして、めでたくあなたがたくさんの顧客をファンのように保つ事ができているなら、、自分が「何者」であるかを忘れてはいけない。「何者か」じゃなくなったら、売上アップのために、ちょっと方向をずらそうもんなら、、、ファンはあなたの魅力を感じなくなり、、、あなたから一気に離れていってしまうだろう。
タリーズ・コーヒーの味は変わってなくても、そのコーヒーを飲みたいと思わなくなった僕のように。。。コーヒー屋にとって顧客がコーヒー飲みたいって思わなくなるのは手痛いダメージだと思わないか?
このような例はいくらでも上げることができる。
顧客があなたを誰だと思っているか?顧客があなたの会社を何だと思っているか?顧客があなたの商品を何だと思って買ったか?それを忘れてはいけない。
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