From:小川忠洋
『うるせェー』超うるせェー。さっきから、向こうの席にいるジジィが超うるせェー。ハクション大魔王の声にそっくりな声で大声で何かを叫んでいる・・・向かいに座っている女性は、なんだかとっても困った顔。いい気分のスタバの時間が台なしである・・・
そこで僕はスクッと席から立ち上がり、ハクション大魔王に鼻フックを食らわす。周りのお客さんに一瞬、緊張がはしるが、みんな心の中で「よくやった!」の拍手喝采・・・というのは僕の妄想である。大人の社会人なのでそんな事はできないわな(笑)
男はもう一人いる。5~60代の男性でこちらは静かに女性の話を聞いている。女性は30代後半と言ったところか、ハクション大魔王じゃなく、この静かに聞いている男性の方に何かを話しているようだ。
ハクション大魔王はどうもその会話を邪魔しているようである。
『そーんなーん、イカサマやぁー』
『みーんなウソばっかやぁー』
ハクション大魔王の声を思い出してこの響きを聞いて欲しい・・・不快である(笑)彼女はどうも、静かな男性に向かって保険の契約をしているようだった。そして、契約書にサインをもらっている最中、ハクション大魔王が保険の文句を言っている。ってか、その契約を邪魔している的な感じである。
大声を出して他のお客さんにも迷惑をかけながら。何を考えているんだか、、、恐らく普段、大切に扱われてないからこういう時に重要人物だと思わせたいのか・・・まぁ毒はこのへんでやめておこう。問題は女性にある。
なぜ女性に問題が?
この女性、極めて普通の丁寧な対応をしていた。なのになぜ、彼女に何の問題があるのか?答えは簡単だ。彼女はお客を選べない。
お客を選べない不幸である。
彼女は保険のセールスをしている。セールスというのは売る側も売られる側も平等である。お金と商品・サービスの価値交換である。だから、お客が商品を選ぶ権利があるのと同様、彼女にもお客を選ぶ権利がある。
しかし、お客にとって彼女の代わりはいくらでもいるが、彼女にとって、目の前のお客の代わりはいない。だから、選ぶ権利があっても選べないでいる。だから、ハクション大魔王がグダグダ言ってるのを我慢して聞いていなきゃいけない事になる・・・
これはマーケティングの問題だ。
目の前のお客の代わりがいない。つまり見込客が少ないってのはマーケティングの問題で、マーケティングができてない証拠である。マーケティングをきちんとしていれば、目の前のお客が破談になっても、次に行けばいい。商談中にどーしょーもない態度を取るなら、、
『私はアクビちゃんじゃありません』
と言ってその場をサクっと切り上げることもできる。自分の時間よりも、見込客の方が多ければそれができる。これは決して他人ごとではなく、ほとんどの営業マンが抱えている問題だ。そしてもしかしたら、あなたの会社でも抱えている問題かもしれない。
マーケティングをしないと見込客は集まらない。見込客を自分たちが処理できる以上に集めていれば、あなたに初めて「お客を選ぶ権利」を行使することができる。商売人の誰もがもっているこの権利、初めて使うことができる。
忘れてはいけないのは、「売る」セールスという仕事の前に、マーケティングが必要だということ。ほとんどの会社にはマーケティングと呼べるようなものがない。もちろん、長いことこのザ・レスポンスを読んでいる人は別だろう。だけど、これは肝に銘じておいて欲しい。売る前にマーケティングだ。
マーケティングができれば、お客を選ぶ権利ができる。そして、自分の好きなお客とだけ商売するってのは、、、、社長としても、、、会社としても、、、人生でも、、、
理想の状態じゃないか?
自分の従業員にむかって、「嫌な客は切っていい」と言い切れるの・・・かっこ良くないか?(笑)何より、精神的な満足度が違う。好きな顧客のために、商品を改善したり、日々、精進したりできる。素晴らしい。
僕もダンケネディにマーケティングを学ぶ前は、お客を選ぶ権利を持っていなかった。だから、目の前に見込客が現れたら必死になって「決めなきゃ」と思ってビジネスをしていた。あとになって、後悔したことだって何度もある。
しかしダンケネディにマーケティングを学んでからは、、、常に自分の処理できる以上の見込客がいる。嫌なお客とは付き合わない。最高の状態である。
ビジネスには色んな課題が出てくるが、マーケティングほどあらゆる問題を劇的に改善する方法は他にない。会社で発生するどんな問題も、、、見込客がいない、売上が立たない、に比べたら屁のようなもの。
さて、あなたは自分の理想のビジネスを作るために、自分の理想の商売をするために、理想の人生を作るために、マーケティングしているだろうか?
【ザ・レスポンス】の最新記事をお届けします