From:ダン・ケネディ
FROM:ダン・ケネディ
前回は、大成功した事業や成功者が犯す誤りについてお話しました。
さて今回は、一見誤りに見えるものがどうやってマーケティングの仕掛けに変わるのかをお話しましょう。
マーケティングの仕掛けは時に面白く、また有益でもあります。
私は、スーパーボウルのハーフタイムショーでジャネット・ジャクソンの服が破けたハプニングと同じくらい、ジョン・ケリー(ブッシュ大統領と選挙戦で争った民主党候補者)のマイクが壊れたことは故意であると信じています。
最初は本当にハプニングだと思っていました。しかし、2,3日観察した結果、ケリーのマイクの故障は国際的な仕掛けだったと結論づけることになりました。率直に伝えられない群衆に向かって、自分の立場や声明を半ば強制的にアピールする方法だったのです。
昔、あるクライントが、ドライブしている男が写った山の絵柄のポストカードに間違った電話番号を表記して顧客に送りました。そして、間違いを謝罪し訂正する手紙を後から送ることで、以前より良い反応を得ることができたそうです!
別のクライアントは優良顧客に対して、高額イベントの案内のセールスレターと申込用紙を送りました。イベントの日程・場所・金額を書かずにです。
すると、レターを受け取った顧客のほぼ70%が彼に間違いを指摘する電話をしてきました。ある人は苛ついた様子で。またある人は親切心から。そして、その半分が契約を結びました。
インターネットでの申込率は比較的高く、35%もあります。また、違うイベントに参加した顧客は比較的高い率で契約し、過去最高の契約率が15%でした。ところが、それをはるかに超える率で契約が結ばれたのです。
私は最近、あるクライアントに
「ご覧の通り、本物のパリッとした真新しい1ドル札をこの手紙に添付しました・・・」
というコピーとともに、1ドル紙幣を添えた手紙を送らせました。しかし本当は、送った50人のうち25人には10ドル札を、残りの25人には20ドル札を送付したのです!
彼らはどのように反応したでしょうか。
50人のうちの2人が、間違えて大きな額の紙幣を添付しているのではないかと連絡してきました。彼らは返しましょうかとも申し出ました。残りの人は誰一人として連絡してきませんでした。
しかし、この作戦は効果がありました。1ドル紙幣を送った同内容のレターの場合より反応が4%上がったからです。
伝説のマーケッター、シュガーマンは、彼が出した広告の中に間違いを見つけた人に、値下げ特典や賞金を与えました。
エラーは『人を巻き込み熱中させる効果』があります。一つのテクニックですね。
次回は、もっと多くの仕掛けについてお話します。
次回をお楽しみに。
ダン・ケネディ
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