From:北岡秀紀
From:北岡秀紀
売れる商品とお客さんにとって良い商品が違う、ということに悩む経営者は非常に多いです。
商品やサービスをよく知れば知るほど、利益を得るためには売れる商品を売らないとやっていけない・・・でも、お客さんには良い商品を売りたい・・・そのジレンマが大きくなっていきます。
それに対して、「売れる商品こそ良い商品である」という格言がありますが、「売れれば何でもいい」という意味ではありません。勘違いしたダメマーケッターが良く言うのですが、それはもちろん違います。
商品に惚れ込むばかりで、お客のことを見ていないことを戒めた言葉に過ぎません。
もちろん私自身もよくこのジレンマに出会うことがしばしばあります。マーケティングテクニックや最新手法や事例を話せば、ウケもいいし売れるのはわかる。
でも、クライアントに本当の力を身につけてもらうためには、もっと本質的なフレームや戦略などを学んでもらう必要があります。しかし、それはほとんどウケません。ごく一部の理解してくれるクライアントだけが理解してくれる、ということになります。
このジレンマに対して、どう対処すればいいのでしょうか? マーケティング的な観点から3つの方法をあなたにシェアしたいと思います。
拙著『小さくても仕組みでガンガン売れる会社のつくり方』でも述べていますが、売り手はお客を導く先生となる必要があります。そこでメールやその他の手法を使って教育をするわけですが。。。商品を一度でも購入したことがない人よりも購入経験がある人のほうがより話を聞いてくれます。
当然、懐を痛めた相手ですから、真剣に話を聞かないと、となるわけです。
なので、まずは売れる商品を売ります。しかし、それだけでは本質的な問題解決にならないこと。本当に問題解決をするのであれば、そのための商品・方法があるということを伝えます。
寺本さんに教えてもらってから、私もよく使っているのがシュガーコーティングというコンセプトです。
苦い薬を甘い砂糖でコーティングして、飲みやすくしてあげましょう、という考え方です。例えば、ダイエットで食べられることを伝えたり、運動しなくてもいいことを伝えたりします。商品・サービスを試してもらうために「甘い」部分にフォーカスして伝えるという方法です。
当然ですが、ウソはダメです。しかし、自分の商品・サービスをしっかりと見てみると「甘い」部分がきっと見つかるはずです。そこをしっかりと伝えてあげるようにしましょう。
良い商品であればあるほど「この商品はどんなに素晴らしいか」を語りたくなるものです。しかし、それが売れるものでなければ、お客さんからすれば単なる自慢話を聞かされているだけです。購入する気になれません。
そこでやるべきことは商品説明を一切やめて、この商品を使うことでどんな風になれるのか、というベネフィットを語るということです。マーケティングにおいてベネフィットを語ることは基礎中の基礎。しかし、意外とそれができている人は非常に少ないです。
商品が売れづらい、わかりづらいものであるほど商品の説明に時間を割きたくなりますが、そこをグッとこらえてください。そして、何が得られるのか、具体的に想像ができるほど語ってみてください。それだけでお客さんの反応が違ってくることがわかるはずです。
売れないから諦める、というのもひとつの手です。でも、それを続けていたら、きっとビジネスは面白くなくなります。
むしろ本当に良い商品であれば、なんとしてでも売るのが売り手の責任だと考えてみてください。お客さんは他のダメ商品を買ってしまうことになるわけであり、良い商品を売らないことは、ダメ商品を売るのと同じことなのですから。
あなたが本当に良い商品・サービスを提供しているなら。。。商品・サービスの良さを伝えるのではなく、どうやれば手に取りたくなるのか?という観点からマーケティングを見直してみてください。
売りたい商品が売れるようになって、ビジネスがもっともっと楽しくなるはずです。
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