4日前、札幌で飲食店向けセミナーが開催されました。今回で2回目、私は前回に続き、第三部の講師を務めさせていただきました。サポートする側のマスメディア、金融機関等の方々も出席され、これからも「知らせる」ための試みは続く予定です。
飲食店オーナーからのご相談で、よく言われるのは「お客さんが入らない」ということ。その場合、私は「お店の立地とコンセプトが合っていないかもしれないですね。一度5W2Hに当てはめてみましょう」と言っています。
5Wとは、WHAT(業種)、WHO(客層)、WHY(利用動機)、WHEN(営業時間)、WHERE(立地)。2Hとは、HOW(お客様の楽しみ方)、HOW MUCH(価格政策)です。
そもそも店舗運営全般については、いろんな要素が絡んできます。それには、材料費、人件費、変動費等の経費コントロールが大切ですが、店舗力(料理、サービス、お店の雰囲気)がないと繁盛継続はかないません。
さらに、繁盛継続のためには固定客・常連客の維持・継続が必要です。儲かっている経営者は、固定客の数が減らないように、新規客開拓を繰り返し行って新規客を固定客にもっていく努力をしています。このことは、他の業種にも当てはまるのではないでしょうか。
そこで、繁盛の入口、新規客開拓のための重要なポイントを3つお伝えします。
一つ目は、新規客開拓にあたり、まずこう考えていただきたいのです。「自分の店はまだまだ知られていない」と。そのような謙虚な気持ちに立てば、「もっと知らせなければ」と思えます。
その告知手段として、一つはテレビ、ラジオ、新聞、インターネット等を使った屋内で知らせる、もう一つは、看板、店頭正面入口で外を移動中の人に知らせる、というものです。初回来店してもらうための動機づけも考える必要があります。
そのためにクーポンを使うのはよくあることですが、おまけはおまけなので二度は来ません。それよりもお店の情報、魅力をどう演出するかの方がよほど重要です。その仕掛けづくりがうまくいけば、おのずと再来店してくれますから。
2つ目として、売上目標を設定し、その達成のための必要客数を知るということです。月の売上目標、営業日数、客単価から、1日の売上目標、達成するための必要客数、月の必要客数、来店頻度等を知っておくことが大切です。この客数が売上ベースをつくることになるので、繁盛するための固定客・常連客は何人必要なのか、考えることが重要です。
3つ目は、お客さんは、70%程度の情報がないと、なかなか入店しません。それゆえ、特に近場の人をとっていくためにはお店の外観づくりが大切です。儲かっている経営者は、上手く外観を活用して入店したいと思わせています。
この外観づくりを上手く演出することが、新規客獲得のポイントです。逆に入りたいと思わないのであれば、その度に機会損失しています。想像してみてください。店外ではいろいろな会話がされているかもしれません。
例えば、「このお店、何をやっているかわからないし暗そう」「そうね、やっぱりやめましょう」・・・ そんな会話が繰り返されているのではないでしょうか。
そうならないためには、まず看板を目立たせること。発見率を高めるためには、次のことも是非チェックしてみてください。
まず、何をやっている店なのかわかるか、次に惹きつけることができているか、そして通行人の目につくようになっているか、という点です。
次にファサード(店頭正面入口)ですが、ここは看板で伝えきれなかったお店の魅力を伝える場所、お店の顔です。なので、インフォメーションにも気をつけたいものです。例えば、夜間、女性客ひとりでも明るく誘導できるようになっているか。
以上新規客開拓のための重要ポイント3つを述べました。
さらにもう一つ付け加えると、販売促進(宣伝広告)の年間スケジュールをしっかり立てる必要があります。そのお店の業態によって月々の予算配分が違ってくるので、スケジュール調整をすること。売上の3~5%は新規客開拓のための予算として計上しましょう。
宣伝広告と言ってもたくさんありますが、私のオススメを2つ紹介します。
一つ目は、スマホサイトによる集客です。グーグルの広告費も飲食店の場合は、不動産、エステ、士業よりは、まだ安く抑えられます。
二つ目は、【ザ・レスポンス】の読者ならもうお馴染み、クチコミ宣伝による集客です。お客さんを感動させることができれば、大きな効果が期待できます。お客さんが感動すれば、お願いしなくてもクチコミ宣伝してくれますから。
しかし、お店の店舗力(料理・サービス・お店の雰囲気)がないと、せっかく宣伝広告をかけても効果が落ちてしまいます。2度来てもらうためにどうするかを考えましょう。そうしないと固定客・常連客につながりません。
繁盛継続したいならば、ぜひとも新規客開拓~固定客づくり、そして来店頻度を高めるための一連性の仕組みをつくりましょう。
−高橋大介
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