From:北岡秀紀

ある治療家の方がその身分を隠して一般の人と話しているときのこと。。。

誰もが知っているマッサージのチェーン店とこの方の整骨院を比較して、 「○○（チェーン店の名前）はとても安心。あんなにたくさん店舗があるわけだから」と言ったそう。

このチェーン店は数日の研修程度でお店に立たせているような店です。一方で、その治療家はこの道10年以上のベテランです。また、3年以上の課程を経て資格を取った方です。

あなたならどちらが安心ですか？ 普通に考えれば後者の方のはずですが。。。

お客は何も知らない

治療院の業界にいたり、その周辺にいれば、この大手チェーンの質がそれほど高くないことは、まァ、知っていることです。そんな人からすれば、「○○は安心」だなんて頭がおかしいと思うかもしれません。しかし、お客さんの認識なんてそんなものだ、ということです。

あなたの業界でも同様です。お客さんはあなたの業界のことをほとんど知りません。知っている人からすれば、「そんなことも知らないの？」と思えるほど。

例えば、このザ・レスポンスの読者なら、ほぼ全員が知っているであろうフロントエンド商品とバックエンド商品の概念。世間の社長がどれくらい知っていると思いますか？ 90％の以上の人は知りません。知っているあなたからすれば、「え〜」と思いますがそんなものです。

話を戻すと、あなたは自分の商品・サービスやその業界については、詳しいはずです。参入してすぐだとしても、少なくともお客さん以上の知識を既に持っているはずです。そのために「これくらいは知っているだろう」と前提を勝手につけて、お客さんに自分の商品・サービスを語ってしまいます。その結果、商品が売れない、ということになります。

マーケティングは下品？

商品・サービスに惚れ込んでいる人ほど、その傾向が強くなります。

で、商品・サービスが売れず「なんで分かってくれないの！？」とお客さんのせいにしてしまいます。また、もっと商品・サービスの品質を高めようとします。その結果、ますますお客さんとの距離が遠くなり売れなくなる結果に陥ると言うのに。。。

そして、そのタイプの人に「マーケティングをしましょう」と指摘すると「商品・サービスがよければお客がついてくるんだ」と一蹴します。マーケティングとは商品・サービスが悪いからやらないといけないもの、と勘違いしているのです。しかし、前述した通り、お客は知らないから買えないのです。

詐欺師の片棒を担いでないですか？

マーケティングとは売込みのことではなく、わからないお客さんに正しい知識を教えてあげることです。そして、その結果として、商品・サービスが売れるに過ぎません。

私からすれば、商品・サービスが良ければ良いほど、それを伝える義務が売り手にはあります。なぜならそれを伝えないであなたのメッセージをお客さんが受け取らなければ、良くない商品・サービスを手にしてしまうことになるからです。

商品・サービス力が5しかなくても5を伝えれば、商品・サービス力が10あるけど2しか伝わってなければ、当然、前者の方が売れるということです。つまり、極端な話、あなたの業界に詐欺師がいれば、あなたが売らないことで詐欺師がはびこることを許してしまうことになるわけです。

詐欺は極端にしても、本当に身体を治そうと思っているのに、有資格者のベテランの治療家のところに行かずに、マッサージを覚えて1週間のおばちゃんに身体を揉まれているようなものです。

あなたが本当に商品・サービスを素晴らしいと思っているなら。。。。（思っていなければ商売をすべきではないですが） もっとマーケティングに力を注ぎ、正しい知識、商品選択の方法を教えてあげないといけない、ということです。

追伸

今日の内容は「ザ・レスポンス」の読者にとっては当たり前のこと、かもしれません。でも、もしあなたがマーケティングを学んでもどうも実行できないとすれば。。。 マーケティングとは「売ること」と考えているからかもしれません。

マーケティングとは「正しいことを伝えること」とパラダイムを変えてみてください。そんな風に使命感を持てれば、実行できるようになるんじゃないでしょうか。