From:北岡秀紀
From:北岡秀紀
最近、立て続けにコンサルティングの依頼をお断りしました。理由は「売れないから」です。
私は、お断りする場合も日本人っぽい回りくどい断り文句を使わず、ハッキリ言う方針ですので、ご本人にも「私がお手伝いしても売れる見込みは非常に薄いですから、お断りします。」とお答えしました。
このお断りした後の反応も全員同じで、今まで私のご機嫌を取るような態度から一変、突然、オレは客だと言わんばかりの上から目線で「売れないものを売れるようにするのがあなたの仕事だろう!?」と抜かすおっしゃるわけです。(こんな風にコロリと態度を変えるタイプだろうなというのもお断りした理由なのですが、それは本人に言ったところで直らないですからお伝えしていません。)
でも、事実として売れない商品を売れるようにはできません。
世の中には売れない商品が売れるようになった、というようなストーリーがあふれています。またコンサルタントのサイトを見たら、そういう成功事例みたいなものが結構掲載されています。
でも、これらは売れない商品が売れるようになったわけではありません。売れる余地はあったけれども、売れてなかっただけです。それを売れるようにしてあげただけに過ぎません。
売れない商品と売れ「て」ない商品は、似て非なるものなのです。冒頭の私にコンサル依頼してきた人は、商品に惚れ込むばかりに、売れない商品と売れてない商品の区別がついていないのです。
(あくまで経験則ですが、売れない商品に異常に惚れ込むタイプの人は、何かあると掌を返したように態度を一変するタイプが多いです。それを知っていたからこそ、冒頭の人達を断ったわけです。商品に異常に惚れ込むのと愛情を持つのは全く意味が違います。コンサルタントの方はご参考に。)
では、どうやって売れない商品と売れてない商品を見分けるのでしょうか?
ダン・ケネディの3つのM
様々な方法がありますが、私は、ダン・ケネディが提唱する3つのMから判断することが多いです。
Market(マーケット):その商品を欲しがるお客さんがいるかどうか?当然、いなければ売ることはできません。
Massage(メッセージ):お客さんが「欲しい!」と思うようなメッセージを作ること。
Media(メディア):欲しがるお客さんにアプローチするための媒体はあるか?欲しいお客さんがいることがわかっても、彼らに自分たちのメッセージを届ける手段がなければ、お客さんがいないのと同じです。
この3つの観点からビジネスを見て、ひとつでもどうにもならないところがあれば、売るのは非常に難しいということになります。逆に改善さえすれば何とかなると判断すれば、そこを徹底的に潰していきます。メッセージの問題であれば、いくつか良さそうなメッセージを作ってテストしてみればいいわけですから、難度は最も低くなりがちです。
一方、今までとは違うお客さんにアプローチしたり、今までなかったニーズを掘り起こしたり、新しい広告媒体を提示したり・・・といったマーケットやメディアに対する方策は、一般に大きな費用や手間がかかることも少なくありません。
そういう場合は、体力や覚悟とのバランスを見て、やるかやらないかを決めていきます。
諦めるためにやる
ここで問題になるのが、3つのMから「難しい」という答えが出たときです。もちろん自分が良いと思った商品ですから、何とかしたいという気持ちはわかります。でも、どうにもならないものは、どうにもならないのです。あるところで諦める、やめるという意志決定をすることが必要になってきます。
理性ではわかるけれど、それがなかなかできないとウジウジしてしまうなら、期間を決めて思いっきりやってみて失敗するのも手です。
「やめられない」というのは、「まだ何かやれることがあるのでは?」「もう少しがんばれば・・・」という思いが残っているからです。であれば、あと3ヶ月なら3ヶ月と決めて、血尿が出るまでやってみることです。
もちろん自分が取れるリスクの範囲内ではありますが、「これだけやってムリなら仕方がないな・・・」と期限内に思えるように働くのです。
諦めるためにやるというのは合理的ではないですが、自分を納得させて、次にいくためには使える手です。
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