From:小川忠洋
西宮のスタバより、、
先週「クオリティかクオンティティか?」という話をしたが見てくれたかな?スティーブジョブズは1発のホームランは2回の2ベースに勝る、、、という事を言っていた。
世の中にはこのように2つの対立する考えがある。
A:クオリティはほどほどにして量産を考えるべし
B:量より質、クオリティに徹底的にこだわるべし
はたしてどっちが正しいのだろうか?まぁ、こいうふうに単純化することはできないんだが、、、例えば広告・マーケティングの世界に限って考えてみてはどうか。
白井さんは「当然クオンティティだ」と言う。匿名さんは「車の両輪みたいなもんでどっちも大事じゃないの」と言い、水野さんは「クオリティが最優先ではないでしょうか。」と言う。はたしてどれがいいんだろう・・・
これウチの事業部でも、昔よく話題になったんだよね。例えばセールスレターの制作にあまりエネルギーをかけずにほどほどのモノを作って、それをたくさん出す方が、事業としては安定するんじゃないのか。。。とか思っていた事業部がある。確かにその事業部は業績が安定した。。。
しかし、安定と言えば聞こえはいいが、停滞とも言える。他の事業部とくらべて成長性がとても低く、毎月、毎月、同じような事を繰り返している感じになった。・・・やってるメンバーも成長性が感じられないので何だかフラストレーションが溜まって、、、ううううん。。。という感じ。何が悪かったのだろうか?
これは広告の「質」を追い求めるのを止めたからなのか?
でも業績は安定してるっちゃー安定してる・・・一体なんだろう?
高いクオリティを求めて、セールスレターを書いてハウスリストにキャンペーンをしても、大抵、出る成約率ってのはある程度の範囲、上下プラマイ何割かのズレで収まる。50点から200点くらいの幅が現実的だろうか。
そうすると平均でがんばってやっても130点くらいのスコアだったとしよう。それなら、がんばらずに70点を2回やって140点にしたほうがいいのでは?
そう考えるのはとっても理にかなっている。
しかし答えはそんなに単純じゃなくて、ここで考えてみてほしいのは、ハウスリストだって事。ようするに既存顧客へのキャンペーン、プロモーションなどは、どれだけ広告のクオリティを高めても、だいたいの幅に収まる
ところが、一方で「新規客」への広告では、全く違う世界が広がる・・・
量を出すほうがいいという意見の理由で、「広告は目に触れる回数が多いほどいいから」というコメントがあったが、ここがポイントである。ダイレクトレスポンス広告において、広告が目に触れる回数が多くなるのは、その広告の「質」がめちゃめちゃ影響するのだ。
つまりクオリティ、質の高い広告をたとえ時間がいつもの3倍かかって作ったとしても、コンバージョンがほんのゼロコンマ数パーセントでもあがれば、、、万々歳で広告の出せる量は10倍とかに簡単になってくる。
PPCとかをやっていれば分かるがほんのゼロコンマ数パーセントの違いで、表示回数は鬼のように増やすことができる。
たとえば5000円の商品を販売していていコンバージョン率が1%だったとする。そうすると1クリックあたり50円の売上が立っていることになる。しかし、これが1.2%になれば1クリックあたり60円。この10円の違いで、広告を出せるところは大幅に増える。
下手な広告をいくら量産したとしても、残念ながら、広告がたくさん見られると言うことにはつながらない。それよりも少しでもいい広告を作れば一気に広がるポイントが来る。
もちろん現実的にはある時点から急激に増え出すのであって、予算が増えれば増えるほど比例して増えるわけではない。イメージ的には二次関数的に増えると考えてもらうといいかもしれない。
このグラフにあるように大量に出すためには少しでも右にいかなければいけないわけだ。少しでも右にいくには、ほんの少しでもクオリティをあげなければいけないのである。
だから先ほどの事業部が安定してても成長しないのは当然の話なのだ。つまり、ほどほどのクオリティのプロモーションを既存客にしているので既存客からは安定した収益があがってくる。
しかし、ほどほどの広告プロモーションを新規客獲得にもしているわけだから、新規客獲得はあんまりできない。つまり、常にある一定ボリュームの既存客からの収益だのみの商売になってしまっていたのだ。
つまり、広告はクオリティ重視かクオンティティ重視か?という話は、新規客向けの広告はクオリティ重視。既存客へのプロモーションはクオンティティ重視ということになる。
さあ。あなたはどう思っただろうか?
ーおがわ
PS:
ちなみに補足を。広告を作るような人はクリエイターで職人肌の人間。なので「そこそこの質でいい」というのは彼らのモチベーションを激落ちさせる。
最初はホッとするかもしれないが、何年も続けると内面から腐ってくる。そういう意味でも最高の質を要求するような仕事をしたほうが彼らのためにもなる。
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