From:ダン・ケネディ
From:ダン・ケネディ
今回お話するのは、あなたがこれについては気を悪くした経験があるかもしれないことです・・・セールス・・・
セールスを話題にするとき、まず思いつくのはセールスマンでしょう。
セールスマンを雇用している場合、あるいは将来的に雇用しようと考える場合、必ず営業管理の問題を抱えることになります。
たった一通のメールでは、営業管理問題を解決する方法について、説明を始めることすら満足にできませんが、セールスマンや流通業者、フランチャイズ加盟者と、より生産的な関係を築くのに役立つ、基本的で重要なポイントを何点かお話しすることはできます。
営業管理問題でお悩みの方へ
まず、セールスマンも人だということを覚えておかなければなりません。
成績や生産性に、マイナスに働く要因は、常に無限に存在します。
恐れ、不安、怠慢、憂鬱、個人や家族の問題、経済的問題、健康上の問題、自動車にからむ問題など、セールスマンを通じて販売を行っている場合には、これらの要因全てがビジネスに影響してくるのです。
営業部門の80:20の原則が変動する理由のひとつは、おそらくここにあると思います。
80:20の原則とは、売上の80%はセールスマンのうちの20%に由来するもので、問題の80%はセールスマンのうちの20%に由来するというものです。
それぞれの20%が同じセールスマンでなければ、それはビジネスの健全な姿であり、同じになるということはめったにありません。
では、実際に営業管理の問題をどう解決すればいいのでしょうか?
セールスマンを管理する方法
セールスマンを雇用していると、絶対に避けられない問題。
それは、営業管理の問題です。
セールスマンを管理するということは、実際には3つのはっきりと異なる状況に対処していることを意味します。
1.意欲的なセールスマンにピークパフォーマンスを出させるコーチングを行うこと。
2.月並みな成績の人に、やる気を出させるよう努めること。
3.成績の低いセールスマンを頻繁に解雇し、入れ替えること。
ではまずは、成績の低いセールスマンへの対応から始めましょう。
大半のマネジャーは、成績の低いセールスマンに多くの時間を取られ、成績優秀なセールスマンにはあまり時間をかけていないのが実情です。
成績が不充分であっても、そのセールスマンの解雇を先延ばしにするマネジャーが多いのも事実です。
仕事に対してやる気がないことが明白であったり、能力を発揮することができなかったりする状況にある場合、その人を引き留めておくことは誰のためにもなりません。
事実、解雇することが本人のためにもベストなのです。
本人もおそらく解放された気持ちになるでしょうし、自分の個性にあった職業を自由に探すことができるようになります。
会社組織のためにも、他の社員の精神的な健康のためにも、それが最善策なのです。
組織において必要に応じて解雇を実施することは、不満足な成績は容認されないということを明確に伝えるよい機会になります。
私は自分のオフィスのひとつに、「豚に歌うことを教えることなかれ。それは豚を困らせるだけで、無理にしようとすれば泥をかけられるだけだ。」と書かれたポスターを隠し持っています。
つまり、経験が不十分な上に、やる気もないために、時間をかけて勝者となれるよう導いてやるだけの価値がない人もいるということです。
多くのマネジャーは、平均的な成績のセールスマンに多く時間を割いています。
そうした平均的セールスマンは、期待には何とか応える成績は残すものの、成功を保証してくれるまでには至らないものです。
そして一方では、営業成績の80%を稼ぐ優秀なセールスマンたちは、マネジメントからは無視されています。
売上を急拡大させる近道とは?
では、マネジメントから無視されていることが多い成績優秀者、つまりハイ・パフォーマーに話を移しましょう。
急速に売上を伸ばしたいと考えているのなら、それを達成する近道は、平均的グループから好成績グループに注意を移すことです。
平均的な成績のセールスマンを成功に導くより、成功している人を更なる成功にむけて指導する方が遥かに容易なのです。
しかしながら、結論を言えば、真にやる気を出してもらうには自発的なものしかありません。
他人の考えをコントロールすることは不可能なのです。
私たちには、純粋に外からの影響の範囲内で彼らをやる気にさせ、その状態を維持させることしかできません。
営業のプロが最高の成績を修めるためのモチベーションは、自発的なものによることが多いのです。
マネジャーや経営者として、あなたは、自発的なモチベーションを発揮しやすい環境を整え、その機会を提供し、モチベーションの高いセールスマンが利用するための良いビジネスツールを提供することに専念するべきです。
説明責任もまた重要です。
セールスマンから、詳細で頻繁な報告をさせる必要があります。
それによって、彼らのパフォーマンスの強みと弱み、フォローされていない見込み客、あるいは見込み客のタイプ、カスタマーサービスの問題、そして事前に回避、修正できる状況といったものを明確に把握し分析できるようにするのです。
マネジメントにとって最も重要で困難な仕事は、販売の最前線では何が起きているのかという正確な情報の把握にあります。
セールスマンにやる気をおこさせ、報酬を与えるためにコンテストやインセンティブを用いることを好むマネジャーもいます。
こういったプログラムを実施しても、大抵の場合は、期待はずれの結果にマネジャーが落胆することになります。
私は、これらのプログラムを構成する際に、よく起こす間違いに気がつきました。
コンテストやインセンティブの多くは、最終結果、売上高、顧客数等に基づいて勝敗を決めています。
しかし、コンテストの目的が、セールスマンをやる気にさせること、指導に結びつけること、行動によい変化をもたらすことなどいくつもある場合、結果そのものよりも、望ましい結果をもたらす過程の方に重きを置くべきなのです。
たとえば、コンテストの点数は、新規に登録された顧客の数に基づいて決めるのではなく、条件に見合う見込み客に対してどれだけの数のプレゼンテーションを行なったかに基づくべきなのです。
ダン・ケネディ
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