トップ > ブログ >  > コントロールv.s.テスト

コントロールv.s.テスト

  •  

From:小川忠洋

From:小川忠洋

先日、ウチの事業部のメンバーとミーティングしていて、思うところがあったので、以下の社内メールを流した。たぶん、あなたにも役立つだろうから、今日はこれをシェアしようと思う…**以下、社内メール**

最近、思うこと。

ウチはマーケティングを強みとしているのに、
マーケティングを改善、変更、テスト、改善、変更、テストを繰り返すことが少ない。

そして、逆にプロダクトを変更することが多い。
プロダクトのパッケージとかそういうのを変えることが
とても多い気がする。

アゴラ出版という会社がある。
マイケル・マスターソンの本に出てくる年商600億くらいの
ニュースレター出版社、ダイレクト・レスポンス・マーケティングのスター的会社。
この会社のDMはとても研究に値する。史上二番目のヒットである
End of Americaもここが出した)

ここはダイレクト・レスポンス・マーケティングを徹底してやっているだが、
一体どんな事をやっているか?

新しい商品を次から次へと出して、ヒットする商品が
出るのを待つのか?

違う。

そうじゃなくて、ここがやっているのは、
1つの商品に対して、年に4回の新しいプロモーションをテストする。

業界用語で上手くいってるプロモーションを
「Control コントロール」
と言い、それに対してチャレンジするのを
「Test テスト」
という。

つまりこの、コントロールV.S.テストの勝負を
1年に4回やっているということ。

例えば、1つの商品、ウチでいうと
ジェームススキナーの成功研究会とかがある。
あれ、現状のセールスレターは確か4,5年前に
おれが書いたやつで、そこから何一つ変わっていない。
(一方で商品を追加しようという動きはたくさんあった)

その商品に対して、年4回、つまり3ヶ月に1回は
新しいセールスレター、新しいアイディア、新しい訴求ポイント
などをテストするわけだ。

これがどれだけ凄いことかは、
実際にやっているみんなが良く分かるだろう。

ウチの場合、年に4回も試さないどころか、
1回作ったら、それっきりじゃないだろうか?

そして、反応が鈍ってきたら何をするか?
商品のパッケージを変えたり「もうこれは反応がない」
とか言って、次の新しい商品を作ろうとしないだろうか?

新商品が悪い、出すべきでないという意味ではない。
ただ、新商品というのは、ニュース・トリガーがあるのと、
既存のファン客などがいるので、必ず一定数は売れる。
となると、安心、安全なのでそっちに頼りがちになるという事だ。

そうなると何が良くないかというと、
「新規獲得」ができない、あるいは少なくとも弱くなる、、、
ということが起きる。

なぜなら新規獲得は”反応の高い、ヒットする”プロモーションor広告が
必要で、それらを作るのは、プロモーションのテスト改善の繰り返し
しかないからだ。商品の変更の繰り返しをしても反応は上がらない。

昨日、事業部のAさんと話していたら
彼が年間のプロモーション計画を作ったから見て欲しいと言ってきた。
その計画を見ると、それはプロモーションの計画ではなく、
”プロダクト”の計画だった。
新商品のリリース予定しか書かれていなかった。

他のBさんと話したときは、
A商品のパッケージを変えて売れるようになったから、
他の商品のパッケージも同じように変えればいいんじゃないか?
というような話が出ていた、

しかしA商品が売れるようになったのは、最近プロモーションを変えた
というのが大きな理由であって、パッケージを変えたからではなかった。
パッケージを変えても顧客に与えるベネフィット価値はそんなに変わらない
プロモーションを変えることでその価値がはっきりと顧客に伝わるようになった。

2,3ヶ月前に出版で世界一シビアな「社長力」養成講座
大ヒットしたのも、広告を変えたからであって、
商品が電子書籍になったからでも、新しい書籍だからでもない。

プロダクトを作るのは楽しい。
そしてプロダクトを作るのは失敗のリスクがない。
(どんなもんでも絶対に成果物としての商品はできる。)

しかし、
広告、プロモーションを作るのはしんどい。
(いろいろ考えないといけない。調査しないといけない。)
そして広告、プロモーションを作るのにはリスクがある
(さんざんやっても上手くいかない確率の方が高い。
1ヶ月の仕事が水の泡。。。となるケースもよくある)

なので我々は、どうしても
プロダクト・フォーカスに偏りがちだ。。。

大切なのは、両方のバランスを取ること。

現状のわれわれは、
もっともっと、マーケティングの方に比重を
移さなければならない。。。

教訓;
「すぐにプロダクト変えるのではなくすぐにマーケティングを変えよう。
プロモーションを変えよう。アイディアを変えよう。」

ーおがわ

*******

どうだろう?役に立ったかな?僕ら、社長、起業家という生き物はどうしても、プロダクト・フォーカスに偏りがち…なぜってそっちの方が楽しいからだ。さらに、そっちの方が重要だと考えている(ま、ザ・レスポンスの読者にはあんまりいないだろうけど)

しかしどれだけ我々がマーケティング・フォーカスになっている、と思っていても「商品」の魅力は重力のように強いので、プロダクト・フォーカスになってしまう。

だから気をつけなければいけない。自覚しなければいけない。マーケティングこそが、あなたの仕事だということを…

ーおがわ

小川 忠洋

読者累計30万2163人を誇るマーケティングメルマガ『ザ・レスポンス』発行人、ダイレクト出版株式会社代表取締役社長。『ザ・レスポンス』の他にも、読者累計14万5000人の『デイリーインスピレーション』などを毎日発行。年間1億通以上メールマガジンを配信。日本ナンバーワン・マーケッターにも選ばれた神田昌典氏など、一流の経営者とも提携を結びビジネスを展開。著書に『自分を不幸にしない13の習慣』『フリーで利益を生み出す45の鉄則』『インターネットマーケティング最強の戦略』がある。

小川忠洋の記事一覧

ブログ一覧へ戻る

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

【ザ・レスポンス】の最新記事をお届けします

ページトップへ
Loading