From:ダン・ケネディ
From:ダン・ケネディ
短期的に考えて今すぐ必要なことだけでなく、長期的に考えてあなたが望むことについても考えて下さい。そしてその過程で、顧客やクライアントの価値についても慎重に考えて下さい。
あなたがどんなビジネスを経営し、どんな商品を揃え、どんなサービス組織を運営していても、しかも、流通網が存在するためにあなたが最終消費者から遠く離れたところにいるとしても、それでも長く成功し続けるためにあなたが頼りにすべきなのは、実際の消費者なのです。
ビジネスが保有できる最高の資産は、満足していて忠実な顧客を集めた顧客リストです。
では、小規模ビジネスの場合についてシンプルな例を挙げて説明しましょう。
フェニックスに越して来たばかりの時、私は、自分で買収できる可能性のある様々なビジネスについて調べていました。その中で、私の注意を引いたのは、フェニックスの繁華街の中心部のメインストリート沿いにあった書店でした。
よく観察してみたら、その店では、店の主要顧客、つまり、ビジネスマンや会社員向けの本の品揃えがあまりよくないということがわかりました。売り場はかなり広いのに無駄に使われていること、昼間店に出入りする客は大勢いるということもわかりました。
店からの提示価格は、通常の提示価格より少し高めでしたが、いろいろな数字をみればうまく行きそうに思えました。
でもその後で私は、問題の質問を投げかけました。「お宅の店の郵送先リストに乗っているお客さんの中で家の住所がわかっている人は何人いますか」
5年前から店を経営しているこの店主は、顧客の名前と住所を集めてメーリングリストに載せるなどという面倒なことはしたことがありませんでした。この店主は、過去の顧客にも今いる顧客にも直接リーチすることはできない、というわけです。
店主は、「ビジネスの価値は、賃借契約、家具や備品、店の商品、そして決算書で決まる」と思っていましたが、これは間違いです。彼は、こういうことはどれも、顧客がいなければたいした価値がないということをわかっていませんでした。
今度は、大企業について話をしましょう。あなたが新しく車やステレオや電化製品を買ったとします。その時あなたは、その製品のメーカーとは離れたところにいます。メーカーの代表、卸売業者、倉庫運営者、店や販売店などから構成される販売網が間にあるからです。
それでも、おそらく、製品には保証カードがついていて、それに記入した後メーカーに送るようになっていますよね。
どうしてだと思いますか。
理由の一つは、そうすることでメーカーは、誰が自分の会社の製品を買ったかわかるからです。後でこのリストを使ってマーケティングするメーカーも中にはいます。そうでないメーカーは、ただどうしたらいいかわからないままデータを集めているだけですが、少なくとも、顧客リストは持っています。
あなたは、経営する小規模ビジネスをマーケティングする際にマーケティングの目的や戦略を確立すると思いますが、その時には、顧客の価値について慎重に考えることを強くおすすめします。
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