大阪から東京に出てくると、戸惑う場面が非常に多いです。たとえば、真っ先に迷うのがエレベーターの立ち位置です。右か左か頭を悩ませています。
人の様子をみて、並んでもいいのですが、性格上、人の様子を伺うことは苦手ですので、えいやっ。と、立ちます。
(ときどき間違えているようですが、気にしない気にしない。)
次は、新幹線の改札を出た直後です。
◯◯線に乗るには、どこに行けばよいのかわかりませんので、頭上の標識を見ながら、お上りさんよろしく右往左往しています。
よく乗るのは、山手線ですが、時計回りと反時計回り、どちらに乗れば良いのかわかりません。
(マイナーな話をすれば、大阪の環状線でも内回りと外回りで迷います)
ですので、停車駅を確認しながら、ホームに上っていきます。
実は、ここで正直に告白しなければならない事実があります。
ホームに入ってくる電車はわたしの行きたい同じ方向に山手線ともう1つの路線の電車が入ってきます。
おそらく、山手線以外にも神田や品川に停車する路線があるから、2本入ってくるのだと思いますが、まだ、山手線以外、乗ったことがありません。(お恥ずかしい。。。)
なぜ乗らないのかというと万一、迷ったら嫌だからです。
迷うよりも確実な方を優先するのは守りに入っているためでしょうが、こればっかりは、なかなか難しいです。
でも、そのお陰で山手線に乗ると、ホッとします。
これで目的地に着けるという安心感ですね。
そこでようやく周囲を見回す余裕がでてきますので、顔を上げて、色々なことを見ます。
前に座っている若いお兄さんは大学生でしょうか、先ほどから、一心不乱にノートを見ています。
どこに出かけるのでしょうか?扉付近には、花柄ワンピースを着たきれいなお姉さんたちが楽しそうに会話をしています。
わたしの横には、スマートフォンでメールチェックをしている会社員が座っています。
左の奥には、祖母と母親そして、可愛らしい4歳ぐらいの娘の3世代が仲良く座ってあやとりをしています。
言葉以外は、大阪とあまり変わらない風景ですので、ようやくリラックスできます。
このように、人の観察をひと通り済ませると、
ついつい吊り広告や扉付近の広告をチェックしてしまいます。
注目を引くヘッドラインがあれば、今後使う可能性があるので手帳にメモしておくためです。
しかし、今回、手帳に残したメモは、そんな中途半端なものではなく、大変衝撃的なものに出くわしたことを記しています。
メモによりますと、ショックを受けた広告3つのポイントとあります。
ヘッドラインは、“靴を埋めると花が咲く”
ご存知の方も、多いと思いますが、すごいですよね。このヘッドライン。
えっ。何?どういうこと?
どうして、靴を埋めたら花が咲くの?
ですよね。間違いなく注意を引きます。
しかも、これ、TV画面ででていましたので、もうそのまま、画面に釘付けでした。
でも、どうしてでしょう。
ご存知のない方のために、少し説明しますが、土に埋めると花が咲く靴は、
生分解性といって、物質が微生物によって分解される素材でできた靴のことです。
どんな素材かといいますと生分解性のプラスチックやオーガニックコットンコルクなどでできています。
このマーケティングのすごいところは、
生分解性というエコな点だけを強調しているわけではなく、
靴の底に花の種を仕込むことによって使用済みの靴を土に埋めて、花を咲かせてください。
という強いメッセージが入っているところです。
靴底のどの部分に種があるのかわかりません。
靴がすり減っても種が無事なのかどうかもわかりません。
しかし、このメッセージがあるので、実際にやってみたい友達と話題にしたい社会に広めたいという気持ちがすごく湧き出てききます。
ましてや、エコな観点も入っていますので、公共性も抜群です。
社会性があり、公共性があれば、人もマスコミも飛びつきます。
わたしは見たことがありませんが、おそらくTVの情報番組で紹介されたこともあるでしょうし、フェイスブックやツイッターといったSNSでも話題となったことでしょう。
PR効果バツグンです。
靴底に種を仕込むというちょっとした遊びココロが
力強いメッセージを生み出している本当にすごい方法です。
本来、靴というものは、すり減ってもう使えなくなれば、ゴミ箱行きとなり、捨てられるモノです。
が、長い間、足を保護し、一緒にあちらこちらを旅したお気に入りの靴は、
愛着もあり、なかなか捨てることはできません。
しかし、この“土に埋めると花が咲く靴”は今までお世話になった靴を大切に埋葬することによって、庭にきれいな花が咲くわけです。
捨てなければならないが、なかなか捨てることができない不要品を再活用しています。
リサイクルが声高に叫ばれる中本当に素晴らしいです。
以上の3点に衝撃を受けました。とメモしています。
PRの見本のようなTV広告です。
東京に出てくると、色々と新鮮な体験ができるのでワクワクします。
ー中森清久
※あなたの取り扱っている商品にちょっとした遊びココロを加えて、
力強いメッセージを生み出すことはできませんか?
※※帰宅後、家内にこの靴の話をすると大阪でも同じ広告が出てたよといってました。
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