From:ダン・ケネディ
From:ダン・ケネディ
今日は私が尊敬している、本当の意味で他社より優れているアメリカの会社についてお話しします。なぜそんなにビジネスで成功しているのかも含めて、これらの会社について少し詳しくお話しします。まずは、”優秀さがない”とはどういうことかお話しましょう。優秀なところがない業界と言えば、ホスピタリティ業界です。アメリカのホテル/モーテル業界は、私に言わせれば、経営はお粗末だし、無神経で思いやりがないという、一番めちゃくちゃな業界です。
私は出張が多いので、私の会社はこれまで国中のホテルの会議室やコンベンションスペースを予約してきましたが、こうしたホテルに評価をつけるとすれば、その大部分は「悪い」と「非常に悪い」の間のどれかになります。だいたいは”客を大事にする”ということが、どういうことかわかっていないホテルばかりです。
こういう状況では例外がすごく目立つので、優秀なホテルについては細かいことまで思い出せるほどです。
会議やコンベンションの場所を提供しているホテルの重役や従業員のほとんどは、「ビジネスは、設備や真ちゅうの手すり、お風呂場の大理石、使用料や宿泊料、決算書で決まる」と考えていますが、これは間違いです。「ホテル業で大事なのは、顧客と顧客サービス」ということを忘れています。
テネシー州ナッシュビルのオープリーランド・ホテルでは、会議の議長を務める宿泊客に、襟につける、ギターの形をした金のピンをプレゼントしています。
ホテルの従業員は全員、「このピンをつけているお客様は、会議の議長を勤めるというプレッシャーがあり、他のお客様とは違うサービスを必要とされている、大切で重要なお客様である」と教えられています。彼らは、このピンをつけているVIPに対して迅速に対応するよう教えられているのです。
なぜ他のホテルもみんな、このアイデアを真似しないのでしょう?答えは簡単。他のホテルは、自分達がどんな業界にいるか本当の意味でわかっていないからです。
次に、本当に他より優秀な会社を数社、簡単に紹介します。
ナンバー1は、フェデラル・エクスプレスです。私の会社ではほとんど毎日、急を要する書類などのピックアップと配達をフェデラル・エクスプレスにお願いしています。
一度、コンチネンタル航空が振り出した小切手をコンチネンタル航空で受け取って配達してもらったこともあります。コンチネンタル航空でできなかった翌日の配達がフェデックスなら可能だったからです。私の経験からすると、フェデックスでは決して配達が遅れません。絶対に、必ず、翌日に配達してくれます。
でも、もっと重要なのは、フェデックスは顧客との関係を重要視している点です。例えば、フェデックスでは、新しい情報やパンフレット、冊子などを顧客に頻繁に送っています。
また、配達員もオフィスのスタッフも、フェデックスの従業員は、本当に素晴らしいです。フレンドリーで礼儀正しく、よく助けてくれるし、こちらの話を途中で遮らずによく聴いてくれ、突拍子もない問題や質問にも冷静に対処してくれます。彼らは、フェデックスを売り込んでいるのです。
私の会社のオフィスにいつも来るドライバーは、フェデックスの統計数字や新しく提供されるサービスや製品、事業拡大などに関する新しい情報を教えてくれます。こういうサービスは、偶然ではできません。
ナンバー2は、オマハ・ステーキです。これは、本当に信じられないくらい素晴らしい会社です。オマハ・ステーキでは、食品を通信販売しています。トウモロコシを与えて育てた最高品質のビーフも通販で買えます。
正直言って値段は高いですが、品質を考えれば納得です。しかし、この会社が素晴らしいのは、商品の品質を超えた手段にあります。この会社が顧客を大事にし、重要視していることが、明らかにわかる例を一つ挙げましょう。
私の会社では、1年を通じて、会社のお得意様に感謝の気持ちを込めて、オマハの商品の詰め合わせギフトを送ることがよくあります。昨年のクリスマスの少し前に、その1年の間に会社からギフトを送った人達のリストがオマハから届きました。
リストには、それぞれの人に送った物や時期、送ったギフトの値段が書いてありました。ただボックスにチェックを入れて用紙を返送するだけで、同じ人に同じギフトをもう一度送ってくれるようになっていました。
これは、いかにして、素晴らしいマーケティング戦略と顧客に対する真のサービス提供を同時に実施するかということを示す最上級の見本であると同時に、マーケティングのアイデアとしても本当に重要です。どうやったら、会社の商品やサービスのマーケティングと同時に、顧客に意味あるサービスを提供できるでしょうか。考えてみて下さい。
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