From:北岡秀紀
FROM:北岡秀紀
「お金を受け取ることに対する罪悪感」
『ザ・レスポンス』の中でも、何度も取り上げられているトピックです。
無意識のうちにお金に対してネガティブなイメージを植え付けられているから、価格をあげられない、堂々と請求できない・・・でも、お金をもらうことは単なる価値の等価交換なんだから罪悪感なんて持つ必要ない、と『ザ・レスポンス』の執筆陣が繰り返し言っていることです。
私自身も色々なところで同様の話をしています。
この話をすると、多くの人がその時は「そうですよね!」と納得します。
しかし、現場に出ると、結局、腰砕けになっている人が多いのもまた事実。
そこで手を変え品を変え、角度を変えて、これをお伝えしているのですが…
先日しっくりくるエピソードがあったのでそれを紹介したいと思います。
それはちょっとした浮気からはじまった・・・
私は、2ヶ月に1回ほどカイロプラクティックに行っています。
慢性的な肩こりとかそういうのではないのですが、何となく首と肩のあたりが重くなるのが2~3ヶ月に1回。
なので、重くなりそうだなぁと感じたら、カイロに行くという感じです。
ただ、いつも行っているカイロの治療院は、家からもオフィスからも少し離れていて不便だと思い、ネットで検索し家の近所の治療院に浮気する事にしました。
腕が良さそうとかそういうのはなく、単に家から近いという理由だけでその治療院を選びました。
実際に行ってみると、雑居ビルの一室。
そのビルの前は何度も何度も通っているのですが、こんなところに治療院があるなんて全く知りませんでした。
それもそのはず、ビルの前には目立たない看板がただひとつあるだけでしたから。
治療院に入ると、症状についてのアンケートをA4サイズで2ページにもわたって書かされました。
次に、血圧、身長、体重まで測らされました。
身体のゆがみがわかるようにと写真まで撮られました。
さらに、鏡の前で身体をひねったりさせられ、身体が正しく可動していないことを確認。
ベットに寝て、ちょいちょいと治療すると、あら不思議。上がりにくかった右腕がすんなり上がる。
で、図を見せられながら、
「あなたの身体は慢性的に歪んでいる状態です。治療で一旦戻りますが、身体のクセなのでまた歪んだ状態になります。なので、正しい姿勢が身に付くまでは週2回は来てください。だいたい1ヶ月くらい。それから、徐々に通院ペースを減らしていきましょう。」
そして、間髪を入れず「予定を決めましょうか。」と言われ、なんと向こう8回分の予約を取ることになりました。
なぜ単なる浮気のつもりが、本気になったのか?
それまで通っていた治療院の先生もいい方でした。
私は素人ですから腕の善し悪しはわかりません。
しかし、親身になって話を聞いてくれましたし、知識も豊富でした。
にも関わらず、私は家の近くにある治療院に浮気し、その治療院に週2回も通うという決断をしました。
それはなぜか?
通うべき理由を与えられ、通えと言われたから。
ただ、それだけです。
前述した通り、首や肩が重くなる周期に合わせて、少し早めにカイロに通っていました。
自己評価としては「お~予防してるオレってエラい」です。
しかし、新しい治療院で、慢性的に良くない状態であることを教えてくれました。
放っておくと、起こりうる可能性についても詳しく教えてくれました。
その結果「今までの予防は予防ではなく、ほとんど対処療法に過ぎない。もっと根っこから予防しないといけない」という価値観に変わりました。
「そのためなら、週2でも週3でも通いますよ!」という状態です。
お客の都合なんてない
この一連の話の中で、治療院の先生は「予定、大丈夫でしょうか?」とか「お金足りますか?」とか、私の都合を聞くような言葉は一切出てきませんでした。
私の身体の状態を良くするにはどうすればいいのか?
その1点だけに集中し、それに関連する話しか出てきません。
先生は、プロとして、やるべきことを淡々と伝えているに過ぎません。
その対価として、お金をもらうというだけで、それ以上でもそれ以下でもありません。
それを聞いて、お客の側が予定が合わなければ「合わない」と言うし、お金が足りなければ「足りない」と言うなり来なくなる・・・ただそれだけです。
医者が「あなたはガンなので来週の水曜日に手術します」と言って、「でも、予定大丈夫ですか?」とか「お金大丈夫ですか?」とか「価格は○○円ですけど…」とか聞きませんよね。
つまり、お客さんの予定のことを気にする、お金のことを気にする、という時点で、その道のプロとしてのお客さんの問題を解決しようとする姿勢が欠けているのです。
・・・そんな風に考えれば、値上げすること、堂々と請求することができるようになりませんか?
「お金に対する罪悪感」頭では分かっているんだけど、感情的に納得できないなら・・・この考え方を一度試してみてください。
追伸
ちなみに今回の内容は
商品力を高めれば(治療院であれば技術を高めれば)、お客さんは自然とついてくる…
という話ではありませんよ。
念のため。
そういうフレームで読んだら、最悪の結末になります。
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