From:北岡秀紀
FROM:北岡秀紀
今日、あるファーストフード店でハンバーガーを食べていたところ、トレイにふと目をやりました。
いつものような新商品の広告ではなく、ちょっとイイ話的なことが書いてありました。
その内容はこうです。
マヨネーズが好きではない女性が、マヨネーズ抜きでハンバーガーを注文しました。
するとスタッフが席までやってきて、「ちょっと違うマヨネーズなんで・・・」と言ってきたのですが、結局この女性はマヨネーズ抜きでいい、と断りました。
で、このスタッフがハンバーガーを持ってきたときに、「ご迷惑かもしれませんが、良かったら試してください」と別添えでマヨネーズを持ってきました。
この女性は、物は試しにとマヨネーズをつけてみたら美味しかった。
みたいな感じです。
原本が手元にないので、完璧にではありませんが、話の大筋は変わっていません。
この話を聞いてどう思いました??
このハンバーガーチェーンは、「ちょっといい話」的に扱っているわけですから、このスタッフの踏み込んだ接客をスゴイでしょ?と言いたいんだと思います。
(もしかすると、マヨネーズの良さを語りたいのかもしれませんが。)
これは叱るべきです。なぜなら・・・
でも、よく考えて見てください。。。
これ本当に「いい話」なんでしょうか?
確かに「この女性」視点に限定すれば、いい話ではあります。
しかし、私が、このチェーン店の経営者なら、このスタッフを叱っています。
善意でやったことはわかっているので、怒鳴ったりはしませんが。
ましてや、それを「いい話」と称して、たくさんのお客さんの目にさらすなんて、その担当者の首を締めます。
(おそらく「いい接客をしていること」「マヨネーズのこだわり」を示したかっただけで、担当者は何も考えてないんだと思いますが。)
なぜなら・・・このスタッフがワザワザ席まできて、一度注文したマヨネーズ抜きを「やめませんか?」と来るワケです。
この女性が(同じチェーン店の)他の店でもし同じことを2回やられていたとしたら?
「イヤイヤ、前、他の店でも一度『いらん』って言いましたやん!?」
とクレームになる可能性もあるわけです。
たまたまこの女性は初めての経験だったから結果オーライだっただけで。
もしマヨネーズの良さを伝えたければ、席にワザワザ行ってという一度目の確認はいらないはずです。
ハンバーガーを持って行く時に「良かったら試してください。こういうこだわりがあるんで・・・」と伝えればいいだけです。
想像力を働かせよう
で、何が言いたいかというと、見込み客に対してもう少し想像力を働かせましょう、ということなんです。
特に「いい商品」を扱っている会社にこの傾向が強いのですが。。。
「ウチの商品は本当に素晴らしいから」と語り倒し、ついでに他の商品の悪さを伝えていく。
自分が伝えたい事を伝える。こういうマーケティングやセールスをしている人がやたらと多い。
でも、見込み客の立場になってみてください。
あなたがどれだけ本当のことを言っていても、
「自分の商品を売りたいから、そう言ってるんだろ?」
と思われてしまいます。
マーケティングもしくはセールスというのは、自分たちのメッセージを伝える方法論です。
しかし、メッセージを伝える方法として、一番大きな声を出せば勝ち、ではありません。
「伝える」ではなく「伝わる」
お客さんに「伝える」ではなく「伝わる」メッセージになって、はじめて勝てるものです。
そのためには、お客さんにどんなメッセージが伝わるのか?を想像する必要があります。
それが想像できれば、
自社の良さを伝わるようにするためには、その根拠も一緒に語る・・・
自社の良さの前に、お客さんにとっての(取り扱い商品分野の)良き先生になる・・・
良き先生になる前に、お客さんとの信頼関係を築く・・・
本やセミナーなんかで教えてくれるテクニックなんてなくても、売れてしまいます。
逆にこれがなければ、いくらテクニックを学んでも仏を作って魂を入れず、です。
使い古された言葉ですが、
「お客さんの立場になって」
もう一度考えてみましょう。
ー 北岡秀紀
お客さんの立場から必要とされる営業マンになる新しい戦略
(お客様の声)★★★★★ 豊田様 こちらから「セールスさせてください」ではなく、 お客様のところへ出向く30分前に読み返す、私にとっての必読の書になりました。 |
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