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経営者のワガママ

2012.4.20 | ,
  •  

From:北岡秀紀

FROM:北岡秀紀

一部ではやたら評判がいい「経営者本来の仕事に集中する方法」シリーズもいよいよ大詰めです。
今回からマーケティングを変えることで、経営者の働く時間を減らし、且つ、売上(利益)をアップする方法についてお話しします。

その方法はたくさんあります。
ただ、全てをお伝えしているとキリがないのでインパクトの大きな3つの方法をお話ししましょう。

まず第一の方法は付き合わないお客さんを決める、ということです。
経営者が無意識的にやってしまうのが、「取れる仕事を全部取る」というスタンスです。
確かに「目の前の売上をあげる」という観点からみれば、とても重要なことかもしれません。

しかし、そのために、本来、付き合うべきでないお客さんとも付き合うことになってしまいます。
その結果、そこに時間が取られ、経営者の時間がなくなることになります。
そして、長期的な成長を担う重要な見込み客と付き合えない。
だから売上アップできない。
その結果、目の前の仕事に飛びつく。
という悪循環に入ってきます。

また、往々にして、付き合うべきでないお客の方が時間やエネルギーを取られてしまいます。

つき合わないお客さんをハッキリ決める

では、付き合うべきでない客とはどんなお客さんなのでしょうか?

下記3つの観点で考えるといいでしょう。
・あなたの商品・サービスが最大限活かされないお客さん
・あなたの商品・サービスでは満足度が上がりづらいお客さん
・その他、あなたの基準に合わないお客さん

この観点から「どんなお客さんと付き合わないのか?」という基準を書面にして置いておくことが最も重要です。
何となく「こんな人とは付き合いたくないなぁ」と考えている人はいても、基準を明示する人はほとんどいないものです。

しかし、基準を明示することによって、目の前の売上のために本意でないお客さんから注文を取ると、何となく気持ち悪くなり、それが減っていきます。

どうやって基準を決めるか?

当然、「どんなお客さんと付き合わないのか?」という基準は、それぞれで違います。

ちなみに、私の会社の「付き合わないお客さん」の基準をあげると。。。
・コモディティ商品を扱っている
・リピート余地のない商品
・年商20億円以上
・金払いが悪い
・値切る
・担当者や社長の話が長い
・箸の持ち方がヘタクソ
・店員にタメ口を使う
・タバコを吸う
・価格以上のサポートを求める
・お金を持ってる自慢が話の端々に入る
・食べ物の好き嫌いが多い



etc

いかがでしょうか?

例えば「コモディティ商品を扱っている」とか「リピート余地がない商品」とか「年商20億円以上」というのは、私がコンサルティングに入って業績をアップできる余地が多いかどうかというところから考えた得意な仕事から出した基準です。
もちろんこれらでも細々とは業績アップ可能な方法はありますが、喜んでもらえるだけアップするかというと難しいことが多いからです。
年商20億円以上の場合、単価が大きくなるのでお金だけ見れば美味しい仕事と言えますが、社長と直接のやりとりでない場合が多く、スピードが遅いし担当の調整が面倒臭いというのもあるので断ります。

まァ、この辺は納得性が高い、と思います。

ワガママな基準を作る

逆に「なんで、こんなものが基準に入ってるの?」というものもありますね。
箸の持ち方とか好き嫌いとか。
これは今まで仕事で付き合った中で、自分がストレスに感じたり、うまくいかなかったパターンを分析して私なりに出した基準です。
ワガママ基準とでも呼びましょうか。
そういう身勝手な基準であっても、もちろんいいのです。

せっかく経営者になったのに、それでも自分がイヤな人と付き合うなんて・・・
何のために経営者になったの?って聞きたいくらいです。

ただし、基準を明示したからといって100%つき合わないかというとそうではありません。
例外として付き合うこともあります。
特に、ワガママ基準の場合は、その頻度が多くなるかもしれません。
それはメリットなどとの総合判断です。
私自身、一部、タバコを吸う人とJVもしています。それを上回るメリットや人間的魅力をその人に感じているからです。

とはいえ、自分の基準に照らしてハッキリと「例外である」と考えて付き合っているか、なんとなくイヤだなぁと付き合っているのでは、全く意味合いが異なるのはわかるでしょう。

経営者の時間は最大の資源

つき合わないお客さんを決めお客さんを絞り込むことの重要性というのは、このメルマガを読んでいるあなたであれば耳にタコができるくらい聞いていると思います。
その場合、マーケティングメッセージがより具体的になり、お客さんに突き刺さりやすくなるという文脈で伝えられます。

しかし、お客さんを絞る理由はそれだけではなく、限られたリソースをそこに集中しましょうという意味でもあります。
お金や人材は無限にはないので、どこかに集中することで強みとして磨き上げられます。

そして、その集中すべきリソースの中に、「経営者の時間」も当然含まれるということです。
こと中小企業に関して言えば、経営者の時間が最も業績に関わるといっても過言ではありません。

基準に合わない仕事を断るというのは、初めは相当の覚悟が必要になります。
しかし、長期的に見れば必ず良かったと思えるはずです。

お客さんを断る勇気、ぜひ持ちましょう。

ー 北岡秀紀

北岡 秀紀

マーケティングコンサルタントであり、コンサルタントを指導するコンサルタントでもある。これまで約900以上のクライアントのコンサルティングを実施し、数々の店・中小企業・オンラインショップの売上改善を果たす。その成功率は91.7%を誇る。(2011年10月現在)単に机上の空論ではなく、「自身で実証済みのノウハウだけを伝える」ことを信条としている。年商1億円を突破したい社長向けの情報サイト『オクゴエ!』を主宰。また、自身のノウハウを受け継ぐコンサルタントを育てるプログラムを主催しており、一人あたりの参加費は350万円という超高額にも関わらず、申込が殺到。参加希望者の77%以上を断っている。

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