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もうすぐ我が夫婦に、子供が産まれます。感動の第一子です。
これから生まれてくる可愛い赤ん坊を、今後の思い出としてずっと残しておきたいという思い、この人生における一大イベントに備え、ビデオカメラを購入することを決断しました。
まずは、どんなタイプのカメラがあるのか、インターネットで情報収集です。
とりあえず、
“ビデオカメラ”
と検索してみる。
ヒットしたウェブサイトを眺めながら、また検索結果の画面に戻り、別のウェブサイトを開いては、また検索結果の画面に戻るという動作を繰り返す。
ウェブ上にあるイメージでデザインを眺め、レビューを読み、どんなビデオカメラがあるのか調べていたつもりでしたが、10万円近くするものから、3万円程度で買えてしまうものまで、たくさんあるようですが違いがあまり分かりません。
HDR、HDC、CCD …
何かの英単語の頭文字を並べたようなものに、頭が痛くなりはじめた。
そんなとき、ふとデジタルムービーカメラという言葉が目に入ってくる。
『デジタルムービーカメラ?』
これならカタカナなので、何となく理解できる。
『ムービーだから、映画を撮るためのカメラなんだろうか?』
『そもそもビデオカメラと何が違うんだろう?』
そんなことを考えながら、
“デジタルビデオカメラ デジタルムービーカメラ 違い”
と、インターネットで検索してみる。
『おぉ! どこかの悩み解決系のサイトで、同じ疑問を持った人が、それの違いを質問をしている…喜』
デジタルビデオカメラとデジタルムービーカメラの違いを知らなかったことが、自分だけではなかったことに気が付き、ちょっとホッっとしながら、そのサイトの内容をクリックしてみる。
そこで初めて、デジタルビデオカメラはハードディスクなどに記録するので、大容量で高品質な映像を記録できるのに対し、デジタルムービーカメラはSDカードなどに記録するので、容量が少ない分、すこし画質が悪いが、そのぶん価格も安く、気軽に映像を撮れるらしい。
そこで、デジタルムービーカメラはデジカメとビデオの中間ぐらいと、勝手に納得する。
動画をパソコンやインターネット上に保存して、それを自分をはじめ、家族や知人にみてもらうというのが目的だったのと、それほどお金に余裕が無かったのもあって、気軽に使えるデジタルムービーカメラを購入することに…
今度は、
“デジタルムービーカメラ”
と検索。
すると、三○電機のカメラばっかりがヒットする。
ムービーカメラは、三○電機の独壇場なのか、若しくは、ムービーカメラという言葉を使っているのは三○電機だけで、先ほどの悩み解決系のサイトに書いてあったことが、ただのデタラメだったのかと疑問に思いはじめる。
とはいえ、デザイン的にも気に入ったし、使用用途を満たしてくれそうだったので、三○電機のザ○ティ というカメラに決定。
HPをみていると、そのブランドでもいろんなモデルがあるので、ちょっと迷ったが、あとは値段と相談ということで、次に、
“ザ○ティ 比較”
“ザ○ティ レビュー”
などと検索して、さらに調査を進め行く。
またしても、ヒットしたウェブサイトを眺めながら、また検索結果の画面に戻り、別のウェブサイトを開いては、また検索結果の画面に戻るという動作を繰り返す。
そして、ようやく気に入ったモデルと色が決定する。
『フーッ!』
ここまで、既にかなり長い道のり…
さて、ようやく自分が買いたいものがはっきりと決まったので、あとはどこで、どの価格で購入するのかを決めるだけ。
またまた、検索結果と販売サイトの往復がはじまる。
このサイトは、ちょっと値段が高い。
このサイトは、なんとなく怪しい。
…
このサイトは、発送をすぐしてくれない。
このサイトは、支払方法に代引きがない。
…
このサイトで買うと決めたのに、購入ボタンがみつからない。
このサイトで買うと決めたのに、決済画面でユーザー登録と、メルマガ登録と、余計な個人情報の入力を強いられた。
…
そんなことを繰り返しながらも、ようやく理想のサイトに出会い、希望の商品を購入することに成功。
めでたしめでたし。
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カメラではないにしろ、インターネットで買い物をする時に、これに似た経験をした人って、結構いるんじゃないかと思います。
ここで大事なのが、上記のストーリの中で、一人の人間が何度検索エンジンを使ったのか、考えてみて欲しいのです。
そして、1回目の検索、2回目、3回目、、、 それぞれのステージで、そのような目的の変化と、心理的な変化があったのか、考えてみてください。
もしあなたが、この商品をインターネット上で売っている立場の人間だったとします。
どのタイミングでPPC広告を出すのがベストでしょうか?
デジタルムービーカメラという言葉を知る前に、広告を出してあなたのサイトをみてもらっても、おそらく購入には至っていなかったでしょう。
それでは、もしあなたが、比較サイトを運営していて、アフィリエイトで商品を紹介する場合はどうでしょう?
有難いことに、お客様がどのステージにいて、買い物をする準備が出来ているかというのは、検索キーワードに注目すれば、みえてきます。
はじめは “ビデオカメラ” という漠然とした検索からはじまり、検索を重ねるごとにより具体的になり、最終的にはモデル名とモデル番号で検索するところまで至ります。
それから、このストーリーには、ポイントがもう一つあります。
買いたいものが明確になって、いざ購入しようと決めてからみたサイトがたくさんあるのに、そこで買い物をしなかったという点です。
・このサイトは、ちょっと値段が高い。
・このサイトは、なんとなく怪しい。
・このサイトは、発送をすぐしてくれない。
・このサイトは、支払方法に代引きがない。
・このサイトで買うと決めたのに、購入ボタンがみつからない。
・このサイトで買うと決めたのに、決済画面でユーザー登録と、メルマガ登録と、余計な個人情報の入力を強いられた。
あなたのサイトが否定された理由は、一つではないかもしれません。
・ユーザーが何を求めているのか
・ユーザーは誰なのか
・あなたのサイトに辿り着く前に、どんな経験をしたのか
もう一度ユーザーの立場になって、あなたのサイトをみなおしてみましょう。
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