RAS(Reticular Activating System : 網目状神経系)という言葉をご存じでしょうか?
RASという神経細胞ネットワークが、脳に取り込む情報の取捨選択を行なっていて、これが目的意識を持つことにより、それに関する情報が集まってきたりする仕組みです。
例えば、あなたが数人の友人と一緒に、何かのパーティーに参加したとしましょう。そこで、友人のAさんと会話している時のことを想像してみてください。
当然、パーティー会場なので、自分のまわりでもいろんな会話が飛び交っていて、Aさんと会話している時であっても、他の会話も耳に入ってきます。ただし、あなたは今、Aさんと話しているため、他の会話に注意は行き届かず、雑音として聞こえてくる程度の状態です。
ところが突然、Aさん以外の会話で、あなたの名前が挙げられたとしましょう。
この瞬間、あなたの注意の矛先は、あなたの名前が挙がった会話に向けられます。
いままで雑音としてしか伝わってこなかった、Aさん以外の会話の方が気になって仕方がなくなるのです。そして今度は、自分の名前が挙がった会話の方が気になり、Aさんとの会話の方はもう耳に入ってこない。
これに似た経験をしたことが、あなたにもあるでしょう。これこそが、RASが働いている仕組みなのです。
もうひとつ例を挙げてみたいと思います。
今から、約1年半前のこと… 僕の嫁が妊娠していることが発覚しました。
それ以来、嫁と街に買い物に行ったりすると、不思議なことに妊娠している女性や、赤ちゃん連れのカップルとかが、やたら目につくようになったのです。
そして、嫁とこんな会話を交わしていました。
「あの人、妊娠何ヶ月ぐらいやろうね~」
「あんなベビーカーが欲しいな~」
などなど…
突然、妊娠している女性や、赤ちゃん連れのカップルが大量発生したわけではありません。僕自身の意識が変わってしまったために、自然とそれが目に入ってくるようになったのです。
これも、RASの一種です。
インターネット検索でも同じようなことが起きています。
あなたがなにかキーワードを使って検索したとき。
あなたは検索結果のページをみながら、意識はしてないのですが使ったキーワードが既に脳の中に組み込まれているため、潜在意識の中で自然とそのキーワードを探しているのです。
広告を出す側の立場の人間であれば、これを上手く活用することができます。
つまり、広告主であるあなたは、その検索キーワードに合わせた広告を用意してあげれば、お客様はその広告をクリックしてくれるというわけです。
例えば、ダイエット商品を売っている場合でいえば、『ダイエット』と検索してきた人に対しては、『良いダイエット方法があります』という広告が有効だし、『痩せる』と検索してきた人に対しては、『良い痩せる方法があります』という広告を出した方が、良い反応が取れるのです。
ほんの少しのことだと思うかもしれませんが、この差がPPCの世界では大きくものをいいます。
なぜかというと、検索した人のクリック率がこれによって大きくアップするからです。PPCの世界では、クリック率の高い広告に対しては、優遇されるというシステムをご存じでしたでしょうか。
つまりは、高いお金を払ってさえいれば多くのビジターを呼ぶことができるというのではなく、賢い奴がそれなりの特権を受け、安いお金で多くのビジターを呼ぶことができるのがPPCの世界なのです。
PPC広告というのは、ニッチを探してそれに向けて的確なメッセージを送り、安いお金で多くのビジターを獲得できる、最高のダイレクトマーケティングツールなのです。
それを実現させるためには、つまりはキーワードに合わせて広告文を表示させるためには、キーワードのグループ化をするのが必要不可欠なのです。
広告を出したいキーワードを可能な限りたくさん選んで、ひとつのグループにそれら全部を設定しているアカウントを山ほどみてきました。
PPCの広告文は、グループごとに設定できます。
もし、ひとつのグループに選択したキーワードのすべてを詰め込んだら、それらのキーワードで検索した時に表示される広告は、そのグループに設定した広告文ということになります。
「売りたい商品・サービスが同じだし、ランディングページも同じなんだから、広告文も同じで良いじゃないか!」と思う人もいるかもしれないが、これが大きな間違いなのです。
PPCのグループ機能を活用して、検索キーワードに合わせた広告文を作りましょう。
鷲見
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