From:ダン・ケネディ
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前回のメールでは、難しい苦情に対応するための5つのステップの内、最初の2つについて話しました。復習しましょう。では、今回は残りの3つについて話しましょう。
#3:アクティブ・リスナー(積極的な聞き手)になれ。
一つ目の理由は、苦情対応においては、話すことよりも聞くことの方が、ずっと重要だからです。
お客としては、途中で話の腰を折られることなく、自分の話を最後まで聞いて欲しいと思っています。
苦情を聞かされる方としては、1分がまるで永遠のように感じられるかもしれません。でも、そのように時間が長く感じられたからといって、我慢できなくなってしまってはいけません。
二つ目の理由は、アクティブ・リスニング(積極的に聞くこと)によって、お客の話に関心を持っていることを、お客に分からせることができるからです。
お客の話に心から関心を持ったアクティブ・リスナーとなることで、お客に敬意を持っていることが示せるのです。
お客は自分が大切にされていると感じ、あなたが問題に対処すると約束した時に、その約束が信用できると感じるのです。
アクティブ・リスナーになるために、できることはいくつもあります。
有効なボディー・ランゲージ(身振り)を使うこと。背筋を伸ばして座るか、あるいは、身を乗り出しても良いでしょう。時には、うなずいたり、あいづちを打ったりして、お客の話を促します。「続けて下さい」とか「良く分かります」などと言うのです。さらには、メモを取るのも有効です。
#4:顧客の個性に合わせること。
人によって性格がそれぞれ違っていることは、みんなが分かっていることです。
事実や数字、技術的な説明に関心を示す、非常に論理的、分析的な人もいます。あるいは、とても感情的で、人間関係を重視する人もいます。また、いつも結論を急ごうとする、せっかちな人もいます。
非常に論理的な人に対しては、このような言い方ができます。
「弊社の取引の大半は、リピーターのお客様とのものです。ですから、いかなる理由にせよ、お客様を失うことは我々にとって極めて深刻なことなのです。そういう理由から、私がこの状況を改善するために、精一杯、努力するということを、信じていただけるものと思います。」
とても感情的な人に対しては、こんな言い方ができます。
「私は、お客様との関係をとても誇りに思っています。あなたのために、この問題の解決に全力を尽くすことをお約束します。」
もし、冷静で分析的な人に対して感情的なアプローチを行なったり、あるいは反対に、感情的な人に対して論理的なアプローチを行なったりしても、話は上手く進まないでしょう。
その顧客がどのようなタイプの人物かは、その服装や振る舞いから感じ取ることができます。たとえ、電話で話していても、どのような言葉遣いをするかから、その人の性格についてヒントが得られるでしょう。
少し考えてみれば、この考えが、簡単に利用できるものだということが分かるでしょう。この考えを利用することで、仕事がもっと面白くなるかもしれません。
#5:確約が得られるまで、客の怒りは収まらない。
このことを説明するには、例を挙げるのが分かりやすいでしょう。
あなたが自分で組み立てる本棚を買ったとしましょう。重い箱を車まで引きずって行って、家に持って帰り、今度は箱を家の中まで運び込みます。箱を開けて、説明書きを念入りに読んで、必要な工具を集めてきて、さて、いよいよ本棚を組み立てようとした時に、小さなビニール袋に入った部品が箱の中に入っていないことに気が付きます。あなたがお店に電話をかけて、店のマネジャーがこう言ったとします。
「どうすれば良いのか分かりません。その部品がどこで手に入るのか分からないのです。後でかけ直しますから、電話番号を教えて下さい。」
あなたはどう感じますか?このような対応に満足できるでしょうか?なぜ、これが不満なのでしょうか?
不満な理由は、もちろん、何の確約も得られなかったからです。何時までに返事をするという、はっきりした約束が無かったのです。
もし、店の経営者が次のように言ったとしたら、ずっと満足できるのではないでしょうか?
「どうすれば良いのか分かりません。その部品がどこで手に入るのか分からないのです。でも、この問題が解決できるよう、すぐにお調べして、今日の午後3時までに、必ずこちらからお電話させていただきます。電話番号をお教え下さい。」
もちろん、これでも理想的な、あるいは完璧な対応とは言えません。しかし、それでも、時間を確約することで、ずっとましな対応になったのではありませんか?
曖昧なまま何の確約もせずにいると、お客の怒りは収まりません。それどころか、さらに怒りが大きくなってしまうかもしれません。
具体的かつ明確な約束を示すことで、お客の怒りを和らげることができるのです。
ダン・ケネディ
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