From:小川忠洋
品川のスタバより、、、
4、5年前、まだお金が全然儲かってなかった頃、僕はある英語の教材を買った。2万円だった。買った理由は簡単で、他の教材に比べて断然安かったからだ。しかし、当時の僕にとっては2万円でも安い価格ではなかった。
英語もロクに読めないまま、英語でインターネットマーケティングを解説する教材を買ったのだから、それからが大変だった。高校のときに習った英語では全く理解できない。辞書を引きながら読んでいてはキリがないので、分からない所は読み飛ばし、分かる所だけ読んでいく事にした。
結果、1ページ読むのに数時間かかる事もあった。
それでも毎日、午後の3時くらいからは、その教材を片手に会社から出て、ずっと英語とにらめっこを繰り返していた。恐らく3ヶ月くらいずっとそれを読んでいたと思う。(いや、もっとかな?今となっては覚えていないけど)
そして、その教材に書いてある事を一つずつ実践していったら、結果が出るようになった。そして、インターネットビジネスの基本的な所を理解できるようになった。
一方、もう一つ、友達が読んで要らなくなった教材をもらったものがあった。これは5万円くらいするやつだった。しかし、僕はそれをほとんど読まずに本棚のコレクションの中に入れてしまった。(デカかったから本棚に入れがいがあった。)ちなみにこのコレクションは、1年くらい前に引っ越しした時に捨ててしまった。結局一度も読まずじまいだった。
何故、2万円の教材は3ヶ月以上かけて真剣に学んだのに対し5万円の教材は本棚に入ったままだったのか?
この答えはとても深いので考えてみよう。
意味はとても深いが、僕が読まなかった理由は簡単だった。お金を払ってないからだ。一つ目の教材は自分が実際にお金を払った。よく「自腹を切る」という言葉があるように、自分の財布からお金を払う事は痛みを伴う。そして、その痛み、つまり代償の引き換えとして何かを得るわけだ。
中身を考えてみれば、それは自分が払った代償や痛みと中身の質と言うのは全く関係ない。しかし、人間は自分の払った代償に対して価値が得られると言うとても根深い信念を持っているのでその通りに動く。
例えば、美味しい料理を食べる時でも同じ。
1万円のディナーコースと850円の定食では、1万円のディナーコースの方が味わい深いと思ってしまうのが人間というもの。しかし現実には値段を伏せて、目隠しをして食べたら850円の定食の方が美味しいと言う事だってよくある。
驚異のプラシーボ効果
医療の世界ではプラシーボ効果と言うものが知られている。
例えば、「頭痛に効く薬」だと思い込んで飲んだただの小麦粉は本当に頭痛に効く薬とほとんど同じ効果があるという効果の事だ。サイコサイバネティクス的に言えば、自分が現実だと思った事は現実になる。と言う事だ。
このプラシーボ効果は代償に対しても同じような効果がある。
つまり、「頭痛に効く10円の薬」と「頭痛に効く5000円の薬」では、全く同じモノであったとしても、5000円の薬の方が効果が出るというよう現象だ。
つまり、人は払った値段相応のモノが手に入ると言う事を強く強く信じていると言う事だ。
バーゲンで手に入れたダイヤモンドは通常価格で手に入れたダイヤと全く同じモノだという事実にも関わらず、僕らは自動的にバーゲン・ダイヤの価値を値引きして考えてしまう。
無料と2万円の違い?
僕が当時では痛かった2万円を払って教材を買ったとき、その代償に見合うものが手に入ると潜在的に信じていた。だから、その代償に見合うものを手に入れようと必死になって勉強した。
そして、結果として、それに見合うモノ、いやそれ以上のモノが手に入った。
一方、タダでもらった教材には、頭では5万円相当の貴重なノウハウが入っていると分かっていたつもりだが、潜在意識では、タダで手に入れたモノにはタダの価値しかないと考えていたのかもしれない。そして、まったく代償を払わずに手に入れたモノからは必死になって勉強するどころか、パラパラ見た程度で終わってしまった。
そして、結果として、タダ相当のモノしか手に入らなかった。
今、インターネットではたくさんの価値ある情報が無料で手に入れる事ができる。有料で売ることができるような価値ある無料レポートもたくさん出ている。しかし、本当に価値を手に入れる事ができるのは、自分自身が代償を払った時が一番大きい。
僕も無料レポートはたくさんダウンロードして持っているが、実際、真剣に読むのはほとんどない。単純にMACのハードディスクを占領するだけのファイルに成り下がっているモノがほとんどだ。(幸いな事に最近のハードディスクには大量のデータが入る。)
この事から、本当に価値を引き出したのであれば、
代償を払って手に入れた方がいい。
と言う事が分かる。なので、僕は後輩にアドバイスする時やセミナーなどでも言うけど、何らかの教材を買ったり、技術を身につけたい時は、自腹を切って代償を払って手に入れた方がいい。その方が長期的に見ると遥かにリターンが大きいのだ。
自分に対する投資をケチってはならない。
自分への投資をケチればリターンもケチケチしたものしか返ってこないだろう。リスクを取って投資をすれば、リターンもそれ相応のモノが返ってくる。人生に時間は限られているのだから、その方がはるかに早くゴールに辿り着くだろう。
さて、これを販売する側の立場から考えてみよう。
あなたが販売者側の立場だとすれば、これはとても貴重な情報をもたらす。ぶっちゃけ文脈から分かるように、この情報を無料で提供するのは逆にあなたの為にならないかもしれない。
だから、やめとこうか?
ウソ。ウソ。冗談だよ。
あなたがこの情報から価値を引き出してくれる事を願って、続きを書く事にするよ。
つまり、この心理を販売者側から見ればどうなるかと言うと、答えは簡単だ。
価格を上げた方がいい
と言う事。ほとんどの起業家、ビジネスオーナーは価格を上げる事にとても大きな抵抗を持っている。実際、僕自身もその一人だ。しかし、これらの話から分かるように価格が高い方が、実際の所は満足度も高く、提供できる価値の大きさも大きくなる。
もちろん。価格を高くする事で提供できるサービスのキャパが広がると言う事もそれに含まれるが、、心理的にあなたのお客さんがあなたの商品/サービスから価値を引き出す事にもっともっと積極的になる。
だから、価格を上げる事を恐れる必要はない。確かに成約率は下がってお客の絶対数は減るかもしれない。売上も下がるかもしれない。しかし利益はどうだろう?いくら売っているというのは実際の所あんまり意味がなく、ビジネスで本当に意味があるのはいくら残っているか?つまり利益だ。
素晴らしいサービスを提供して、高い顧客満足を提供している所は、みんなプレミアム価格をチャージしている所だ。(飛行機のファーストクラス、リッツカールトン、レクサスやロレックス、ダンケネディやジェイエイブラハムのセミナー、などなど)
だから、怖がる必要はない。
僕ら人間は、払った代償のモノしか手に入らないのだから。
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