From:北岡秀紀
FROM:北岡秀紀
前回の記事で、競合というのは、一般的な意味での競合だけではないというお話をしました。お客さんに同じ結果をもたらす商品・サービスも競合であるのでしたね。
一般的な意味での競合を直接競合。同じ結果をもたらす競合を間接競合、と呼びます。
例えば、ダイエットサプリの通販を運営していて、他のダイエットサプリの会社が直接競合。同じ「痩せる」結果を得られるフィットネスジム、エステなどが間接競合です。
これを意識するだけで、メッセージが一気に変わるなど、マーケティング上のメリットが大きいというお話をしました。
ご自身の間接競合は考えてみましたか??もしまだなら、ぜひ時間をとって考えてくださいね。
さて、前回、直接競合、間接競合だけではない、もうひとつの競合(第三の競合)というのも存在する、というお話をしました。その競合とは?とコメントをお願いしたところ、8件ほどいただきました(8月15日13時現在)
ありがとうございます。
それぞれ含蓄に富んだコメントばかりで、みんなよく考えられているなぁという印象を受けました。
「第三の競合」候補
一番多かった答えが、『「何も買わない」というお客さんの心』。ぱないさん。ピクルさん。タッチさん。の3票。
この答え、私はかなり好きです。
「競合ばかりみてないで、しっかりお客さんを見ろ!」という教訓もこもっていて、ちょっと文学的でもあります。
ですが、競合というニュアンスとは少し違いますね。その意味では「第三の競合」とは言いがたい。
「0番目の競合」なら、アリだと思いました。うん、この言葉。次のセミナーで使おう(笑)
次に「おぉ~」と思ったのが大和さんのコメント「新しい産業。マイクロソフトにとってのGoogleみたいな」
確かに。そういうのがバンバン現れる時代ですから。とはいえ、これをあらかじめ想定してどうこう、というのは相当難しそう。(唯一、方法はあるのですが、また別の話になるので、また別の機会に。)なので、今回の答えとは違う、とさせていただきました。
そして哲学的なのが、「自分自身が持つ固定観念、既成概念」というウッチーさんのコメント。競合というニュアンスとは違いますが、固定観念・既成概念を突破するのは売れるマーケティングのためには重要な要素ですね。
それから、鈴木昌行さんの答え「支持している人(愛顧者)はだれか?」。こちらもマーケティング的には非常に重要な要素です。ただ、競合と言うニュアンスとは違います。
全部、正解にしたいのですが、全員正解だとクイズにならないので。。。今回はひとつに正解を絞らせていただきました。
「第三の競合」とは?
シミズさんのコメント。
「ディズニーランドや温泉旅行、はたまた家電や洋服など、自分の商品を買うのに使うはずだった「お金を使われてしまうこと」全般でしょうか。」
ハイ、私が言いたかったのはコレ。
どうでしょうか?意外と想定したことがなかったんじゃないでしょうか?
いわば「財布の競合」と呼べるものです。
キャバクラのため?
一番、分かりやすいのがお父さんの小遣いでしょう。サラリーマンの小遣いの平均が約3万円。
その3万円の中で、ケータイ代、昼食代、飲み会、趣味の費用をまかないます。ですから、趣味のキャバクラに行くために、昼ご飯を切り詰めコンビニのおにぎり一個。お茶は水筒で家から持っていく・・・という涙ぐましい努力をするわけです。
もちろん小遣い制であろうがなかろうが、お客さんの財布に入ってくるお金には限りがあります。なので、他の会社の商品を買う代わりに、自分の商品を買わない・・・なんていう選択もされてしまいます。
法人向けビジネスもそう。額は大きいですが、大抵は予算があります。限られた予算の中から、どれだけ自分の会社の商品でシェアを取るのかが勝負になります。
一番恐ろしいこと。。。
第三の競合が恐ろしいところは、その存在に気付いていないこと。こちらからは何と比べられてられているかが全くわかりません。それだけならまだしも、比べられていることすら気付いていないことが大半です。
そして、比べている本人も気付いていません。例えば、以前、私が開講していた起業講座は、実はキャバクラに負けていたことがわかりました(笑)まず想定していないですよね?
そして、お客さん自身もキャバクラに行くときに、「あ~起業講座どうしよう??」とは思ってない訳です。
お客さんですら気付いていない「財布の競合」に気付かないといけないわけですから、相当難度が高い、と言えます。
とはいえ、私たちもプロの商売人。どんなに困難な状況でも「財布の競合」に気付かないといけません。
それは具体的にどうすればいいのでしょうか?
極論を言えば、世の中にある全て商品が「財布の競合」とも言えます。しかし、その中でも、共通する財布の競合というものが見つかります。
それを知る方法は単純。お客さんがお金を何に使っているのか?聞く。ただ、それだけです。
「ウチの商品を何と比べていますか?」と聞くと、一生「キャバクラ」という答えは出てきません。商品とは関係なく、何にお金を使っているかを聞くことがポイントです。
ぜひ試してください。
【邪魔の入らない週末こそ!社長のためのアクションプラン】
お客さんにアンケートを取りましょう。
特に聞くべき項目は下記。
「最近の一番大きな買い物はなんですか?」「毎週、毎月など定期的に購入している商品はなんですか?」
-北岡秀紀
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