From:ジョン・カールトン
From:ジョン・カールトン
先日の土曜日、あるドラマで葬式のシーンを見ていて私はひどく感情を揺さぶられました。ある葬式を思い出し、ずいぶんと長い間忘れていた感情を思い出しました。よくできたドラマは、例えそれがフィクションだと分かっていても、古典文学の名作のように人の心を揺さぶります。そこで今日は、セールスライティングにおける「共感力」についてお話したいと思います。私は共感する力を完全に失ってしまった人を何人か知っています。彼らは自分自身の心の外側に出て、他の人の視点で物事を見る能力を完全に失くしてしまっているのです。例えば映画を見れば、普通はその登場人物に感情移入してしまうものですが、私の叔父のように「エクソシスト」を観ている途中で平気で眠りに落ちる人もいれば、私の友人のように「ジョーズ」を観ながら笑い転げる人もいます。しかし、多くの人は登場人物に感情移入し、時には怒り、時には喜び、時には悲しむものです。
映画などのフィクションの多くは、私達の感情を様々なレベルで刺激します。そしてこういったフィクションはすべて、人間の感情のスイートスポットを知っている優れたライターによって脚本が作られているのです。
現実の世界では、私達が体験することのほとんどは自分の頭の中や直感から生まれるものです。現実の世界では、すべての出来事は私達の身近な範囲(あるいは自身の中)で起きています。編集することも、リプレイボタンでもう一度再生することもできません。
ですが、TVドラマや映画を見ることは本来、自分とは関係のない架空の体験です。他人の生活をのぞき見しているようなものです。あなたはそこにはいません。それはあなた自身の身に起こったことではありません。あなた自身が体験したことと同じようなパワーは持ち合わせていないはずです。
にもかかわらず、自分自身が体験したようなリアルな体験がそこには存在するのです。
私が知っている優れたセールスライターは誰でも、他人の感情的な体験に対して深く共感することができます。実際にヒステリックに泣きながら歩きまわったりはしませんが、窒息してしまうくらいに彼らの感情を完全に共有することができます。
私は度々、本当に度々、ライティングを終わらせた時に涙が自分の頬をつたっていることに気づくことがあります。自分の作ったコピーの中に深く入り込んでいるのです。
逆に言えば、共感、つまり見込客が感じるあらゆる感情を理解し、自分のこととして捉えることができなければ、あなたは決して優れたセールスライターになることはできないのです。
共感する力を身に付けることができれば、あなたはあなたのメッセージは驚くほど大きな力を持ち始めます。つまり、セールスライターにとって強い感情を感じることはとても重要なことなのです。
もしあなたが、自分自身の感情に固い鍵をかけてしまっているなら、あなたは決して他人の心の中に入って行くことはできません。その結果、どんなに優れたテクニックを持っていても、あなたは決して読む人の感情のスイートスポットを突くようなセールスコピーを作り上げることはできないでしょう。
何も、ドラマの脚本家になる必要はありません。
しかし、クールなふりをして感情を邪魔者扱いすることは絶対にしてはならないのです。楽しみや悲しみ、そして痛みなどを素直に受け入れる力が必要なのです。素晴らしい人生を送り、そして優れたセールスライターになるためには大きな壁があります。そして、自分で涙を流すことができなければ、誰もその壁をぶち破ることはできないのです。
お人好しになってください。それがあなたの人生をより豊かにし、そしてあなたのセールスコピーを情熱に溢れたものにすることができるのです。
これから、共感力を磨くためのちょっとしたコツをお教えしましょう。
ステップ1:テレビドラマなどを見て、自分の中でどんな感情の変化があったのかをチェックしてみてください。そして、その場面で、その脚本を書いたライターは視聴者のどんな感情のトリガーを引いているのか考えてみてください。彼らはそこで意図的に恐怖や悲しみ、あるいは希望といった感情を引き起こそうとしているはずです。
ステップ2:あなたの日々の生活はあなたの人間性を磨くチャンスであふれていますが、私達はそれらを無視したり、否定したり、あるいは恐れたりするように自分自身を制しています。
それを乗り越えてください。素直にその感情を受け止めてください。
私達は本来感情的な生き物です。ひんしゅくを買うような感情、咎められるような感情、人には言えないような感情をさらし出すことで文化を作り上げてきたのです。
あらゆる出来事に対してあなたの感情をオープンにすれば、あなたの共感力は驚くほど磨かれていきます。
セールスライターとして、あなたの仕事は、相手を縛り付けている心の束縛や拘束から彼らを解放することです。そのためにはあなたは日々、自分の感情を鍛え続け、そして何よりもその感情を大切にしなければなりません。
現代は感情の少ない、浅はかな世界になってしまいました。だからこそ、感情(そして共感力)とうまく付き合い、それをセールスメッセージに活かせるセールスライターにとっては大きなチャンスでもあるのです。
お人好しになってください。最高のセールスライターは人間のあらゆるパーツについて熟知していますが、これはその中で最も重要なパーツのひとつです。
John Carlton
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