From:北岡秀紀
朝から縁起でもない話で恐縮ですが、友人の会社が倒産しました。
私の感想は「やっとか…」でした。
実は4年ほど前に、この友人から会社が苦しいということでサポートを求められました。
以前、お世話になった恩もあり会社に行ったのですが
「もう手の施しようがない。なら、一度キレイにして再出発したほうがいい」
とハッキリ伝えたところ激怒されました。
とはいえ、私が「手の施しようがない」と診断を下したあと4年も生き残っていたわけです。
倒産後に彼から聞いた話などを総合すると親戚や友人からお金を借りたり、銀行の借り入れをリスケしたり、必死に止血作業をしていたようです。
ただ、所詮は止血作業。
それで健康体になるわけではなく、4年間かかってようやく死亡したというわけです。
この友人に限らずダメだという状態からはしぶといもので…
セールスライター兼コンサルタントとして起業したAさん。
エイヤ!と会社をやめたものの鳴かず飛ばずで全く売れず、半年で預金残高は13円になりました。
ネットオークションで持っているものを売ったり、日雇いのアルバイトをしたり、クレジットカードのキャッシングをしたり、保険を解約したり、あげくの果てにはクレジットカードの購入枠を現金化したりして13円の状況から半年もたせたそうです。
で、最終的には自己破産して、サラリーマンに逆戻りです。
ここで重要なのは、生き残るためのアクションとビジネスを成長させるためのアクションは全く違うということ。
いくらお金を借りて今月の支払いを乗り越えられても、利益が増えなければ来月もお金を借りる必要があります。
当たり前のことなんですが、生き残りに必死のときはそんな当たり前のことにすら気づきません。
たまに大借金を抱えてヤ●ザに追われながら奇跡の大逆転みたいなストーリーがありますが…
数少ない事例だからこそ取り上げられるわけで。
偶然に支えられたごくごく少数派の話に過ぎません。
ほとんどはそのまま潰れて終わり、です。
なので、自分が成長のためではなく生き残るためのアクションを取り始めたら、そこで一度諦める。
で、再起をはかったほうがうまくいきます。
そうすれば過去の現預金も残ります。
しかも、冒頭の私の友人やAさんのように周囲や家族に大きな迷惑をかけることもありません。
結果、再起も楽になります。
ビジネスで3年生き残る会社は30%以下、10年生き残る会社は5%以下なんて言われます。
なので、会社なんて潰れるのが普通なんです。
潰れない、潰さないほうがよほど不自然です。
我々はその不自然なことにチャレンジしている、ということを理解すべきです。
ただ、人間と違って、ビジネスは正しく潰せば再起が可能です。
だから傷口を広げないために潰すという勇気も必要です。
そのために必要なのが、どうなったら会社を潰すのか、という基準です。
例えば、弊社グループの場合、
・3カ月連続で単月赤字を出した場合
・事前に決めている預金残高を切った場合
その時点で会社をたたむというルールを運用しています。
(新規事業の場合は少し違うルールが適用されます。)
こんな風に、あなたが会社を潰す基準をぜひ決めておいてください。
そうすると傷口を広げずにすみます。
儲かっている人にとってはそんなの関係ないと思うかもしれませんが。。
その「関係ない」という傲慢さこそが会社を潰します。
勝って兜の緒をしめよ、です。
-北岡秀紀
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