From:北岡秀紀
先日、カメラ修理の会社の社長とお話する機会がありました。
スマホでパシャリ!の時代にそんなビジネス大丈夫?と思っていましたが…
フィルムのカメラには根強い人気があるらしく、なかなかウハウハなご様子。
普段お会いする機会もないので、その方と色々話をしていたのですが、その中で「ニコンのカメラは壊れにくい」という話がありました。
戦時中に軍用機材を作っていたので、その伝統をくんで頑丈なのだそう。
なので、彼の会社に修理に持ち込まれるカメラの中でもニコンの割合は明らかに少ないとのこと。
でも、よく考えれば戦争が終わって70年以上経過しています。
もう軍用機材を扱っているわけではないし、時代が流れカメラに対するお客さんの価値観も技術も大きく変わっています。
ですから、ニコンの技術者の方と話をしたわけではありませんが、「壊れにくい」「丈夫な」カメラを作ろう、だなんてきっと意識していないはず。
でも、未だに壊れにくいカメラを作り続けている…
これが会社の価値観や風土の力です。
社内風土の力は強力です。
社長の天才的な直感でやってきたある会社がありました。
社長のワンマン経営から抜け出すために、まずは直感頼りをやめ数字で合理的に意思決定する組織に変えなければということで、左脳バリバリのコンサルタントを責任者のポジションに招聘しました。
しかし、ご想像通りうまくいきませんでした。
明らかにAという施策の方が結果が出ているのに、「お客様が喜んでいたから長期的には絶対にコチラの施策がいい」と施策Bを継続したり…
社長と同じく、スタッフまで直感で意思決定をするクセがなかなか抜けません。
風土の力に負けたのです。
結局、この責任者が心労で倒れてしまい、風土の改革は失敗に終わったのでした。
この「ザ・レスポンス」を読まれている方は比較的小規模のビジネスの方が多いです。
もしあなたもそうであれば、チャンスです。
今のうちに好ましい風土を作っておくことができるからです。
大きくなってもその風土は引き継がれます。
好ましい風土を作る方法は簡単。
社長が率先垂範すること。
そうすれば、スタッフも「こうするのが正しい」ということを理解するからです。
ですから、会社が大きくなるとしたら、どんな風土の会社になって欲しいのか?
紙に書き出してみましょう。
そして、それが風土になるように、今のうちから率先垂範しましょう。
社長であるあなたの一挙手一投足が社内風土になる、と思っても間違いではありません。
追伸
もう既に規模が数十人、数百人になっているから、風土を変えるのが厳しいという方もいるかもしれません。
それでも今後も会社を成長することを考えれば会社が一番小さいのは今です。
つまり、風土を変えるのが最も楽なのはいつだって「今」だということ。
もちろん数名規模の時のように社長が率先垂範すれば終わりとはいきません。
とはいえ、風土が変わるまで社長が言い続ける、行動し続けるしかありません。
行動し続け、言い続ければ一番近い部下から変わっていきます。
そして、彼らが変われば次はその周囲が変わり…
と徐々に変わっていきます。
実際、前述した直感型から変われなかった会社は、一度頓挫した後、別のマネージャーを招聘しました。
そして、結局、社長とともに数字で意思決定できる会社になりました。
その期間およそ1.5年。
相当、紆余曲折がありましたが、社長が一切曲げずにやり続けてきた結果です。
それくらい徹底してやらないと風土は変わらない、ともいえますね。
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